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○○ジャズ入門シリーズ

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スピリチュアル・ジャズ、ラテン・ジャズ、ブラジリアン・ジャズ、など、入門編のガイド記事をまとめたマガジンです。
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記事一覧

introduction of Danish Jazz:ジャズ・クインテット60から辿るデンマーク・ジャズ入門(with playlist)

ジャズ作曲家の挾間美帆が2019年にヨーロッパを代表するビッグバンドでデンマークで活動しているDRビッグバンドの首席指揮者に就任しました。 世界的な名門ビッグバンドの首席指揮者就任は単純に快挙だと思います。これまでに首席指揮者として招かれたサド・ジョーンズ、ボブ・ブルックマイヤー、ジム・マクニーリーは全員ジャズ・ビッグバンド史の重要人物。つまり彼女はその系譜に連なることになるわけですから。 とはいえ、よほどのジャズマニア以外は「デンマークでジャズ?」って考えると思うんです

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"ECM records : mellow, slow and melancholy" ( with playlist )

ECMといえば、1969年にドイツのミュンヘンで設立されたレーベルで、ジャンルを超えて数々の名作を生み出してきた名レーベル。 とのコンセプトや とも称される透明感のある独特のサウンドなどで知られています。 ジャズのディスクガイドには何かしらの作品が必ず掲載されているような名盤の多いレーベルで、その中には美しく、心地よい作品があることでも有名です。 そんなECMの静かで穏やかな曲を集めたプレイリスト”ECM records - mellow, Slow and mela

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21世紀のオルガン・ジャズ入門 with Playlist

オルガンジャズは80-90年代にイギリスでのジャズ・ダンス系のムーブメントでグルーヴィーなソウルジャズのひとつとして、またはヒップホップのサンプリングソースとしても再評価されたが、実はジャズの文脈でも少しずつ進化している。 その辺りは『Jazz The New Chapter 4』という本でもやったのだが、その後、コリー・ヘンリーがどんどんすごいことになっていたり、デルヴォン・ラマーみたいな人が出てきたりで面白くなってきたので、ここらで一度簡単に入門編をまとめておこうと思う

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21世紀のブラジリアン・ジャズ ディスクガイド with PLAYLIST

日本では2010年ごろ、アントニオ・ロウレイロの1stが(音楽評論家の高橋健太郎により)発見されたことから徐々にブラジルの音楽シーンの新しい世代に注目が集まるようになった。そこからアントニオ・ロウレイロを中心としたミナスやサンパウロのミュージシャンたちによるシーンの存在が明らかになり、ハファエル・マルチニやフレデリコ・エリオドロら、個々のミュージシャンについても情報が届くようになっていった。 その後、アントニオ・ロウレイロやハファエル・マルチニらが日本のレーベルからアルバム

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楽器のように歌う21世紀のジャズ・ヴォーカリストたちと Introducing マイケル・マヨ with PLAYLIST

マイケル・マヨ(※Michael Mayo 発音的にはマイケル・メイヨかもしれない)というヴォーカリストの声を初めて聴いたのはおそらくネイト・スミスの『Kinfolk : Postcard from Everywhere』だっただろうか。ちょうど、その頃、黒田卓也とどこかで雑談していた時に「最近NYだとマイケル・マヨってヴォーカリストがすごくて話題になっている」って話をしてくれたのを薄っすら覚えている。 ネイトのアルバムでは同アルバムにグレッチェン・パーラトもゲスト・ヴォー

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21世紀のラテンジャズ / カリビアンジャズ ガイド by Jazz The New Chapter

僕は『Jazz The New Chapter』という本で、21世紀に入ってからカリブ海の国々やそれらの国からのアメリカやイギリスへの移民やその2世や3世が作る音楽が面白くなっていて、彼らの存在感もどんどん増していて、それがアメリカやイギリスのジャズ・シーンに影響を与えているという話を何度かしてきました。 個人的にラテンジャズ、カリビアンジャズについては少しづつまとめて整理していたので、多少のおまけをつけて公開します。 ミュージック・マガジン2020年6月号の「ニュー・ス

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ジャズとスカ、レゲエとジャズ:ジャマイカとイギリスにおけるジャズとジャマイカ音楽の関係 with PLAYLIST

以下のようなラテンジャズ/カリビアンジャズについてジャズ・リスナーのためにザックリ解説する記事を作りました。ラテン音楽のガイドはルンバやサルサやティンバなどの情報は充実しているけど、ジャズについて書いているものがほとんどないので、そこだけにフォーカスしたものです。 ここではカリブ海に面する国におけるそれぞれの国の音楽とジャズが融合している事例を紹介しています。 その中で《イギリスのカリビアン・ジャズ:キューバ、トリニダード、バルバドス etc》ということでジャマイカやトリ

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Playlist : 侵食するアフロビートのDNA - AFROBEAT × JAZZ/NEO SOUL/HIPHOP by Jazz The New Chapter

フェラ・クティとトニー・アレンらにより発明されたアフロビートは今もあらゆるジャンルに大きな影響を与え続けています。 ロック、ポストパンク、インディーロック、テクノ、ハウスなど、様々なジャンルに影響を与えてきたアフロビートですが、ここでは90年代以降にいかにアフロビートがジャズやヒップホップやR&B、ネオソウルなどに影響を与えてきたのかをプレイリストでまとめてみました。 文脈の詳細は以下の記事にしっかり書いたので併せて読んでください。 このnote記事では上記の記事は触れ

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スピリチュアルジャズって何? - カマシ・ワシントン以降、多用されるキーワード”Spiritual Jazz”のこと

00年代の始めごろの僕は、家ではロックやテクノやヒップホップも聴きながら、クラブにもたまに行きながら、大学の近くのジャズ喫茶に通ってはジャズを聴いていた。ジャズ喫茶の店主と仲良くなってからは、レコード屋に行っては、ジャズを買い、ジャズ喫茶に持っていって聴かせてもらったりしていた。もちろん、レアグルーヴも聴いたし、ブルーノートもプレステッジも、フリージャズもヨーロッパジャズも聴いた。その中で、ジャズ喫茶の店主やお客さんとの会話が最も盛り上がるのが、インパルス期のジョン・コルトレ

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