ゲーム紹介:ラウハ


こんにちは。
Engamesで制作開発チームでマネージャーをしています橋本と申します。
今回は『ラウハ』という幻想的な世界観のゲームをご紹介いたします。

どんなゲーム?

千年にもわたる干ばつによる乾燥ののち、ラウハの地に再び生命が芽吹きました。
由緒あるシャーマンであるあなたには、5つの世界のうち1つが委ねられています。
この世界を生命力のゆりかごとすべく、あなたは能力で環境を形作ることができます。
文明を復興し、世界を生命力で満たし、多くの得点を得ましょう。

『ラウハ』は、世界を生命力で満たすため2世代にわたって生態系を創る2〜5人用のカード配置ゲームです。
2者間でのコンパクトなドラフトでカードを選び、個人ボードに配置します。個人ボードには3×3の9マスがあり、カードやボード上の生態系を一列揃えてビンゴすることで追加効果のある神をその地に降臨させることができます。
シャーマンであるあなたの分身、アバターが世界を巡回し生態系を活性化させます。アバターは個人ボードの周りをまわり、1手番ごとに対応した1列の効果をすべて起動させ、資源や得点を発生させます。
アバターが世界を1周するとゲーム終了です。
生態系を揃えて神を降臨させたり、アバターの巡回に合わせて生態系の配置を行い、効率よく得点を集めましょう。

ゲームタイトルにもあるRAUHAはフィンランド語で、日本語に訳すと【平和】【穏やか】【平穏】という意味があるらしいです。荒廃した世界に平穏を取り戻しましょう!

作者は『クィーンズ~ハチなるか、ハチならざるか、それが問題だ~』や『オリハルコン』のJohannes Goupyと『シーソルト&ペーパー』のThéo Rivièreの2人です。この2人はこれまでBruno Cathalaと組んでこれらのゲームをデザインしてきました。
Bruno Cathalaから学んだデザイン手腕がふんだんに発揮された作品が『ラウハ』です。


手番の流れ

プレイ風景の写真つきでご紹介いたします。

ゲームは4ラウンドに渡ってプレイされ、各ラウンドは3回の手番と得点計算からなります。
手番は5つのステップを順に行います。
 ステップ1:生態系カードを1枚選ぶ
 ステップ2:生態系カードを配置する、もしくは捨て札にする
 ステップ3:神を迎え入れる
 ステップ4:アバターと迎え入れた神の能力を起動する
 ステップ5:アバターの移動

ステップ1:生態系カードを1枚選ぶ【全員同時】
アバターがある場所に示されているアイコンの方の衛星ボード上から、すべての生態系カードを取り1枚選びます。残りは衛星ボードに戻します。



ステップ2:生態系カードを配置もしくは捨て札にする【一人ずつ順番】
カードをボード上のいずれかのマスに配置します。もしくは捨て札にして資源などを得ることもできます。


ステップ3:神を迎え入れる【一人ずつ順番】
この手番で配置した生態系カードにより、シンボルが行または列で3つ揃った場合、該当する神を取り手元に置きます。


ステップ4:アバターと迎え入れた神の能力を起動する【一人ずつ順番】
アバターがある行または列の生態系と、この手番で迎え入れた神の効果を好きな順番で起動します。


ステップ5:アバターの移動【全員同時】
アバターを時計回りに1マス進めます。アバターがボードの角に到達したら得点計算を行います。そうでない場合、次の手番のステップ1から行います。


ゲームの終了
4ラウンド目の得点計算が終了したらゲームは終了し、もっとも得点の高いプレイヤーが勝利します。同点の場合勝利を分かち合います。



おすすめポイント1
気まぐれな神をめぐる争奪戦

神を迎え入れるには、個人ボードの9マス上で生態系を一列揃える必要があります。神は「迎え入れた時」と「得点計算時」に効果が起動し、様々な恩恵を得られるため非常に重要です。
しかし、7種類ある生態系の対応した神はそれぞれ1種類ずつしかいません。そのため1度、神を迎え入れたとしても、他の誰かがその生態系を揃えた場合、神は他の誰かの元へ行ってしまいます。
神を最大限活用し利益を得るには、適切なタイミングで迎え入れることが重要で、神の争奪戦という予期せぬドラマをもたらします。


おすすめポイント2
同時処理と手番順アクションによる戦略性

『ラウハ』ではドラフトゲームとしては珍しく、すべてが同時処理ではなく手番順のアクションもあり、これが戦略性を大きく上げています。
まず最初のカードドラフトは全員同時に行います。これによってゲームで一番時間が掛かる部分を短時間化しています。
その後のカード配置は得点が高い人からの手番順で行います。これによって先手番のプレイヤーが神を得られるようにビンゴを行ったとしても、得点の低い後手番のプレイヤーが神を後から横取りでき、逆転しやすいゲーム構造になっています。
なのでゲームに慣れたプレイヤーは、カードドラフト時にこのことを考慮に入れてカードを選んだりと、より戦略的な立ち回りをすることもできます。


おすすめポイント3
濃縮された本格ゲーム体験

先に紹介した要素の他にも、得点計算が楽しみになる「胞子トークン」、油断すると大逆転を許すことになる「水源」などゲームを盛り上げる要素がたくさんあります。またカード配置や神の効果をうまく組み合わせると1ターンで30点得ることも可能なため、最後まで誰が勝つかわかりません。
たった1時間弱の間に様々な戦略や展開があり、箱サイズは『イッツアワンダフルワールド 享楽と堕落』程と省スペースながらも濃縮された本格的なゲーム体験が味わえます。


おすすめポイント4
かわちいアバター
プレイヤーの分身となり世界を巡回するかわちいアバターをご覧ください。
てぇてぇ


こんな人には合わないかも…

『ラウハ』は1ターンで30点得ることも可能で、最後まで誰が勝つか分からない最近流行りのタイプのゲームです。1点1点を着実に稼いで勝つクラシックタイプが好きな方には合わないかもしれません。

最後に

『ラウハ』は正直なところ箱や盤面が地味なため、ゲーム自体は面白いけども遊ばれにくい立ち位置のゲームになると思われます。
しかし、ドラフトの方法、アクションの順番、カードの配置場所、カードの効果、アバターのタイミングや随所にあるジレンマなど、すべての要素がかみ合い非常に洗練されたゲームの1つです。
プレイ人数2〜5人、時間45分とちょうど扱いやすいレンジです。
省スペースな箱の中に濃縮された本格的なゲーム体験が1時間弱でできるため、遊んで確かめていただければと思います。
最近ではこのような、コンパクトにまとまった扱いやすい良いゲームは決して流行りとは言えませんが、このような扱いやすいゲームが出版されなくなるのは困りませんか?
私は非常に困ります!!
「濃縮された本格的なゲーム体験が1時間弱でできるコンパクトにまとまった扱いやすい良いゲーム」をお探しの方は是非チェックしてください。


一般発売は11月30日、価格は税込み4,950円になります。

ゲーム名:ラウハ
プレイ人数:2~5人
対象年齢:10歳~
プレイ時間:45分

参照したゲーム
『クィーンズ~ハチなるか、ハチならざるか、それが問題だ~』
https://boardgamegeek.com/boardgame/265285/queenz-bee-or-not-bee

『オリハルコン』
https://boardgamegeek.com/boardgame/355888/orichalcum

『シーソルト&ペーパー』
https://boardgamegeek.com/boardgame/367220/sea-salt-paper

『イッツアワンダフルワールド 享楽と堕落』
https://boardgamegeek.com/boardgameexpansion/334767/its-wonderful-world-leisure-decadence

#ボードゲーム

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