見出し画像

12.27校務DX化チェックリストを読んで#167

【別紙1】「GIGA スクール構想の下での校務DX化チェックリスト」学校・教育委員会の自己点検結果総括 (mext.go.jp)

 12月27日に、文部科学省初等中等教育局 学校デジタル化プロジェクトチームから、「GIGAスクール構想の下での校務DX化チェックリスト ~学校・教育委員会の自己点検結果~ 〔速報値〕」が出ました。こういったことにしっかりとアンテナを立てていくことは現場の先生にとっても大事なことだと思っています。気になったことなどを、主に自分のためにまとめます。量が多いので、ピンときたものについて書いていきます。


学校の回答

教員と保護者間

1.学校校徴収金について

 ①学校校徴収金について、現金徴収ではなく、口座振替、 インターネットバンキング等を活用して徴収金の徴収 を行っていますか?
 
約70%の学校が、完全に、または一部、現金徴収をしていないと答えました。私の自治体では、写真はネットから購入、給食は引き落としですが、教材は未だに手集めです。そして、6年の修学旅行は振り込みになりましたが、5年のキャンプは未だに手集めです。封筒を作り、現金を集め、子どもが持ってくる。封筒の中身を確認しながら、まとめていきます。場合によっては、お金を大きくしなくてはいけないときもあり、その時は、自分で大きくし、小銭を持ち帰ります…。大きなお金を保管しているのはなるべく避けたいというところもあります。他でできているのだから、うちの自治体でもできるはずなので、働きかけていきます。

2.欠席連絡について

 ②児童生徒の欠席・遅刻・早退連絡について、クラウド サービスを用い、PC・モバイル端末等から受け付け、 学校内で集計していますか?
 だいたい半分の学校が取り組めている。私の自治体でもこれは実現しています。朝の電話が減るのはとても助かります。私にとって朝はその日の授業の準備や早く来た子どもを迎える時間にしたいので。教室から欠席状況を確認できるのは助かります。

3.保護者アンケートについて

 ③保護者への調査・アンケート等をクラウドサービスを 用いて実施・集計していますか?
 こちらも半分以上、実現していますね。うちの自治体でも、フォームでアンケートをとっています。しかし、紙でアンケートをとっていたときよりも回答率が下がっていることが大きな課題です。保護者アンケートは、学校運営にとってとても大事です。PDCAのCです。フィードバックをもらうことは学校をよりよくするために欠かせません。今年度も回収率が少し下がりました。来年度は、なるべく多くの方に回答してもらえるように、出したかどうかの確認を紙で集めようかと考えています。(時代と逆行?)
 まぁ、実は、もっと問題は根本にあるのですが。それは、保護者と学校の溝です。学校側の発信が足りていないことと、保護者の声が出にくいような構造にしていることです。目的は一緒なのに、歩み寄れていません…。

4.お便りクラウド化について

 ④学校から保護者へ発信するお便り・配布物等をクラウドサービスを用いて一斉配信していますか?
 完全にクラウド化している学校は少ないですね。うちの学校でも、一部しかクラウド化していません。月の初めなどは、朝手紙を配るだけで、時間が結構かかります。保護者にとっても、プリントよりもメールやアプリなどできた方が確実に届きますし、出先でも見直せるので、助かると思うのですがなかなか変わりません。うちの自治体は、学校ごとに入れることは認められていないので、待つしかありません…。声はあげ続けます。

5.提出・日程調整のクラウド化、オンライン面談

⑥保護者から学校への提出資料をクラウドサービスを用い、受け付けていますか ?
⑦保護者との日程調整をクラウドサービスを用いて行っていますか?
⑧学校説明会や保護者面談などにオンライン形式を取り入れていますか?

 保護者とのやりとりについてのこの3つの質問は半分以上が実現していません。うちの自治体でも実現していません。紙でのやりとり、連絡帳もまだありません。面談も対面のみです。私個人としては面談は対面で行いたいですが、保護者のニーズにこたえていくには様々な形に対応していくことも考えてもよいと思います。

教員と児童間

1.アンケート

①児童生徒への調査・アンケート等をクラウドサービスを用いて実施・集計していますか?
 ほとんどのアンケートがフォームになりました。昔は、いちいち集計してましたよね。子どもたちはさっとフォームを開いて、ものの1分で回答してくれます。ほとんどのアンケートはくだらないものなので(個人の感想)集計に時間がかからなくなったのは意味があります。

2.個人端末持ち帰り

③児童生徒一人一人に配備されたPC・タブレットなどの 端末を、家庭で利用できるようにしていますか?
 
ほとんどが持ち帰りをさせていると回答しています。うちの学校でも、持ち帰りは自由になっています。もはや文房具の一つとして扱われるようになってきています。連絡帳を書く代わりにGoogleClassroomを見て時間割を確認する子もいます。

学校内の連絡のデジタル化

 校務支援システムが入り、もう長いです。いまや当たり前にありましたし、校務支援システムのおかげで減った仕事はかなり多いです。出席簿、打ち合わせ、成績関係の処理、日誌など。
 うちの自治体のとても大きな課題として、職員室のPCで授業で使っているGoogleにログインできないことです。セキュリティ上の問題はあると思いますが、とても不便です。できる自治体の方が多いと聞きます。これが実現すれば、ドキュメントの共同編集をもっと気軽に使えるので、かなり便利になります。また、Googleと職員サーバの二度手間感があり、中途半端な状況です。これも不便であると、引き続き声をあげていきます。

その他

④業務にFAXを使用していますか?
 95.9%が使用していると回答しています。これは、教師として恥ずかしいです…。メールがあるのに。

設置者の回答

⑪教職員が校務用の端末を校外においてクラウドベースで使用できる環境を整えていますか?

 これです。家で仕事することはよくないですが、我が子が熱を出したときや、ご時世的に自宅待機のとき、家から校務パソコン、校務サーバーに入れたらどれだけ嬉しいか!「ロケーションフリー」を進めるように、文科省は行っているのに、全く実現していません。


ヒアリング結果①

 「GIGAスクール構想の下での校務DX化チェックリストの各設置者及び学校の回答を踏まえ、一部の小・中学校の実態に関するヒアリングを実施しました。これらの中には、表面的にデジタルを活用していても、その不徹底が非効率を生み出している事例も多々含まれています。」

 この「表面的にデジタルを活用していても、その不徹底が非効率を生み出している」という一文には、頷きが止まりません。中途半端なんです。もっとこうなったら楽なのになぁということがたくさんあります。

結果の受け止め

①クラウドを活用した校務改善に教育委員会間・学校間で大きな差がある。
 (できているところもありますよー!とうことか。)
②多くのことは有償ソフトがなくても実現可能である。
(なのになぜやらないの?ということか。)
③教育活動の高度化・効率化は、魅力ある職場づくりとして大切。
 (それぞれの担当者ががんばれ!早くやれ!ということか。)
④国に明確な基準を示してほしい声が多い。
(個人発信では変わらないから国がちゃんと言ってよ!ということか。)

今後の対応

①3年間を校務DX集中取り組み期間にする。支援します!
②お金も出します!
③国から、慣例の見直しを丁寧に働きかけます!
④チェックリストの改善とフォローアップを年1回します!

 国からの働きかけを受け、各自治体と学校がそれをどう受け止めていくかが大事であると思います。慣例を見直す、足かせになっていることの根本からの解決に踏み出すチャンスであると思います。

各項目の実施により期待される効果(学校と教育委員会)

 最終的なゴールイメージが示されています。このゴールイメージに向かって取り組んでいくことで、かなり負担が軽減されると思います。ゴールイメージに向かう中で、障壁になることはだいたい学校ごとでは乗り越えられないことが多いです。自治体がしっかりと受け止めて、3年間の集中取り組み期間に一つでも多くのことを実現してほしいです。
 
 以上、エンチャントでした!




この記事が参加している募集

最近の学び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?