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統率者戦における打ち消しの意義とは

打ち消しに頼るようになったのはいつからだっただろうか。

自分はかつて、《グレムリンの神童、ジンバル》(青緑赤)や《ガフ提督》(青赤白)を組んでいた。どちらも青の入ったジェネラルなので、打ち消しを搭載できる固有色ではあったが、本格的に打ち消しに触れたのは《パルン、ニヴ=ミゼット》を組んだ時期だったように思う。

《パルン、ニヴ=ミゼット》は、インスタントやソーサリーを唱えるたびに1ドローできる能力を持っている。そのため、通常なら手札を消費するだけの打ち消しにドローという付加価値がつくのだ。手札のリソースを回復するだけでなく、コンボパーツを拾ってこれるという強みもある。手軽で楽しいジェネラルだ。

打ち消しの強力さは言うまでもない。
相手の強靭なクリーチャーも、戦況をひっくり返すスペルも、無限コンボのパーツも、打ち消してしまえばなんてことはない。自分は《パルン、ニヴ=ミゼット》を握っていくうちに、打ち消しの力に魅せられていった。

しかし自分は、打ち消しの力に溺れた。

自分に不利な状況を作りたくないがために、あらゆる呪文を打ち消したくなっていった。序盤のマナファクト。中盤に出てくる統率者。終盤のコンボパーツ。それらさえ打ち消せば、自分の勝利は揺るがないとすら思っていた。だが、それが勘違いだった。
すべての呪文を打ち消すことはできない。それは否定しようがない事実だ。1on1の構築戦ならともかく、統率者戦は対戦相手が3人いる。一人の動きを止めたとして、残りの二人は手札もマナも支払うことなくゲームを続けることができる。相対的にその二人が有利になるのだ。

「ガラゼス・プリズマリを組みたい」という記事を書いた。
そこで自分は、「呪文を打ち消しまくれば勝てる」という考えを述べた。
しかし、先述したように、すべての呪文を打ち消すことはできない。より正確に言うならば、呪文を打ち消したところで自分が勝てるわけではない。

仮に打ち消しを50枚搭載したデッキを組んだとして、そのデッキは強いだろうか。否。100枚構築の統率者戦において重要なのは、あくまで「自分の動きをいかに安定させるか」であって、決して「相手を妨害すること」ではないのだ。

とどのつまり、統率者戦において、打ち消しは最低限でいい。
相手の勝ち筋と自分の詰み筋をケアするための呪文、それが打ち消しである。

以上、構築中にトチ狂って《渦まく知識》を抜き《精神的つまづき》を入れた男の思案でした。
目的と手段を履き違えてはいけない(自戒)

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