マガジンのカバー画像

子育て&教育について

36
子育ての思い出。中学校教師時代の体験談。親子関係や育児について思うこと。学校や障害児の教育についてなど。
運営しているクリエイター

#子育て

さよなら、サンタさん~#リュクスなクリスマス~

私が子供だった頃、我が家にサンタさんは来なかった。 代わりに、クリスマスイブの夜は、両親がおもちゃ屋に連れて行ってくれて、欲しいおもちゃを一個だけ買ってくれた。 この夜は、家族で高山の国分寺通りにあった「すずめ」という洋食屋さんに行き、そこでご馳走を食べた後、本町の「アラジン」というおもちゃ屋に行く。年に一回、欲しいものを自由に買ってもらえる喜びで、私はとてもウキウキした。 一方、私の夫は、父親(私にとっては「舅」)が当時手を出した事業が失敗し、お金がなくて貧しい子供時

あたたかくてやさしい~息子が出会った関西のおかん達~

障害児をもつ親にとって、「子供の自立」はとても悩ましい課題だ。どこまで親が手を出して介助をし、どこから自力でやらせるのか・・・。その線引きが非常に難しい。できたら家族以外の人と関わり合い、たくさんの人に揉まれて生きてくことが理想だと思う。 そんな我が家には、肢体不自由の息子がいる。 幼少期から高校を卒業するまでの間、私たち夫婦は、両足と左手が不自由な息子にずっと付き添ってきた。どこに行くにも車で送迎し、上手くできないことは代わりにやってあげて、夫と二人で息子の手となり足と

懐かしく愛しい日々

先日、私は夢の中で幼かった頃の息子に会った。 この時、私は夢だとは気づいていなくて、最初に実家の裏の道を歩いている所から始まった。 その道は、昔、私が子供の頃に登下校で通ったり、幼なじみと遊んだ道だ。でも、高校を卒業して大学に入り、こうして大人になったら、その道を歩くことは無くなった。更に、結婚して実家を出て以降は、実家へは車で行き来するので、ますます家の裏の方へ行くことは無くなった。 夢とはいえ、ここを歩くのは何十年ぶりだろう。私はこの道を一人で歩きながら、「わぁ、こ

元イクメンパパだった夫。子育てを終えた今、地域の子供たちに愛を注いでいる。

「すごくショックなことがあった・・・」 と、夕食時に夫がぽつりと呟いた。 「なに?何があったの?!」と心配して聞くと、夫は「今日、仕事中にこんなことが会って・・・」とぽつりぽつり語ってくれた。 以下、夫の話。 ◇ 今日、仕事で外出したときの出来事。 車を停めていた駐車場の横に、子供が遊べるちょっとした公園があり、そこの遊具で小さな子供達が楽しそうに遊んでいた。 夫は、外出先での仕事を済ませ、車へ向かって歩いていたら、遊んでいた子供の一人が遊具から落ちて転んでしま

気づかずに垂れ流す毒

私は、子供の頃から「群れる」のが苦手だった。 もっと自由にしていたいのに、親は、私が「お友達」と遊んでいないと不安がり、私がいつも誰か「お友達」と一緒に居ることを望み続けた。 私が保育園児だった頃から、ずっと・・・だ。時々、保育園に来て、塀の影から園庭で一人で遊んでいる私の様子をじっと観察し、不安そうな顔をしていたのを今も覚えている。その後も、家でずっと「また一人ぼっちだったね」と私に言い続け、私が同年齢のお友達と群れないことを嘆き悲しんで見せた。それを毎日毎日ずっとやら

息子のためにやってもらった小学校のバリアフリー化が、災害時に避難所のインフラとして大いに役立った話

これは息子が小学3年生くらいの出来事だから、随分昔の話になる。 うちの息子は肢体不自由である。そのため、地元の小学校(普通学校)に入学するとき、学校内をバリアフリー化してもらった。 学校は、昭和に建てられた鉄筋コンクリート造りの校舎で、もちろん健常者向きの仕様になっている。 そこで、階段に手すりを設置してもらったり、男子トイレに洋式便器の個室を作ってもらったり、結構大がかりな工事をしてもらった。 この件に関しては、当時の校長先生と教育委員会がとても親身になって下さり、

わたしたちの人生の宝物

昨夜、お風呂に入っている時、ふと 「私がこの人生で体験したことの中で、とびっきり幸せだったことは何だろう?」 と思いつき、じっくり考えてみました。 すると、様々な記憶が思い出されていくなかで、はっきりと「これだ!」と感じるものが思い浮かびました。 それは、ズバリ 息子を育てたこと 息子が誕生してから社会人になるまでの、この22年間の親子の日々の積み重ねの記憶が、私のこの世での一番の宝物だ!と思ったのです。 育児体験 これが、私の今世の人生で最も大切な宝物だ…と

息子の身体障碍を通して気づいた本当の幸せ

先日、私は、『自分の子育て期間が、とても甘美で素晴らしい体験だったことに気づいたお話』を書きました。 この子育ての体験中、私たち親子は、他の障碍児のご家族とたくさん出会ってきました。 そのとき、シングルマザーで障碍児を育てているご家庭が割と多かったことに、ある時ふと気づきました。 もちろん、ご夫婦で育てているご家庭もあるし、三世代同居の大家族もありましたし、爺ちゃん婆ちゃんも含めて家族総出で助け合い、障害を持つ子供を大事に育てている家庭も多々ありました。 でも、それと