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子育て&教育について

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子育ての思い出。中学校教師時代の体験談。親子関係や育児について思うこと。学校や障害児の教育についてなど。
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#肢体不自由

肢体不自由でも一人暮らしができる街

肢体不自由の息子が、親元を離れて一人暮らしをする。 健常者にとっては、特に問題がないことであっても、障碍者にはとても大きな課題に直面することがあります。 健常者ならば、どうってことのない小さな段差であっても、脚が不自由なものには、簡単には乗り越えられない大きな段差になるからです。 特にうちの息子の場合、自立歩行はできますが、主治医から「長距離の歩行」「階段の上り下り」「長い時間、立ち続けること」「重い荷物を持っての移動」を避けるように言われていたため、高校を卒業するまで

「障害があっても一人暮らしができる」未来への希望を与えてくれた小さな手書きのチラシと一期一会

今年26歳になる息子がまだ3歳だった時、東京の世田谷区の太子堂に国立小児病院があり、そこで息子は整形外科の手術を受けた。 股関節の右側の骨頭を作るための大手術で、術後はギブスで胸から足のつま先までガッチリ固定され、ほぼベッドで寝たきりの3カ月間を過ごした。 この時、まだ教師だった私は、当時、新しくスタートしたばかりの介護休暇を取得し、学校を休んで息子に付き添って東京で過ごしていた。 まだ幼い息子にとって、寝たきりのギブス生活は本当に大変だったけど、たまたま偶然、同時期に

あたたかくてやさしい~息子が出会った関西のおかん達~

障害児をもつ親にとって、「子供の自立」はとても悩ましい課題だ。どこまで親が手を出して介助をし、どこから自力でやらせるのか・・・。その線引きが非常に難しい。できたら家族以外の人と関わり合い、たくさんの人に揉まれて生きてくことが理想だと思う。 そんな我が家には、肢体不自由の息子がいる。 幼少期から高校を卒業するまでの間、私たち夫婦は、両足と左手が不自由な息子にずっと付き添ってきた。どこに行くにも車で送迎し、上手くできないことは代わりにやってあげて、夫と二人で息子の手となり足と

息子の25歳の誕生日 ~命の祈りが成就して親から手が離れたことを、今は心から感謝したい~

今日は息子の誕生日。 あの日も朝からとっても良いお天気だったけど、今日も爽やかな秋晴れの一日になりました。 ◇ 今から25年前の今日、私は小さな男の子を産みました。 産んだというより、産み出してもらった…といった方がしっくりくるかもしれません。というのも、緊急手術で帝王切開での出産だったからです。 2000グラムにギリギリ届かない小さな赤ちゃんをお腹から出してもらい、私は個室へ、息子はそのまま未熟児センターに入院となりました。 あの日も、穏やかでとてもいいお天気で