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オークス。エアグルーヴ。

今日、2024年5月19日15時40分に
第85回優駿牝馬が行われる。

いつも古いレースを選んで恐縮だけど、
今回も”クラシック”な1996年の勝ち馬エアグルーヴについて書きます。

第一印象。


この馬の新馬戦2着時の様子を、
確か「中央競馬ワイド中継」とかハイライトで見たと思う。
”今週の新馬戦”みたいなコーナーでね。

早速”寄り道”するけど、
「中央競馬ワイド中継」、良かったよなぁ。
大好きだった。

ローカルテレビ局でやっていた番組で
夕方の部とか夜の「中央競馬ハイライト」とかも、
飾り気がないんだけど、
素朴で無駄がなくてホント好きだった。

あれが終わってから徐々に自分の競馬熱も冷めていった気がする。

おっと、本題に戻ります。

その新馬戦の結果は2着だったんだけど、
走り方、最後の伸びで
「いい馬だな」と感じたのが最初。

いちょうステークス。


その後、無事初勝利を上げて迎えた
東京競馬場のいちょうステークス。


1枠1番からまずまずのスタートを切って緩めのペースで最後の直線へ。

外に出せずにいたエアグルーヴ・武豊は
逃げたラブシックガイをラチとのすき間から抜こうとした。

その際に進路をふさがれ立ち上がる大きな不利を受けてしまったのだ。
外からはマウンテンストーン(青葉賞勝ち馬)、
そして何より大外から3番人気オースミギャロップが勢いよく先頭に立とうとしていた。

先頭ラブシックガイ(一番右)に進路をふさがれたエアグルーヴ(直後)。

しかし態勢を整えなおし追い出されたエアグルーヴは
最後に少し手綱を緩めるほどの余裕をもって差し切った。

「なんだこれ?」

2歳牝馬(当時は「3歳」と呼んでいた)がこんな芸当ができるのかと、
ただただ驚いた(いや古馬だって無理か)。

この時からエアグルーヴを見る目は変わった。

阪神3歳牝馬S


個人的には阪神3歳牝馬Sは絶対に勝つと思っていた。
あいにく鞍上が変わってしまったけれど(武豊は1番人気イブキパーシヴに騎乗)関係ないと思っていた(キネーン騎手については正直良く知らなかった)。

結果は逃げたビワハイジ(翌年ダービーに出走)を捕まえきれず2着。
勝った馬の直後に終始いただけに悔しい負け方。

左からビワハイジ、エアグルーヴ、イブキパーシヴ。

チューリップ賞。

じっくり休んで迎えた年明け初戦のチューリップ賞。
今度こそ絶対勝つと思ってみていた桜花賞の前哨戦の鞍上はオリビエ・ペリエ。

結果は5馬身差の圧勝。

先頭でゴールしたエアグルーヴ。
2番手はビワハイジ。

やっと自分の中で描いていたエアグルーヴの力が
実際に眼前にあらわれた気がした。

これで三冠は間違いない、はずだった。

桜花賞。

さて、順調なら桜花賞に進むのだが
まさかの「熱発」。

桜花賞は回避、オークスへは”ぶっつけ”でのぞむことになった。

ちなみにこの年は弥生賞を勝って3歳牡馬クラシック最有力と目されていたダンスインザダークも熱発で皐月賞回避と、少し波乱含みの3才クラシック戦線だった。

オークス。

迎えたオークス。
自分はこの馬を信じ切っていた。
今では考えられないけど、
若い時っていうのは「信じられる」ものだ。

この馬がこの距離で同世代の牝馬に負けるわけがないと思っていた。

馬券:エアグルーヴの単勝。馬連でエアグルーヴから、確か3~4点だったと思う。

7枠15番から無難なスタートを切って流れに乗ったエアグルーヴは
"淡々とした”ペースの中徐々にポジションを上げていく。

3コーナーから樫の木、そして最終コーナーで完全に先頭を射程圏にとらえたエアは直線を向く。

ここで思わぬアクシデントがあった。
先頭のノースサンデーが外へと(そして内へも)激しく斜行したのだ(レース後12着降着)。

外目を回っていたエアグルーヴも被害を受けた。
通常より外目を回らされたし、おそらく多少は直接的にあおりを食った馬との接触があったと思われる。

他馬より早めに鞭が入っているのも不安ではあった。

ただ、いちょうステークスでも見せた並外れた根性で前へ前へと末脚を伸ばす。

その時、外から桜花賞馬ファイトガリバーが大外を飛んできた。
エアグルーヴが思ったよりも突き放せない。やや前目で進めてきたツケがここにきて響いたか。


心臓がドキドキだったけど、勝った。

先頭エアグルーヴ、外1番がファイトガリバー。

しっかり1馬身半差をつけてのG1勝利。
馬券的にもうれしかったのを覚えている。

オークス後。

秋華賞はイレ込みも響き惨敗→骨折は残念だったけど、
休養後の活躍はご存じのとおり。

1997年 天皇賞(秋)でのバブルガムフェローとの叩きあいは鮮明に覚えているし、
ここからウオッカ、ブエナビスタ、そしてアーモンドアイへと
今日の牝馬の活躍につながっていると感じます。

年度代表馬にもなりました。

天皇賞・秋

エアグルーヴで特筆すべきなのは、
母としてアドマイヤグルーヴ、ルーラーシップを送り出していること。

エリザベス女王杯を勝ったアドマイヤグルーヴ。

アドマイヤグルーヴのオークスはちょっと悔しかった。
スタート出遅れたんだよねぇ。

ルーラーシップはデビューから注目していた。
3走目のアルメリア賞(500万下)では、確か、
サンスポの1面だったんじゃないかと記憶(終面かな?間違っていたらすんません)。
まだ1勝馬が、だよ?

でもダービーにも出たし(5着)、古馬になってすごかった。

クイーンエリザベスⅡ世カップを勝ったルーラーシップ。


競走馬としても繁殖馬としても活躍したエアグルーヴだが
2013年4月23日に亡くなった。20才になってすぐだった。
ちょっと早かったかな(その前年2012年にアドマイヤグルーヴも亡くなっていた)。

あれから11年。


エアグルーヴに騎乗して勝ったことのある騎手はオリヴィエ・ペリエ騎手と武豊騎手の2人。
ペリエ騎手は先日(2024年4月)引退した。

一方、武豊騎手は2024年05月13日、4500勝目をあげた。

ルーラーシップも、まだ元気だ。

ここはホーエリート(ルーラーシップ産駒)とスウィープフィート(武豊騎乗)がステレンボッシュ(母の父ルーラーシップ)に絡んでくれないだろうか。
都合良すぎるか。



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