ごまめの歯ぎしりレビュー3 記者会見11月28日
ガバメントクラウドについて2025年末までに要件を満たしたサービスを準備するとのこと。利用者に対してサービスの提供をするとのことだが、その利用者というのが誰なのか、デジタル庁のウェブサイトを見てもよくわからない。自治体が対象であるにしても、都道府県と市区町村では必要要件が全く異なるし、またその規模によって使い勝手も全く違いそう。そのサービスを政府がまとめて提供するということの意義を一体どこに見出すのであろうか。
共同提案やサードパーティーの製品を利用したサービスの提供というところを見ると、かなり個別のカスタマイズを意識したもののようにも見受けられ、ひょっとしたらマイナンバーと合わせて個人に一つのクラウドスペースを準備してそこからの国政への直接提案や、世論調査モジュールや独自記事発信モジュールのようなものを含めた、国民総ジャーナリスト的な世論形成システムを構想しているのかもしれない、と妄想したら、ゾクゾクしてきた。それはかなりの先端的な挑戦となると思われるので、期待して見守りたい。
次期個人番号カードについて、カードが官民双方でオンライン化・デジタル化の基礎となるという認識自体いかなるものか、という感じはする。カードに搭載するアプリケーションという表現からも、現状のカードとは何か違うものをイメージしているようではあるが、マイナンバーという個人情報そのものにアプリケーションを載せるという感覚からしてよくわからない。アプリケーションとマイナンバーをつなげるAPIですらも個人情報保護の観点からどうなのか、という気がするのだが、その遥か上をゆく発想にはとてもではないがついてゆけない。
とのこと。AIの活用と光ファイバーは、AIがオンライン必須でない以上直接的な関わりはない。デジタル化によって何でもかんでも話を繋げられると考える政治家的なセンスなのかもしれないが、それにしても、それをさらにスタートアップ投資につなげるという感覚も含めて、説得力のある議論とは思えない。デジタル化によって社会にどんどん論理性を押し付けていながら、このような全く論理性のない話を、自覚の有無に関わらず、繰り返すというのは決して褒められたことではない。
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