見出し画像

皮から革。

お盆は、お墓まいりをすませた後、見出し画像の革などを使いひとつのモノを製作していました。

note_記事画像_横コイン01


今日は、皮から革のお話を書くことにしました。

スペインに住んでいた頃、友人からされた質問。
Oye ¿Qué hay diferencia entre cuero y piel?
なぁ、皮と革の違いって何やねん? (日本語訳を関西弁で盛っています。)

日本帰国以前に革について、ひとり勉強していたのでそんな話になりました。
スペイン語で皮はpiel/ピエル、革はcuero/クエロと言います。
皮は人や動物の肌、皮膚、鞣していない状態を“皮”、鞣したモノが“革”と説明。

0からのスペイン語から初め、その数ヶ月後からスペイン、バレンシアの語学学校で学びつつ住んでいた時期、既に他言語能力が低いと悟っていた私… どんどん簡単な単語すら忘れて行く… もう、どうにでもなれ…

話しを戻します。
動物などを食料加工した副産物の皮を使い、革にしますが、腐敗したり、乾燥すると硬くなってしまいます。そこで、鞣し剤(タンニンや薬品)を使い、不純物を取り除いてやわらかくし鞣して仕上げたモノが革となります。

まぁ、一般的に“本革”と言いますよね、たくさんありますね~、本革は何かの革。
牛、馬、豚、羊、山羊、鹿、ダチョウ、ワニ、ヘビ、トカゲ、鮫、エイ、鮭などなどいろいろあります。鳥皮と鮭皮は、塩が好きです。

鞣すといっても、いろんな鞣し方があります。代表的なもので言えば...
植物タンニン鞣し、クロム鞣し、コンビネーション鞣し、合成タンニン鞣しなど。私が主に使っているのは植物タンニン鞣し革。

タンニンとは植物由来し、水溶性の化合物の総称で植物界に普遍的に存在して…
先生、そんなん言われてもわかりません。。。

お茶、ワイン、柿などにも含まれている渋味成分などもタンニンと。木の種類で、ミモザ、チェスナット、ケブラチョなどと聞いたりしますが、それらの木から抽出した植物タンニンを鞣し剤として使用しているとのことです。

植物タンニン鞣しは、最も古く、古来からある鞣し方法です。
植物タンニンと動物性タンパク質と結合させる鞣しで、非常に手間がかかる鞣し方といわれています。たくさんの行程があり、長くピット層(プールみたいなモノ)に漬け込み鞣す場合だと、約半年も時間がかかるとか。その後、仕上げ(染色、加脂など)されます。仕上げを行わない革は“ヌメ革”と呼ばれます。
鞣す際に発生する排水や廃棄物、使用を経てからの焼却時にも有害物質を生まないなど、環境に対して負荷が比較的に少なく、現在でも使われる鞣し方法です。

クロム鞣し
クロムは塩基性硫酸クロムと呼ばれる化学薬品、時間と手間がかからず鞣すことが可能で早いと1日と。ドラム鞣し(大きな樽)、通称タイコの中にクロムと皮を入れ、ぐるぐる回してクロムを浸透させることで鞣し、革に柔軟性や比較的強度を持たせることも可能と。鞣しが早いので、量産できるメリットがあります。鞣した後は、仕上げなどがありますが、現在流通している多くの革製品にクロム鞣し革が使われています。

コンビネーション鞣し
2種類、それ以上の鞣剤の併用による鞣し。例えば、クロム鞣しを行なった後、タンニンなどで再鞣しすることにより、単独鞣しの欠点を補ったりすることができる利点がある。

合成タンニン鞣し
元々、植物タンニンの代替や補助用として開発された合成の鞣剤を使って鞣す方法で、クロム鞣し革の再鞣剤として多く使用されているなど、植物タンニンと合成タンニンの組み合わせもあるとも聞いたような。


世界的な流れで環境汚染の問題、環境に及ぼす影響がある化学薬品の問題。
“エコレザー”というものがあります。ヨーロッパが普及の中心と聞いていますが、エコレザーも厳密には、クロムなど化学薬品を全く使わないということではなく、出来るだけ使用した水、排水などの処理などの負担の減らす、クロムに限らず環境に及ぼす影響を考えて行く必要性から生まれたモノとなります。
ヨーロッパと基準が同じか詳しくわかりませんが、日本でもエコレザー基準を満たして作られているものは、エコレザー認定されています。


note_記事画像_横コイン02


私が主に使っているのは海外のタンナーが公言している、植物タンニン鞣しの革。
オイルを含ませた染料仕上げの革。ベルギーの老舗タンナーの革、イタリアの老舗タンナーの革を使って製作したモノを、今日?オンラインストアにアップしようと思います。

この記事が参加している募集

#とは

57,858件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?