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【大人の読書感想文】なぜあなたの研究は進まないのか?

 はい、ひやっとするタイトルですね。非常に読みやすいつくりになっている本です。研究テーマを決める、研究をスタートさせる、困難を突破する(コンセプト編/実践編)、研究を動かす・指導するの5つの章(Chapter)に別れています。それぞれの章で疑問文形式の節(Question)に別れています。1つの節2-3ページ程度なのですらすら読めていきます。

 内容ですが、研究が進まない理由を疑問形式で投げかけてくださって、それに対する答えが書かれている感じですね。ぼくが特におぉーとなったのは、Chapter1のQ9ですね。

「仮説」と「結果の予想」の違いが答えられるか?
 はい、答えられませんでした。ぼくが仮説だと思い込んでいたものは間違いなく結果の予想でした。いや、調べると結果を予想することが仮説だっていうところもあるんですが、筆者によると実験結果が思わしくないときなどにどの方向に進むかが変わってくるとのことです。読んでみるとおぉーと納得出来る内容でした。ぼくもしっかりと自分の研究を見直さなければならないと思いました。

 あと興味深かった言葉は「ユーモアとは、にも関わらず笑うこと」ですね。これは筆者の言葉ではなく、元々ある名言らしいのですが、初めて聞くものでした。自分の苦境を客観的にみて、それを笑ってみると良いらしいです。そういう意味で行くと、ぼくは自分的にはとても良いアイディアだと思い論文にしたものがあったのですが、Reject、Editor's Kick、Rejectをくらいました。もちろん1回ダメをもらう毎に査読者さんの意見を取り入れては修正して、別の学会に出してとやっていたのですが、ダメでした。画期的で面白いが学術性は低いとの意見をいただきましたね。はい、ぼく自身も全く以てその通りだと思いました。学術性は乏しかったです。でも思いついたことを書きたかったんですよね。そしていろんな人に見てもらって意見をもらいたかったんです。悔しかったですねー。というかEditor's Kickとかそのとき初めて知りました!もー本当にびっくりです。知ってますかね、Editor's Kick?若手研究者というか看護研究者で知っている人ってあまりいないかもしれないですね。勝手なイメージですが、看護って研究者少ないですし、それに対して学会は乱立しているんで、採択率って高いんじゃないでしょうか?知らない人のために書くと、Editor's Kickというのは査読にすらまわしてもらえないということです。査読者のところまで論文を回してもらえないんですよ。EditorさんのところでKickされてしまうんですね。看護の若手研究者でいうとぼくくらいしか経験が無いのではないでしょうか。自分で言っていて少し悲しいですが。ただその幻の論文を元になって科研費申請を行なったので全く無駄になったわけではないですが、なんとか通したかったですねー。

 読みやすかったですし、内容も良かったんですがこの本、1つだけ好ましくない点がありました。重要箇所の文字色が緑色になっていることです。ぼく、以前読んだ本の影響で赤、青、緑の3色でラインひいたりしながら読んでるんですよね。文字色緑のところがあるとこっちの緑ラインが目立たなくなってしまうんです。そこだけがちょっと残念な点でした。

 「なぜあなたの研究は進まないのか」、はい、論文書かずにnote書いてるからですね。よし、がんばります!


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