部落史ノート(3) 「賤民史観」とは何か(3)
雑誌『現代の眼』(現代評論社)11月号に掲載されている、沖浦和光と菅孝行の対談「賤民史観樹立への序章」から、彼らがどのように「賤民史」を捉えているかをまとめておきたい。
菅孝行は「賤民史」は「賤視観の歴史」であり、それが「社会意識」として制度を支えてきた、あるいは人々を規定してきたと考え、それを解明する必要性を提起している。
私も同感である。中世と近世の分断、その要因は戦国時代であるとも言われてきた。近世から近代もまた断続的であると言われる。長い歴史の中で分断されたり断続さ