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7.主語と動詞でこの世は渡れる!

主語と動詞でこの世は渡れる!
 
前回は、英語の対話力向上には心技体が必要であると述べました。特に、「心」の部分において、率直な表現が成功への鍵であると述べました。そのためには、主語と動詞を早く明確に示すことが重要であると述べました。その説明をもっと詳しく以下に示します。
 
英語が苦手と言う多くの人は、「これが出た時から英語が苦手になりました!」と感じたかもしれません。
 
・第一文型:SV 主語+動詞
・第二文型:SVC 主語+動詞+補語
・第三文型:SVO 主語+動詞+目的語
・第四文型:SVOO 主語+動詞+目的語1+目的語2
・第五文型:SVOC 主語+動詞+目的語+補語
 
文章を構成する上で非常に重要な要素です。コミュニケーションとは、自分の意思を相手に伝えることです。そのためには、単刀直入「何々は何である。」「誰々がどうする。」という表現能力が必要です。 
中学校の英語教科書も、“This is a pen”、“I am a boy.”、“I study English.”、“He plays soccer.”から始まりますが、これが英語会話においてもっとも重要なことだと教えていません。単に文の構成方法を教えているだけです。これは実際には残念なことです。
 
私が主催する実戦・英対話道場では、どんなに複雑な表現であっても、言葉に詰まったら「とにかく言いたい事の主語と動詞だけをまず捜し出し、それを真っ先に言うように!」と指導しています。
 
この行動だけで、半分以上の意思が伝わるのです。なぜなら、上記の五つの文型を見ても分かる通り、全ての表現は主語と動詞から始まっているからです。乱暴な言い方かもしれませんが、「主語と動詞さえ伝えれば後は知っている単語を並べただけで通じるよ!」と私は伝えています。
 
現役時代、よく外国人から、「あの人は英語会話は上手なんだけど、何が言いたいのか分からない!」と言われる光景に出くわしました。要するに、その人が知っている英単語や表現法を使っているものの、日本語的な表現の文になってしまっているからです。
 
例えば、「Why didn't you want to go to Tokyo?」に対し、「Because I have to save some money.」と単刀直入に理由を言って答えると伝わりやすいのですが、「実は今花粉症に悩まされており、また、ハワイにこの夏行きたいと思いっており、妻への誕生プレゼントも買わねばならないので、お金を節約する必要があったからです。」と主語も出ず、動詞は最後に出てきて、まどろっこしく、あいまいです。これでは、単語や表現法を知っていても、相手には伝わりません。
 
 
エピソード6 「はやく通訳せよ!」
 私の上司はアメリカ人でした。本社に籍を置きながら年に4回程度、日本を訪れ、顧客を訪問することが常でした。私は通訳業務も担当しておりました。
会議室で日本企業側の人々が話し始めてから10分が経過しても、私は通訳をせずに沈黙を続けていると、私の上司はいらだちを覚え貧乏ゆすりを始めだし、ついには「速く訳せ!」と私のわき腹をつついて要求するのです。
 「日本側は、まだ誰もが知っている世界の状況から話し始め、日本の経済状況や市場の環境、自分たちの都合について延々と述べるだけで、会議の核心に入ってこないんです。それじゃ、訳すことができないでしょう。あなたの聞きたいこととは違うんですから…」と返答するのも常でした。仕方なく通訳すると上司はイライラが増し、ついには、「What’s the point?」顔を真っ赤にして私を見つめるのでした。 勘弁してほしい瞬間です。
 
 
エピソード7 「ヘッドハンター曰く」
 「TOEICなどの点数は参考にはしますが、重視はしていません。我々が重視しているのは、候補者がどれだけ伝達能力を持っているかです。言い換えれば、英語でのコミュニケーション能力ですね。」
英語が流暢に話せても、実際には英語的表現では直線的な論法が求められます。どんなに長い文章でも、「自分は何をしたいのか、何をするつもりなのか」ということをはじめに述べ、その理由を明確に箇条書きで伝える力が求められています。 すなわち文書形態も主語+動詞の世界ですね。
 
主語と動詞でこの世は渡れる! お判りいただけましたか?


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