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【写真日記】秋の東濃・中津川紀行②付知峡で三つの滝を巡る

【前回のお話】


目的地①付知町にある「付知峡」へ

加子母かしも町で「朴葉寿司」に舌鼓を打った私たち夫婦は、更に257号線を南下して、次に付知つけち町(岐阜県中津川市)にやってきました。

ここも、前回の加子母町と同じく「平成の大合併」で中津川市に編入された町で、以前は恵那郡付知町と呼ばれていた地区です。

そして、私たちの今回のドライブの一つ目の目的地である「付知峡」を有する町でもあります。

私は付知峡には行ったことがなくて、今回が初めての訪問です。

一方、夫は、随分昔に(まだ若かった昭和時代)、職場の日帰りバス旅行で付知峡に寄ったそうです。だけどあまりに昔過ぎて、なんとなく「良い所だった」ことだけはボンヤリと覚えているけど、詳しいことは記憶にないんだとか…。あらら、それは残念。

そこで、中津川紀行その①として「付知峡」へ行ってみることになりました。

※「かしも直産市」(加子母町)から「付知峡」(付知町)までのルートは下の通りです。

https://goo.gl/maps/ZwsjYUSXt4JG2S4k9

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先ほど休憩した「かしも直産市」(加子母町)からは、距離的にはそれほど離れていません。地図によると、付知町内で国道257号線を左折し、山の道へ入っていくコースです。

付知峡へ、いざ出発

国道257号線(途中から国道256号線と重複するため、この区間では「国道256号線」と表記されることもあります)を南下し、加子母町を抜けて付知町に入りました。


ここも山が低くなだらかな感じです。空が広くて解放感がありますね。

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途中、左に折れて、山の方へと向かいました。

道路沿いに「ようこそ付知峡へ」の看板を発見。(初めて訪れる場所では、こうした道案内を兼ねた看板を見つけるとホッとしますね)

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この道の先に、付知峡があるようです。

カーナビに案内された通りに直進していくと、やがて山の道になってきました。ずっと登坂です。どんどん上がっていきます。

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「えっ?まだ上がるの?」と驚く私。

山頂がすぐそこに見えるくらいの高度まで、私たちは上がってきました。

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渓谷と聞くと、私は「谷間にあるだろうから、山を下りて沢に出ていく」というイメージだったんですが、付知峡はかなり標高の高い所にあるみたいですね。どんなところなのでしょう。期待で胸が膨らみます。

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かなり高い所まで登ってきました。

それまで山道だったのが、急に視界がポンと開けてきて、集落が現れました。道路の脇には人家や段々畑が見えます。のどかな田舎の風景を眺めながら更に進んでいくと、駐車場が見えてきました。

付知峡、無事に到着です。

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駐車場に到着すると、他にもたくさん車が停まっています。

どうも観光客がたくさんいる様子…。このご時世、人が多すぎるのも不安だけど、あまりに人気ひとけが無さすぎるのもチョッピリ心配なので(特に山はクマが…)、観光客の多さに少しホッとしました。

おっと!マスクを着用しなきゃ。いそいで身支度します。


付知峡を歩く

車を降りて、早速、行ってみましょう。

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お食事ができる民宿「不動滝ひろづき」さんの横に、付知峡への入口がありました。

「ようこそ不動滝へ」のゲートをくぐり抜けると、目の前にポンと急な下り坂が飛び込んできました。

付知峡の三つの滝を見に行くのに、かなり下りて行かなくてはいけないようです。

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ふむふむ、「登る」んじゃなくて「下る」…なのですね。

私の中では「滝へ行く」といえば「山を登る」というイメージだったんですが、ここは「滝のある場所へいく」=「山を下る」なのですね。だから、車でかなり高い所まで登ってきたのか、なるほど…。納得しました。

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さて、坂道をどんどん下りていきます。

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せせらぎを楽しみつつ、順路の通りに進んでいきました。

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吊り橋を渡って仙樽の滝へ

この柵の向こう側(谷)の下に、付知峡の渓流があります。谷はかなり急な傾斜です。

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まず最初に仙樽の滝へ向かいます。おっ!吊り橋ですぞ~。

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ワクワクしながら渡ってみましたが…。この吊り橋、一歩足を踏み入れたところで、自分が高所恐怖症だったことをハッと思い出しました(遅っ)。下を覗くと足が震えてガクガク状態。メチャ怖いっ。

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歩くごとに足元がゆらゆらと軽く揺れるため、怖さからついついヘッピリ腰になり、両脇にあるワイヤーを握る手に力が入ります。一歩踏み出すごとに、手に汗握る私。横を見ないよう、真っすぐ前を見てソロソロ…と歩きます。

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写真を撮るのも命がけ。カメラを落とさないよう気つけながら、橋の端にそろそろと寄って撮りました。(ゴメン、これが限界・泣)

なんとか渡り切って、更に進みます。

このエリアには、もう一つ吊り橋があり、二つ目の橋も渡りました。

さっきの橋より長めです。

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高所恐怖症の私には、苦行のようなコースですね(白目)。再度、真っすぐ前だけを見て、ヘッピリ腰でソロソロと歩きます。

また吊り橋の下の写真を撮ろうと奮闘。(こっちは右手側)

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そして、こちらが左手側。(やっぱりこれが限界・泣)

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怖くて、橋の両サイドを見る余裕は(私には)全くありませんでしたが😅、とても良い所ですよ。渓谷は大きな岩がゴロゴロしていて、巨岩好きにはたまらないスポットでしょうね。

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橋を渡って森の中を少し歩き、多分ここが「仙樽の滝」なのかな?…と思われる場所に到着しました。

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昨今の豪雨の影響なのか…。崩れた岩がゴロゴロと流れ落ちていて、渓谷を埋め尽くしていました。かなり荒れている様子。自然の力でこうなったのだから、手の施しようが無いのでしょうね。

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しばし、岩の上に立ち、清流を眺めました。

ちなみに、この付知峡の渓流の名前は「付知川」と言います。やがて木曽川へと流れ込む木曽水系の支流の川です。

観音滝と不動滝へ

それでは、次の滝へと向かいましょう。

また急斜面の坂道を上り、先ほど歩いた遊歩道まで出てきました。

この三叉路で、今度は右手へ進みます。観音滝と不動滝へ。ここからまた急な坂道を下っていきます。

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この二つの滝に続く道も、なかなか険しい下り坂でした。

ヘアピンカーブの下り道。ひたすら山を下っていきます。

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谷へと下っていくに従って、足場が「土」から「岩」へ変化していくのを感じます。遊歩道沿いに巨岩がお目見え。

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更に下っていくと、水が落ちる轟音と共に、木立の間から滝が見えてきました。

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こちらが観音滝です。

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切り立った岩の間に流れ落ちる水。滝つぼの水はエメラルドグリーン。

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とても神秘的で美しい光景でした。

紅葉が始まれば、また更に素晴らしい風景が楽しめるんでしょうね。

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更に奥へと進んでいくと。次に不動滝が見えてきました。

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この看板の下は、こんな感じです。

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これが不動滝。滝つぼの中を覗き込むと、やはり切り立った岩の隙間に、水が流れ落ちています。すごい。全て岩。

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不動滝が見学できるスペースの真横に、お不動様が祀られていました。
(下の写真)岩の上部、摘まれた石の上にお不動様の小さなほこらがあります)

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夫と並んで合掌し、お不動様のご真言をお称えして、ここに呼んでいただいたお礼を申し上げました。「自然豊かな山と素晴らしい滝を見せていただき、ありがとうございます」…と。

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私たちが立っている場所も、岩の上に設置された小さなスペースで、木でできた柵の外のすぐ下は岩の渓谷です。まさに絶景。

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断崖絶壁の岩の中を美しい清流が流れています。山全体が巨岩なのは、もともとこの地域は古代の火山活動によって形成された土地だから…なんです。

阿寺山を含む岐阜県東部は、白亜紀後期から古第三紀(約8000万年前~6000万年前)の火山活動で生まれた、非常に硬い岩体である濃飛流紋岩のうひりゅうもんがんからできている。中津川市付知町の付知川は、この岩盤を深く刻みながら流れ、壮大な景観の谷をつくり出した。これが付知峡だ。
「岐阜のトリセツ 地図で読み解く初耳秘話」昭文館(P31)より抜粋

気の遠くなるような長い年月を経て、山頂から流れ落ちてくる水が、巨大な岩山を削り続け、このような美しい渓谷にしていったんですね。自然の力に圧倒されました。

さて、戻ることにしましょう。

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元来た道をまた登ります。


急な階段を登りながら、ふと振り返って滝を見ました。

轟々と音を立てて流れ落ちる観音滝。身も心もスッキリ祓い清めていただいたような気持ちになりました。

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更に登ります。

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元の道に出てきました。

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この小川の水が、あの滝へと続いているのでしょうね。

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ようやく出口に辿り着きました。

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楽しい滝巡りでした。


付知峡の里をゆく

車に乗り込み、付知峡を後にします。

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付知峡の周辺の里は、山の頂に近い所にあるせいか、何だか空がとても近く感じられます。清々しくて爽やかな秋晴れ。

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神々しい光を感じながら、私たちは次の目的地へと向かいました。


③へつづく。


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