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スリとダリとマネークリップ財布

わたしはもう約10年ほどマネークリップ財布を使い続けている。
最初はスーツでもスッキリと使えていたことから始まり、今は自分で製作した過去のサンプル品を使っている。
ズボンのお尻のポケットに入れて見事に反り返った財布は使いたくない派であり、前ポケットに収まる使いやすさが好きである。未だ進化しているストレッチ素材系のパンツのおかげで"楽ちん"度合いが増している。

バッグでなく、前ポケットに入れる習慣は"海外生活での対策"が始まり。

世界最強のパスポート… スラれる

盗難被害… スペインで知り合った在住日本人の方々はほぼ全員、友人たち、通った語学学校の留学生たちもかなりの確率で何かしら盗難被害にあっていた。
当時多かったのはスマホのひったくりや置き引き、スリ被害、バッグの置き引き、女性狙いのバッグのひったくりなど。
わたしは財布、スマホは一度もないのだが、一度だけ完璧な仕事をされている…

スペイン滞在ビザ更新中、スペインのIDカードの期限が切れていた時の話。
更新書類を期限内に提出していようが通知待ち状態が数ヶ月続く、超あるある…
もう普通、当然、当たり前。。。

身分証明として、たまたまパスポートを持って出かけることになったある日…
パスポートを取り出そうとしたら無い… 無い、無い。。。
ショルダーバッグのファスナーを開けられたら気付くようなものと思うが…
パスポートケースにパスポート、緊急用に忍ばせていた50ユーロ。
スラれたとしか… 見事と言うしかない。

もうどうしようも無いので諦めて… 手続きがね、面倒ね。
まずは管轄の警察で盗難届を出し盗難届出書をもらう、その後すぐに在バルセロナ日本国総領事館(バレンシア州管轄はバルセロナ)へ連絡、日本の家族に連絡し日本からわたしの戸籍謄(抄)本原本を普通の国際郵便にて在バルセロナ日本国総領事館宛て郵送してもらうなど。
(他にも領事館の方のアドバイスがあったが現在の状況によるので割愛する。)

後日、在バルセロナ日本国総領事館へ行き、盗難届出書、パスポート用写真2枚、アチラにある必要書類を書いて提出。朝一に行って手続きしたので、午後に受け取り可能だったが、ある予定のため… 次の日に再度領事館へ受け取りに行った。

世界最強パスポート、再び手元に。
実際に支払った後の領収証、スペインで日本語最高!! またも10年で114ユーロの支払い…


3回目のバルセロナだった… もう、サグラダ ファミリアさんもグエル公園もカサ バトリョとかも2回訪れていた… ゴシック建築の街並み散歩もいいけれど…

バレンシアから高速バスで4時間ほど揺られ、最短で午後にパスポートを受け取りトンボ帰りもつまらない… ここである予定を思い付く。
折角なので、バルセロナからAVE、AVANT(アチラの新幹線)で1時間程、フランス国境に近いフィゲレス(Figueres)の街にある"ダリ劇場美術館"へ行くことにして、バルセロナで一泊後にパスポートを受け取ることにした。

¡Hola, Teatro museo Dalí! -ダリ劇場美術館-

今回は違う続きがあるので、ダリ氏の代表的なものを少し、サクッとお届け。
他にも写真があるので、また記事にしようかな?と思っている。

renfe(レンフェ)のバルセロナ サンツ-フィゲレス ヴィラファントの往復チケット。
チケット2枚なのは、当時の同居人も行きたい!! とフィゲレス行きに乗っかって来たのである。
"ダリ劇場美術館" (Teatro museo Dalí )
サルバドール ダリ氏 (Salvador Dalí)、ダリ劇場美術館内。
日本でも馴染みある"チュッパチャップス"のロゴデザインの生みの親である。
唇ソファー… 有名なやつ。
こうやって、見れるやつ。ダリワールド最高、尊敬しかない。www

パスポートをスラれてなければおそらく行けてなかっただろう…
収蔵作品の多さも凄い、そして全て撮影OK。行って良かったし、また行きたい。
バルセロナへ行く方、時間のある方にはオススメです。

超最悪だけは避けておきたい

もし財布を盗まれた場合ならば、クレジットカード、デビットカード、IDカード、免許証やら、全てのやり取りがウザい。バッグを引ったくられる、盗まれたりしたら、もう超最悪… カード類、スマホ、現金やら何かしら中身全てにさよなら…
Adiós, todas cosas mías, para siempre… (さよなら…わたしのモノたち…永遠に)まぁ、再発行したら戻るモノもあるけどね。

アクシデントは仕方ないとして… 超最悪だけは避けておきたい。
スペインでの生活では最初から、バッグを持っていても、ズボンの右側のポケットにマネークリップ財布、左のポケットにiphone、小銭は適当に持っていた。
パスポートはやられたけど… 出来るだけバッグ、財布、スマホを分けて持つこと。
人の多い場所やスペイン、ヨーロッパ旅行中は特に気を付けていた。

ダリもちょっと挟んだし、ちょっと長過ぎましたな… ここまで書いたような背景もありつつ、帰国から数年後、独学で手縫いの革小物、マネークリップ財布の製作をするようになり、正確に作る技術や仕立てを大切にすることを心掛けたモノ作りをしている。続きは少しお仕事の話…

カラーオーダー製作  -Custom made-

ここからは、オーダーを頂いたマネークリップ財布。
青系希望ということで、フランス産の革でネイビーとアイスグレー、またはネイビーのみでもお作りしますとお伝えして、バイカラーを選んでいただいた。

フランスのタンナーにて製造されている発色の素晴らしさ際立つ型押しカーフ。
スーパーメゾンでは"ヴォー エプソン"という名称。
上質なカーフであり、ほぼエイジングせず、ハリがあり小傷なども入りにくい。

カードポケット部分はワインボトルの形状を表現したデザイン。
スペイン語でワイン(vino ビノ)、マネークリップ財布 -vino- の製作風景を少し。

荒裁ちをしたオモテ側、ウラ側のパーツを並べてみてパシャっと。
手縫いに使うワックスリネン糸はオモテのネイビーに合わせた近似色。
手縫い。レーシングポニーに挟んでいるが本当は違うセットの仕方をする。
早く縫いたかったので横着した…
端の革が削れているところは接着部分。"荒らし作業"は地味に時間がかかる。
スパーッと切る"本裁ち"。失敗したら終わる… 絶対失敗したらアカンやつである。
発送を控えているので、急ぎで仕上がり写真を撮る。
オモテ側。
梱包完了。


お時間を頂いて製作するオーダー製作。
大事な贈り物として選びオーダーして頂けたこと、嬉しく思う。

最後に

日本の街中でバッグから財布が見えている人を見ると、ヒヤヒヤする…
スペイン在住の日本の方たち、特に女性たちは口元が空いているバッグの時は中に巾着袋のようなものを入れて、その中に大事な貴重品を入れて口元を縛るなどの対策をしていた。
まぁ、日本は多少なり他の国より安全な国ではあるが、海外旅行や海外ワーホリ、海外留学などされる方は楽しく過ごすためにも気を付けてね。

海外での経験、昨今のスマホ決済、カードのタッチ決済の流れの中、コンパクトなサイズに拘りを持ちつつ、総革、手縫いにて革小物の製作しております。
メインでもサブでも、スマートに使って頂ける"マネークリップ財布"、男女問わず、ユニセックスなモノとして使って頂けるモノ作りをしたいと思う。

ではまた、¡Hasta luego!




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