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子育て&教育について

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子育ての思い出。中学校教師時代の体験談。親子関係や育児について思うこと。学校や障害児の教育についてなど。
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#エッセイ

平安古典文学はいとおかし

今年の大河ドラマ『光る君へ』にはまっている。 私は以前、中学校の国語教師をしていたんだけど、もともと国文学科卒だったこともあり、得意分野の古典の授業になると、ついつい力が入っていた。あの頃の生徒たちは、きっと「そういえば昔、古典で習ったなぁ…」と懐かしく感じながら『光る君へ』を見てくれているのではないか…と(期待を込めて)思っている。 当時のことを振り返った時、ふと思い出すことがある。 それは、年度初めに校内の国語の先生たちが集まって「年間指導計画」を立てる際に、「授業内容を

元気そうでよかった

先週末、息子がひょっこり帰ってきた。 以前から帰省するような話は聞いていたけど、具体的なことはわからず、ただ「土曜日の夜泊めてほしい」とのことだった。 息子はこの4月から京都に拠点を移していて、あちらで大学院に通いながら、新しい職場で仕事もしている。片足を「学生」、もう片方の足を「社会人」に突っ込んだ状態で、マイペースに暮らしている。 息子の引っ越しの手伝いなど何一つしてあげなかった私と夫は、息子の新居をいまだに知らない。住所は聞いているけど、また実物を見ていないので、

そうだ、京都へ

先日、息子と久しぶりに電話で話をした。 この春から、息子は京都で暮らしている。 バタバタと忙しく過ごしていて、すっかり頭の中から消えていたんだけど、ある時、ふと「元気でやっているのかしら?」と思い出した。 私は他の一般的な母親と異なっていて、子供が実家から巣立って行ったからと言って「淋しい…淋しい…」と泣いたことは一度もないし、こまめに連絡を取らないし、食料と手書きの手紙が詰められた「オカンの愛情宅急便」を送ったことも一度もない。 息子には自由を謳歌してほしいから、変

息子の25歳の誕生日 ~命の祈りが成就して親から手が離れたことを、今は心から感謝したい~

今日は息子の誕生日。 あの日も朝からとっても良いお天気だったけど、今日も爽やかな秋晴れの一日になりました。 ◇ 今から25年前の今日、私は小さな男の子を産みました。 産んだというより、産み出してもらった…といった方がしっくりくるかもしれません。というのも、緊急手術で帝王切開での出産だったからです。 2000グラムにギリギリ届かない小さな赤ちゃんをお腹から出してもらい、私は個室へ、息子はそのまま未熟児センターに入院となりました。 あの日も、穏やかでとてもいいお天気で

元イクメンパパだった夫。子育てを終えた今、地域の子供たちに愛を注いでいる。

「すごくショックなことがあった・・・」 と、夕食時に夫がぽつりと呟いた。 「なに?何があったの?!」と心配して聞くと、夫は「今日、仕事中にこんなことが会って・・・」とぽつりぽつり語ってくれた。 以下、夫の話。 ◇ 今日、仕事で外出したときの出来事。 車を停めていた駐車場の横に、子供が遊べるちょっとした公園があり、そこの遊具で小さな子供達が楽しそうに遊んでいた。 夫は、外出先での仕事を済ませ、車へ向かって歩いていたら、遊んでいた子供の一人が遊具から落ちて転んでしま

「素直な良い子」をやめて、自分の人生を取り戻す

こんな時だからこそ、そんなに周囲に気を遣わなくてもいいから、とにかく「自分の人生」を自由に自分らしく生きてほしいなぁ・・・と思うことがある。 というのも、私の周りには、もう50代・60代なのに、今もずっと「素直な良い子」をしている人がいて、それがとても不自然に感じられるのだ。 そして、彼らは、私たちに対しても、いつも素直で明るくて感じのいい人なのだけど、その素直さと明るさが、大人のものではなく、幼い子供のような純真無垢な素直さと明るさなのだ。 彼らと話していると、いい年