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観客の主体性を引き出す映画〜黒澤映画の真の魅力とは?〜

こんにちは!Engagement Run!Academy講師兼コミュニティマネージャーの三浦です!

昨年、放映されたNHKの「黒澤明監督が描いた『能の美』」という番組で、黒澤明監督は、日本の伝統芸能の能をこよなく愛し、自身の作品にも色濃く反映されていると語られています。

同番組で、能楽師の安田登さんは、黒澤映画と能の関連性について以下のように語っています。

「能の特徴として、自律的な芸能という特徴がある。自律の反対は、他律ですね。」

「自律的な芸術は、(観る側の)自分にルールがある。」

「どうだ!って見せられるような映画。感動しろ!って見せられるような(説明的な)映画、これは他律的な映画なんです。そういう映画は、2回はなかなか見れない。」

「自律的な映画というのは、いろんな隠し事があって、自分でそれを読み解く楽しさがある。」

黒澤明が描いた『能の美』NHKより

ミュージカル「ライオン・キング」の演出でトニー賞を受賞した舞台演出家で、黒澤映画の大ファンでもあるジュリー・テイモアさんも、言葉を重ねます。

「(黒澤映画を見る人は)”能楽”を知らなくてもいいのです。」

「多くのさまざまなレベルの観客が、どこからでも作品に入り込めるような
偉大な芸術を成し遂げたのだと思います。」

「私は、(黒澤映画を語る時)よくこんな例え話をします。ある建物にエレベーターが14階まであるとします。観客は好きな階で降りていいのです。ですから”能楽”がわかるならどうぞ14階まで行ってください。でも、単に美しさや情熱的なストーリーが好きなら、3階、あるいは4階で降りればいいのです。観客は、彼がスクリーンに映し出す以上のものを知的に理解する必要はないのです。映像が全て。ですから、彼は、私にとって最も偉大な芸術家なのです。」

黒澤明が描いた『能の美』NHKより

自律的とは?主体性とは?などの問いに対して、たくさんのヒントをもらえる番組でした!

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