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心の燃えカス

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胃の奥に溜まっている『心の燃えカス』みたいなモノを、吐き切りたいのでエッセイとを書いてます。皆さんに共感して貰えるとは思いませんが、各々、突っかかっている何かを、吐き出すキッカケ… もっと読む
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#自分

歩けども、歩けども

歩けども、歩けども

歩きながら、考え事をしている。

信号が、赤に変わった。大通りと細い通りが複雑に絡まる交差点、高速道路の入り口でもある。青に変わるまで、結構、時間かかりそう。向こうから、トラックが来た。交差点に差し掛かる、数十m前からブレーキを踏み、緩やかに停止した。前に、3人乗りのようだ。運転席と助手席の間に、座高を高くした、金髪の若者が座っている。運転しているのは、1番のおじさんっぽい。彼は、とても退屈そうに

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駒込ピポットを盗んだ

駒込ピポットを盗んだ

中学1年の冬だったか。僕が犯行を行ったのは。

あれは、理科の実験で「紫キャベツの煮汁」を作った日。理科室の窓からは、校庭に積もった雪が見える。朝礼台やサッカーゴールが、埋もれていた。昨夜の大雪の所為か。敷き詰められた雪に、太陽光が反射し、教室を熱くした。矛盾した気温に「身勝手な」と思った。

鍋の中でキャベツが煮込まれており、紫色の汁が出来上がっている。ビーカーに移した紫の液体。僕たちは、駒込ピ

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タコが悪口なもんか

タコが悪口なもんか

歩いていたら『良い加減にしろ、このタコ』という怒鳴り声が耳に入ってきた。令和の時代に、なかなかお耳に掛かれない、貴重な罵詈雑言である。

思わず声がする方を振り向くと、若い後輩社員らしき男が、クソ味噌に叱られている。彼は、良い加減にしないといけない程、悪い事をしたのだ。上司の顔色を伺うに、7回は同じミスをしたであろう剣幕である。後輩社員のストレスメーターが、急上昇しているようだ。僕もよく、上司に怒

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短所7、長所3

短所7、長所3

中学の国語の教師が話していた事を、なぜか頭の片隅に置いている。

なんの授業をしていたかは、全く覚えていない。尾崎放哉なのか、古今和歌集なのか。そもそも、国語の授業中に、なぜこんな事を言ったのか。教え子相手に、調子に乗ってカッコつけちゃったのかな?

第一、国語は嫌いだった。活字は読みにくいし、シンプルに地味だったから。中学から高校までの6年間ノートを取らなかった。最後の方は意地でも取らないように

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地上最強の生物『嫁』

地上最強の生物『嫁』

嫁と喧嘩になった。主に、お金の件でだ。

正直、そこまで言われる筋合いは無い。

僕は今、ムカついている。

ストレス発散に、勢い任せにこの記事を書いている所である。

僕の嫁は、陸上の生物の頂点に君臨している。

食物連鎖のトップだ。彼女の性格は、暴虐武人で傲慢、自分勝手で、まさに暴君である。彼女は、理性や、都合などでは動かない。怒りを覚えたら、そのままに怒る。本能に忠実に、怒りを露わにするのだ

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比較が始まるから、本当は誰かのエッセイなんて読みたくない

比較が始まるから、本当は誰かのエッセイなんて読みたくない

誰かと自分を『比較』しては、テンションが下がり、下を向いて歩く日々を送っている。

ことエッセイで言えば、人気の記事を読み『どうやったら俺のも読んでもらえるのか?』『このテーマで俺ならどう書く?』『俺にこの描写、このまとめ方ができるのか?』などと、考えてしまう。

そして、読み終えた直後、自分の可能性に賭け、いざ筆をとると、あまりに無惨な表現に、吐き気を催す。

何も出ない。

気を抜いていると、

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取り憑かれる逸材

取り憑かれる逸材

ミスった。初めから夢が変わらない大人になればよかった。

3歳から鍵盤に触れ続けていれば、今頃、世界的なピアニストになっていたかもしれないし、赤ちゃん歩きでボールを必死に追いかけ、親心をくすぐってあげていれば、今頃、シックスパックのCMに起用されるサッカー選手になっていたかもしれない。

僕は何かしらの、1000年に一度の逸材だったかもしれないのに、本当にミスったと思っている。

僕が『逸材』とし

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服を脱いで洗濯をしたから

服を脱いで洗濯をしたから

SNSに股間を晒そうとした事がある。
違う。趣味で、ではない。

隠す事より、全て見てもらう方が、楽だと思ったからだ。僕があまりにも真剣な顔付きで相談するものだから、嫁は『流石にキモい』と言っていた。

エッセイを書いていると『自分をどこまで曝け出せるか』という ”ハイ” の状態になる事がある。奥底にいる自分を曝け出すと、生活をしていく上で『不必要になった自分』が、生き帰るような気がしてくる。それ

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