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子育て&教育について

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子育ての思い出。中学校教師時代の体験談。親子関係や育児について思うこと。学校や障害児の教育についてなど。
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#体験談

障害者も「自分を語る」時代へ

ネットの普及によって、今までなら「情報を受け取る側」だった人々が、SNSなどを使って自由に「発信する側」に立てるようになりました。 そのなかでも特に、かつては社会の隙間に埋もれていて、発言する機会すら与えられてこなかった「障害を持つ人々」が、最近はどんどん社会の表舞台に立ち、自らのハンディキャップについてオープンに語られています。 障害者から直にお話を聴かせていただくことは、とてもいい勉強になります。健常者にはない新しい視点を持つことができ、見慣れた街や日常の暮らしに潜む「

「障害があっても一人暮らしができる」未来への希望を与えてくれた小さな手書きのチラシと一期一会

今年26歳になる息子がまだ3歳だった時、東京の世田谷区の太子堂に国立小児病院があり、そこで息子は整形外科の手術を受けた。 股関節の右側の骨頭を作るための大手術で、術後はギブスで胸から足のつま先までガッチリ固定され、ほぼベッドで寝たきりの3カ月間を過ごした。 この時、まだ教師だった私は、当時、新しくスタートしたばかりの介護休暇を取得し、学校を休んで息子に付き添って東京で過ごしていた。 まだ幼い息子にとって、寝たきりのギブス生活は本当に大変だったけど、たまたま偶然、同時期に

息子のためにやってもらった小学校のバリアフリー化が、災害時に避難所のインフラとして大いに役立った話

これは息子が小学3年生くらいの出来事だから、随分昔の話になる。 うちの息子は肢体不自由である。そのため、地元の小学校(普通学校)に入学するとき、学校内をバリアフリー化してもらった。 学校は、昭和に建てられた鉄筋コンクリート造りの校舎で、もちろん健常者向きの仕様になっている。 そこで、階段に手すりを設置してもらったり、男子トイレに洋式便器の個室を作ってもらったり、結構大がかりな工事をしてもらった。 この件に関しては、当時の校長先生と教育委員会がとても親身になって下さり、