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フィンランドの現地企業でデザイナーとして働くということ

フィンランド留学から帰国して約2年が経っていますが、帰国する時から「もう1度フィンランドに住もうね」と家族とよく話をしています。

子供の教育のためだったり、ライフスタイルや思想が肌に合うと感じていたり、現地で知り合った友人たちとまた過ごしたかったり。色々な理由から、どこかのタイミングでまた現地で暮らしたいとかんがえています。

考えるだけでは仕方がないので、フィンランドに留学していた頃の友人や、知り合いにたまに話を聞いたりしながら、どう行こうかと具体的な道を探ったりしています。

先週、同じアアルト大学に留学し、卒業後も現地の事業会社でUXデザイナーとして働く松崎さんにお話を聞きました。

現地でデザイナーとして働くためには??働き方はどう?日本とどう違う?など、フィンランドで働きたい人や北欧に興味がある人などに面白い話だと思ったので、書ける範囲で、ご紹介したいと思います。

松崎さんのブログはこちらです▼

フィンランドで働くことになった経緯?

松崎さんは、東京のIT企業にてUI・UXデザイナーとして7年間勤務した後、フィンランドのIDBMというデザインの視点から経営やイノベーション創出を学ぶ修士号を2020年に取得。現在も、フィンランドでUXデザイナーとして勤務されています。

留学後日本に戻って働くという選択肢は考えたの?という質問に対して、元々、せっかくフィンランドにきたのだから、すぐ日本に帰るのではなく、フィンランドで働いてみたいという気持ちを持っていたそうです。

アメリカの大学を卒業していることもあり、英語を使って海外で働くということを自然と考えられていたのだと思います(実は、英語だけでなく中国語なども扱えるそうです)。

IDBMを卒業後、すぐに現職のUXデザイナーとして働き始めたわけではなく最初はアアルト大学のティーチングアシスタント、そして、特任助教という形でフィンランドでのキャリアをスタートさせたそうです。フィンランドで私たち外国人が働くためには、何かしらの職につき働き始めることが大切なようです。

最初の仕事を大学の教授から提案されたそうですが、そのきっかけは、修論の出来が非常によかった(論文について対外発表を何度か求められるほど)ことと、たまたまポジションが空いていたことをあげていました。

日本では修論はあくまでも学生の研究という位置付けですが、フィンランドでは企業からお金をいただいて実施するケースも多くあり、よい修論を書くということはその後のキャリアにとって大切なようです。例えば、多くの人が修論で研究したテーマと関係のある仕事につく場合が多いようです。

その後、半年から1年ほどアアルト大学でのパッケージデザインのプロジェクトに関するコースを受け持っていたそうです。その後、1つのコースを、同じ人が長く受け持つことができないというルールがあり、転職活動を始めたそうです。

どんな仕事をしているの?働き方?

現在は、Schibstedという様々なデジタルのマーケットプレイスを北欧に展開するノルウェー企業のフィンランド拠点で働いているそうです。

私も後から調べてわかったことですが、Schibstedという会社は日本でいうメルカリや、ホームズ(不動産検索サイト)などのサーキュラーエコノミー(循環型社会)を実現する個人間取引のマッチングサービスを多く手掛けているそうです。加えて、ニュースメディアなどのデジタルサービスを含めて、北欧を中心に展開しており、従業員は5,000名近くいるそうです。

北欧はサステイナビリティ(持続可能性)についての先進国で、地球温暖化に対する個人の意識が高かったり、国をあげて、地球や社会レベルの課題を解決しようとしています。

松崎さんの修士論文も「Sustainability vs culture : Juxtaposing sustainability with packaging phenomena of Japanese high-end confectionery」という、テーマで、サステナビリティ(持続可能性)とパッケージデザインについて研究されていたので、そこからも現在の会社との親和性を感じたそうです(詳しくは論文に書いてあります)。

このSchibstedグループのなかのフィンランドにおける不動産検索サイト(間違ってたらすみません)のアプリケーションについて、UXデザインリードとして働いているそうです。

私が聞いていて驚いたのは、アプリやウェブサイトなど、各プロダクトについて1名ずつしかデザイナーをアサインしておらず、非常に少数精鋭で運営していることです。仕事の範囲も広く、自分でプロダクト改善の企画から、実際のワイヤフレーム、UI設計などを一人で行うそうです。

UXリサーチの部分だけは、各プロダクトで共通のUXリサーチャーが1名いるそうですが、それでも、プロダクトマネジメントのような仕事から、UX・UIの実装に近いところまでかなり守備範囲を広く働いているようです。

話を聞いてみると、フィンランドでは当たり前のようで、1人あたりの生産性が高い(高くせざるを得ない?)理由の1つだろうと思いました。

働き方については、コロナの影響もあり今は完全リモートで仕事をしているそうです。フィンランドでは夏休みを1ヶ月近くとる人が多いので、今は、同僚はあまり働いていないそうです。

普段の忙しさについては、急激に成長するスタートアップのように毎年100%成長をしていくという方針ではなく、10%-20%の緩やかな成長(まだ若めの企業としては緩やかというイメージ)を目指しているため、忙しすぎることはなく、松崎さんからするとややゆったりと感じることもあるそうです。

ちなみに、アプリケーションはフィンランド語ですが、業務自体は英語を共通言語として行っているようです。

フィンランドの住宅事情?

松崎さんは、フィンランドの不動産売買マッチングサービスを提供する事業会社で働いているため、自然と現地の不動産についての知識が増えていったそうです。

例えば、初めてフィンランドで家を買う人は非課税で買えたり、2年以上の居住してから売却すると売却益にも税がかからなかったり、あるいは、現地での相場感覚や割安な物件などについて。

自然とフィンランドで家を購入するということを考えたそうです。
詳細については、本人がいつかブログにまとめようかなあ〜ともおっしゃっていたので、ここでは割愛しますが、私たちもフィンランドのような自然の豊かな場所で家を買ってすめたらいいなと思っているのでとても参考になりました。

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やっぱり、家と自然が一体となっていて、常に自然とのつながりを感じながら暮らすことができることは大きな魅力です。

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今回ご紹介した内容以外にも、私個人の相談に乗っていただいたり、休日の過ごし方など色々なお話をさせていただきました。

今後もフィンランドで働いている人に話を聞いたりしながら、フィンランドに住めるように具体的に進めていきたいなと思っています。

なにかしら働き方や暮らし方などのヒントになれば幸いです。
もしこんな話を聞いてみたいというのがあれば、教えてください。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

Photo : Aalto house, Helsinki, Finland




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