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詩|うつくしいひと



自分自身から

外見
地位や
肩書き
名誉
財産
かざりつけるもののいっさいを

一度
全て 取り払ったとして

それでも うつくしいひとは

一言、そして二言
目を見て
ことばを交わせば わかってしまう


においたつ魅力
調和のとれた 心地良さ


何がどう他のひとと違うのか、
どうしても上手く言い表せないのだけれど


ことば
そして まなざしや しぐさに
あらわれる
「らしさ」という片鱗

それは
大きな岩が長い長い年月をかけ
上流から 下流へと 旅をするその過程で
ごつごつした角が削られ
丸く滑らかな石に
形を変えていくことに少し似ていて

憧れるあの人が
これまでどんな経験を経て 
今のあの人になったか わたしは知らないけれど

何も聞かなくても
長い時間の流れや 
その過程にあったであろう困難を想像することは 容易く


私の感じる うつくしさとは
その人自身が経験の中で見つけた 
きらりと光るおもい
勇気 そして 慈しみ
きっとそんなところなのだろう


(尖ったままでも生きていけるけれど
経験は やはり 人を丸くする)


まだまだ 未熟な私だけれど
あの人のように
凛としていたくて


かざりつけない 自分自身のまま
そのままで
うつくしく あれるように
精一杯 現実に磨かれ 
あがいて努力し
願いながら
いずれ
小さな砂の一粒になり 
そして海の一部に還る
遠い 
遠い
その日まで 

うつくしいひと
わたしはあなたのようになりたい

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