浅野 潤

1971年 カリフォルニア大学バークレー校卒業 1972年 同校 M.F.A. プログ…

浅野 潤

1971年 カリフォルニア大学バークレー校卒業 1972年 同校 M.F.A. プログラム 中退 2006年ウェラジャパン代表取締役 同志社女子大学非常勤講師 デジタルハリウッド大学大学院特任教授 産業能率大学客員教授を歴任 2019年に勇退 現在横浜と宝塚に居住。

マガジン

  • プロデュース クリエーターのためのビジネス要素 テキスト

    このテキストで私は”クリエーター“という言葉をデザイナー、アーティスト、作家、音楽家といった狭義ではなく、発明家、エンジニア、科学者、あるいはその他さまざまな技術を駆使し”創造する者“という意味に使っていく。 このテキストでは、そういったビジネス創造の可能性を秘めたクリエーター、特に今までフォーマルなビジネスについての教育を受けていなかった人たちに、ビジネスを作り出し運営するうえで必要になる考え方を明らかにしたいと思う。 これが将来的に成功する会社を築く方法だ。本マガジンでは「ビジネスの全体像」を、私が重要と考える要素を説明しながら紹介したい。 毎週水曜日に更新し、全60週で完結する予定です。

最近の記事

no.33 実現 ― コミット(誓約)

実現段階では、プロデューサーはまず、プロデュースの目的を永続的なコミットメントにする必要がある。そして、プロデュースを実現するための組織を構築する必要があるのだ。 プロデュースの目的は、この組織の土台であるべきだ。 実現段階は行動の段階である。そして行動するためには、プロデューサーが従うべきロードマップを持っていることが理想。このロードマップは、ロジックとデータを活用して慎重に設計する必要がある。 実現の段階で、プロデューサーは目的について心配するべきではない。 彼/

    • no.32 発案 ― コミュニケート(アイディアの伝達)II

      コンポーズ(構成)とコミュニケートの段階で必要な能力 発案/プレゼンテーションの2つの段階(コンポーズ&コミュニケート)で、プロデューサーが人間性に優れ、チームメンバーや利害関係者から信頼され、崇拝されていれば、それは理想的だ。しかし、そのような人はあまり多くない。よってそのような性格をプロデューサーに求めることは意味がない。 ここで申し上げておきたいのは、プレゼンテーションに必要な能力は、一般的に、基本的な教育を受け、物事を地に足を付けて考えることができさえすれば、誰

      • no.32 エクササイズ

        あなたのプレゼンテーションでは、どのような種類の反論が予想されるか? それらに対する適切な準備は何か? 会社の意思決定者にプレゼンテーションを行うとき、このプロデュースに関しての彼らのWinは何か?そして、あなたはそれに対して何を提供できるか? このプレゼンテーションによって、上記の意思決定者からどのようなコミットメントを受け取りたいか? ● 最低限のコミットメント ● 最大限のコミットメント このプレゼンテーション

        • no.31 発案 ― コミュニケート(アイディアの伝達)II

          反論への対応 ところが、プレゼンテーションに於いては、組織自体の内部で、2種類の否定的な力、反論を引き起こす力が発生する可能性がある。 一つは堺屋太一氏が「プロデュースの10段階法」で述べている。社員の視点はプロデュースの成功よりもプロデュースのしやすさに偏りがちなのが実情だということ。このため、プロデュースの生産コストが膨らみ、失敗に終わる。 (㊲) 「現実的にみれば、役所はそんなことはありえない、と言っていることを知っておくべきだ。それを困難にする特定の状況を作って

        no.33 実現 ― コミット(誓約)

        マガジン

        • プロデュース クリエーターのためのビジネス要素 テキスト
          34本

        記事

          no.30 エクササイズ

          プロデュースに必要なすべての目標をもう一度リストアップし、それらを組み合わせよう。 プロデュースの最終的な戦略的目標を、社会的、実質的、および経済的目標の観点から、できるだけシンプルに述べよ。 社会的目標 実質的目標 経済的目標

          no.30 エクササイズ

          no.29 発案 ― コンポーズ(構築)Ⅱ

          さまざまな利害関係者への対応と目標設定 すでに説明したように、利害関係者にはそれぞれのWin:願望、そして解決すべき問題がある。 彼らにプロデュースのためのリソースを提供し続けてもらうためには、彼らにとってプラスになるストーリーを伝える必要がある。つまり、利害関係者が望んでいる何かをより明確な目標として述べる必要が出てくるわけだ。そして、それらを手に入れるための指針となる管理戦略は、彼らが理解できるストーリーで説明されるべきである。 イケアを例に挙げて説明しよう。 オ

          no.29 発案 ― コンポーズ(構築)Ⅱ

          no.28 エクササイズ

          このプロデュースに必要なリソースを獲得するために検討すべき重要なパートナーと利害関係者は誰か? 上記の主要なパートナーと利害関係者のために必要な目標を述べよ。 ● ● ● ● ● 上記の目標に関連して、それらに関する特別な投資がなければ、プロデュースの期待される結果はどうなるだろうか? ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 目標と期待される結果の間にギャップがある場合は、それらを分析し、埋めるために必要なアクション (または投資) を検討しよう

          no.28 エクササイズ

          no.27 発案 ― コンポーズ(構築)Ⅱ

          資源を獲得するための目標 ピケティの経済書「21世紀の資本」で説明されているように、金融資産、土地・建物、さらには様々なマネー ゲームへの投資のリターンが、商品やサービスの生産への投資のリターンよりも大きく認識される場合、世界の富裕層の富の多くが直接社会を改善するためのエネルギーとしては使われなくなる。 さまざまなリソース、特に世界の富を活用するためには、「リスクはあるが、利益率を含む成功の報酬は大きい」「お金だけではない。これは価値のある、意味のあるベンチャーだ。」と

          no.27 発案 ― コンポーズ(構築)Ⅱ

          no.26 エクササイズ

          あなたのプロデュースに関して、それに対する投資戦略はどのようなものか? あなたのプロデュースの管理戦略に関して、 あなたのプロデュースの、どこで戦い、どんな方法で勝つのかをもう一度述べよ。 「コストメリット」または「差別化」の考えにそってあなたの勝つ方法を説明せよ。それが差別化である場合、それは説明されている4つの差別化方法のうちどれか?

          no.26 エクササイズ

          no.25 発案 ― コンポーズ(構築)Ⅱ

          目的を達成するための道 次に、目的を達成するための道筋を明確にする必要がある。 私たちの周りには、人生における明確な目的の重要性についてや、(目的の)ビジョンは心の中で明確であるべきで、常にそれを意識する必要があるなどの教えがある。それが人生に成功し、幸せな人生を手に入れる鍵である。積極的に求めなければ何も得られない、というのである。 しかし、平均的な人は、時間を割いてこの教えを読んだり、セミナーに参加したりした時には、この概念に従って精を出すが、1 週間ほども経つ

          no.25 発案 ― コンポーズ(構築)Ⅱ

          no.24 エクササイズ

          あなたがプロデュースのストーリーを紹介すべき重要なパートナーは誰か? ● ● ● あなたの考えを広め、深めるために、会議の前にどのような質問を準備する必要があるか? ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ ✓ 上記の質問を尋ねた後は、沈黙する時間をもち、主要なパートナーの意見はどんな意見であっても聞くようにしよう。決して話し続けないこと。なぜなら相手があなたの質問に

          no.24 エクササイズ

          no.23 発案 - コミュニケート(アイディアの伝達)I

          主要パートナーへの発案/プレゼンテーション キーパートナーへのプレゼンテーションは、構築された目的の有効性を確認した上で、理解しやすくし、ワラスの言うところのアイディアのデモンストレーションを完了することだ。 キーパートナーは、プロデュースを実現するために必要な人である。 実現の過程ではこのキーパートナーに目的を共有してもらいたい。 この発案の重要ポイントは、相手にその趣旨を受け入れてもらい、できれば「これは放っておけない」と自分の問題として自発的に認識してもらう

          no.23 発案 - コミュニケート(アイディアの伝達)I

          no.22 エクササイズ

          第20週のエクササイズで構築したストーリーを信じる理由について、次の3つの価値観にもとづき述べよ。 ● 善 ● 真 ● 美 前のエクササイズをダブルチェックしよう。 前の章で説明したさまざまな要件を満たすようにあなたのストーリーをもう一度再構築しよう。

          no.22 エクササイズ

          no.21 発案 ― コンポーズ (構築) I

          目的の構築<コンポーズ> --- 信念にする 多くの成功した起業家の伝記やインタビューでは、成功した組織には、生き残り成功するための独自の信念があり、その信念に対する熱意が、ひとりひとりの協力者に伝えられていることが確認できる。信念に従って、プロデューサーはプロダクションを実現するために必要なポリシーと行動基準を設計する。 信念は、特定のプロデュースに特徴的な使命のことである。 稲盛和夫は、著書「生き方」の中で次のように書いている。 人間の心は多層構造であり、い

          no.21 発案 ― コンポーズ (構築) I

          no.20 エクササイズ

          どこで戦い、どう勝つかを決めて、テーマをどのように実現したいかを説明するストーリーを作成してみよう。 次の項目をチェックしながら上記のストーリーを検証してみよう。 1. ストーリーが楽観的すぎないか? 2. ストーリーの流れに不合理なドグマや飛躍がないか? 3. ストーリーの基になっている仮説が間違っているとしたら、どのようなことが考えられるか? 4. ストーリーが組み立てられたとおりに流れない可能性のある障害は何だろう

          no.20 エクササイズ

          no.19 発案 ― コンポーズ(構築) Ⅰ

          すべては発案から始まる 具体的なプロダクションは着想したアイディアをうまく伝えることから始まるといっても過言ではない。 アイディアを実現するために、昨今のさまざまなテクノロジーを駆使するにしても、多くの場合、特にプロダクションの最終段階では、人々が一緒に働く組織を活用する必要がある。 また、アイディアのプレゼンテーションは、協力してくれる人的資源を獲得するだけでなく、プロダクションを実行するために必要なお金やその他の資源を得るためにも必要だ。これらの資源を確保するためには、

          no.19 発案 ― コンポーズ(構築) Ⅰ