見出し画像

日本の産地には世界に負けない食材で溢れている

30年程前。

モンブランというケーキを作る際、フランスで学んだ職人はフランス産を使い、国内では甘露煮をつぶして作る黄色い色見のモンブランが当たり前でした。 


栗きんとんは栗と砂糖だけで炊き上げて製造します。

これを使ってモンブランができないかと模索していました。

 「和栗モンブラン」をストレートに出していくには自信がなく、フランス産ペーストと和栗を合わせて「栗山」というモンブランを出しました。

 
日本で手に入る輸入材料は、大きな問屋が仕入れ、地方の問屋に卸し、地方の菓子店はその問屋からしかし入れることができませんでした。


つまりどの菓子屋さんも同じ材料を使っていたことになります。
 
「和栗ペーストのモンブラン」に日本で最初にチャレンジし、あらゆる商品にも活用できないかと模索し、更なる開発を進めてきました。

フランス産のペーストからスペイン産のペーストに変更し、自らスペインに行って恵那川上屋オリジナルのペーストを作り、輸入が始まりました。

2年前からスペイン産ペーストを使ったモンブラン「栗欧」。

和栗を使った「栗里」。

その混合を「栗山」として、シリーズの発売を開始しました。


フランス菓子に憧れ、フランスの材料が最も優秀だと思い提供してきた時代に、和栗という材料を新たに加えて商品開発してみると、あらゆる日本の産地には世界に負けない食材で溢れていることを感じました。

 
栗から始まり、他の素材までも活用していくことで、メイドインジャパンは価値を持った気がします。

今では当たり前になった六次産業化や農商工連携、地産地消など、地域の自慢つくりが物語としてお客様に伝わり、初めて100年後の名物になっていくような気がしています。

 
恵那川上屋のミッションに三つの風を吹かせるというのがあります。
 
「農業=風土」「食文化=風味」「感性や芸術=風景」です。

感性を磨き地域に風を吹かせ、農業や未来の食文化に影響を与えられる事業こそ、新しい価値を生み出すものであり、可能性に溢れるものと信じ、これからもチャレンジしてまいります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?