#自分と向き合う
駒込ピポットを盗んだ
中学1年の冬だったか。僕が犯行を行ったのは。
あれは、理科の実験で「紫キャベツの煮汁」を作った日。理科室の窓からは、校庭に積もった雪が見える。朝礼台やサッカーゴールが、埋もれていた。昨夜の大雪の所為か。敷き詰められた雪に、太陽光が反射し、教室を熱くした。矛盾した気温に「身勝手な」と思った。
鍋の中でキャベツが煮込まれており、紫色の汁が出来上がっている。ビーカーに移した紫の液体。僕たちは、駒込ピ
親しき仲にも配慮が無いと
嫁が、冷蔵庫の上にある小さな収納棚を指差して『ハンドソープの詰め替え、取って』と言って来た。確かに、冷蔵庫の身長は、彼女よりも高い。棚から詰め替えボトルを取り出すには、踏み台を準備して、2段登らなければならない。でも、僕の身長ならば、つま先立ちをすればギリ届く。命令口調に多少引っ掛かりながらも『まぁおれの仕事だな』と自分を説得し、冷蔵庫の前を通るついでに取り出して、キッチンの上に置いておいた。
比較が始まるから、本当は誰かのエッセイなんて読みたくない
誰かと自分を『比較』しては、テンションが下がり、下を向いて歩く日々を送っている。
ことエッセイで言えば、人気の記事を読み『どうやったら俺のも読んでもらえるのか?』『このテーマで俺ならどう書く?』『俺にこの描写、このまとめ方ができるのか?』などと、考えてしまう。
そして、読み終えた直後、自分の可能性に賭け、いざ筆をとると、あまりに無惨な表現に、吐き気を催す。
何も出ない。
気を抜いていると、
これが『弱さ』を認め人の靴を舐める『強さ』を手にする手順である
あんぐりと口を開き、左斜め上あたりを眺めている。ふと『上顎は乾いているのに、口の中にヨダレが溜まってきた』という事実に気付き、この世に帰って来たところである。
その時、僕の目の前を、宙に漂う『埃』が横切った。
目で追ってみると、左斜め上から落ちてきた埃は、空気抵抗で少しホップアップしたり、瞬間的にスピードを上げたり、歪な動きをしている。僕には感じ取れない程の、微かな空気の流れに、身を任せている
服を脱いで洗濯をしたから
SNSに股間を晒そうとした事がある。
違う。趣味で、ではない。
隠す事より、全て見てもらう方が、楽だと思ったからだ。僕があまりにも真剣な顔付きで相談するものだから、嫁は『流石にキモい』と言っていた。
エッセイを書いていると『自分をどこまで曝け出せるか』という ”ハイ” の状態になる事がある。奥底にいる自分を曝け出すと、生活をしていく上で『不必要になった自分』が、生き帰るような気がしてくる。それ