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Interviews by Mitsutaka Nagira

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音楽評論家 柳樂光隆による国内外のアーティストのインタビュー記事が読めます。
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#音楽批評

interview Dayna Stephens - デイナ・スティーヴンス:自分の楽曲は、様々なアーティストによって語られ、歌われる「ストーリー」のようなもの

Jazz The New Chapterでは現代のジャズをより深く知るためにサックス奏者を取材し続けていて、5ではサックス特集をしっかりやりました。その中でもデイナ・スティーブンスにはいつか取材したいとずっと思っていました。 その理由は彼のサックスや作品が素晴らしいこともあるけど、理由はそれだけではなく、例えば、EWI(ウインドシンセサイザー:管楽器のように息を吹き込んで演奏するシンセサイザー)を吹いている現代ジャズ・シーンのサックス奏者としてEWIについて聞いてみたかった

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Interview:ジェイソン・モランとスケートボードとジャズ"Both Skating and Jazz are created in the moment."

自身もかつてスケーターだったというジェイソン・モランは過去のインタビューなどで何度もスケートボードについて語っているだけでなく、彼はジャズの生演奏とスケートボード・カルチャーの融合を試みるイベント、”Skateboarding”をアメリカで企画しているほどのスケートボード愛を持っている。 彼はジャズとスケートボーディングは「創造性・身体性・即興性」などに共通点があるとも語っていて、その二つのカルチャーを交差させるために、これまでワシントンD.C.のケネディー・センターや、サ

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Interview Nitai Hershkovits : ソロピアノ『New Place Always』とニタイ・ハーシュコビッツのルーツのこと

ニタイ・ハーシュコビッツはイスラエルを代表するジャズピアニストの一人だ。 イスラエル国内でも高い評価を得た後に、イスラエル・ジャズの第一世代で、いち早くUSへ進出し、世界的な成功を収めた巨匠でもあるアヴィシャイ・コーエンのバンドの不動のピアニストだった天才シャイ・マエストロの後釜に就任したのがニタイだった。アヴィシャイの『Gently Disturbed』『Aurora』『Seven Seas』といった2000年代の傑作に大きな貢献をしていたシャイの不在をすぐに忘れさせてし

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Interview Lauren Desberg:ローレン・デスバーグ:ブロードウェイ・ミュージカル、カーペンターズからR&Bまでを繋ぐ歌とジャズ

グレッチェン・パーラトやベッカ・スティーブンス、カミラ・メサなどなど、様々な個性のヴォーカリストが次々に現れるジャズシーンの中でローレン・デスバーグはちょっと異質だった。なぜなら出てきたときに「グレッチェン・パーラトに師事」というコピーがついていたからで、「グレッチェン、若手枠なのにもうそんなポジションかよ」的に驚いたし、ローレン自体もずいぶん個性的だったからだ。今思えば、グレッチェンの『Lost & Found』以降、とも言えるサウンドでもあるのだが、その楽曲や歌、録音やミ

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interview Ichiro Onoe:パリで活動するジャズドラマー 小野江一郎さんのこと

僕と小野江一郎さんが知り合ったのは偶然だった。 2015年にドイツのブレーメンで行われたヨーロッパ最大のジャズのコンベンションJAZZAHEAD!に行ったときに、日本人の知り合いと話していたら、「あれ、もしかして、日本から来た方ですか?」と声をかけてきたのが小野江さんだった。 その時に話していたら、長年フランスでジャズドラマーとして活動していて、近年はジェーン・バーキンのツアーで中島ノブユキさんと一緒にやっていたという話になり、ずいぶん話が盛り上がった。と同時に「この人、

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interview Moto Fukushima(House of Waters) ー USの音楽シーンでサバイブすることと、NYの南米ジャズ・コミュニティー

スナーキー・パピーのマイケル・リーグが運営するレーベルのGROUND UP MUSICからHouse of Watersというバンドがデビューしていた。ヨーロッパの弦楽器ダルシマーを配したトリオという不思議な編成だが、Groundupが実力があるライブバンドをリリースすることをレーベルのコンセプトとして掲げているだけあって、その内容は素晴らしいものだった。 その動画を見ているとアジア人ベーシストがいることに気付いた。名前はMoto Fukushima。 さっそくNYのジ

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Interview - 挾間美帆が語るセロニアス・モンクと『THE MONK : LIVE AT BIMHUIS』

2017年はセロニアス・モンクの生誕100年の年だった。挾間美帆はその記念すべき年にオランダが誇る世界屈指のオーケストラ メトロポール・オーケストラとともにモンクをトリビュートするライブを行った。その模様は『ザ・モンク:ライヴ・アット・ビムハウス』に収録されている。ビッグバンドによるセロニアス・モンク作品集としては、新たな傑作が生まれたと思う。 このプロジェクトの話を知ってから、タイミングが合ったら挾間美帆にモンクの話を聞きたいなとずっと思っていた。たまたま僕も『100年の

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interview 福盛進也 - about Shinya Fukumori Trio『For 2 Akis』 前編「ミュンヘンに移住したのはECMの本社があるから、それだけです」

「2018年にECMから日本人ミュージシャンがデビューする。」という情報を得たのは2017年の夏ごろだった。ECMの本社があるミュンヘンに在住の30代で福盛進也という名前のドラマーだと知ったが、どんなミュージシャンなのか僕は何も知らなかった。 会いに行ったのは2017年の8月。関西弁のイントネーションが残る穏やかな語り口で「ユニクロのECMのTシャツ出てましたよね。僕、爆買いしましたよ。」とか言ってしまうような大のECM好きの彼はジャズ史における超名門レーベルでありながら、

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interview Keyon Harrold - キーヨン・ハロルド:「MB Lament」は警察官に殺された有色人種全員へ贈る俺からの追悼曲なんだ

キーヨン・ハロルドというトランぺッターのことをまだ知らない人は多いかもしれないが、彼はこれまでディアンジェロ&ザ・ヴァンガードやマックスウェル、デリック・ホッジ『Live Today』バンドなどで何度も来日しているし、上記のアーティスト意外にも様々な作品にクレジットされている。いわば《ロバート・グラスパー世代》を代表するトランぺッターだ。 彼の凄さを物語るエピソードが一つある。高校生時代の黒田卓也がNYでセッションに行った時の話だ。その店では若手のミュージシャン達がすさまじ

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Interview Buttering Trio:バターリング・トリオ インタビュー「イスラエルっていう国はマルチ・カルチャー。一つの文化じゃないんだ」

ブレインフィーダーやストーンズスロウとも共振するイスラエルのレーベルRaw Tapesを主催するリジョイサー(Rejoicer)が、彼がメンバーとして活躍するバターリング・トリオ(Buttering Trio)のメンバーとして11月に来日しました。 その時、バターリングトリオのリジョイサーとケレンダン(KerenDun)に『ミュージック・マガジン2017年12月号』用のインタビューをしました。かなりたくさん面白いことを喋ってくれたのですが、誌面の都合上、その原稿が半分残

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Interview Bill Frisell - ビル・フリゼール『When You Wish Upon a Star』インタビュー・アウトテイク

「CDジャーナル2016年2月号」ビル・フリゼールのインタビューのアウトテイク。 ーー『When You Wish Upon a Star』では映画音楽のスタンダードを演奏していますね。ビルさんご自身の音楽では、『Music For The Films Of Buster Keaton: The High Sign/One Week』のように映画音楽からインスパイアされたものが何度かあったように思います。映画の音楽、もしくは映像作品のために作られた音楽はあなたにどんな影

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