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毎日読書メモ(197)『アレグリアとは仕事はできない』(津村記久子)

昨日の『つまらない住宅地のすべての家』の感想(ここ)を受け、2009年9月に津村記久子『アレグリアとは仕事はできない』(筑摩書房、現在はちくま文庫)の感想をあげておく。
『ポトスライムの舟』で芥川賞を受賞したことで津村記久子の作品を知り、2009年には何冊も津村記久子作品を読んだ。その後間が空いてしまったが、今年読んだ『サキの忘れ物』も『つまらない住宅地のすべての家』も、当時の作品と全然違った見地で面白かった。

(ここから2009年9月の感想)
仕事に行く(サラリーマンとして)疲労と苦悩について、緻密に描く作者だな-、すごくマイナス指向な感じなのに、自分の気持ちにより添う部分があり、嫌いになれない。アレグリアの背後にあった陰謀の話にあっと言わせられる。アレグリア自身に罪はないかもしれないが、でもやっぱりアレグリアとは仕事できないよねー。そういう気持ちは自分の中ではっきりさせてないと、先輩みたいなことになってしまう...。
(ここまで)

この本を読んだ後、職場の複合機で色々な作業をしていて、不具合が発生して八つに取り組まないと対応できないような事態に遭遇したとき、つい、その機械を「アレグリアめ!」と呼んでしまった。皆さんそれぞれにアレグリアを持っているのでは。

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