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「〇〇の秋」、到来です。

皆さんは秋という季節をどのようにお過ごしでしょうか。
私は甘いものが好きなのでさつまいもや栗を使ったデザートを食べたい気分です。
「食欲の秋」ですね。

こんにちは。撮影部の林です。
今回は私が弊社で担当しているセクションである「DIT」と「編集」についてお話しします。

DITって?

映像業界を経験されていない方にとってはまったく聞いたことがないセクションだと思います。
実際、私も業界に入る前は「?」でした。
DITとは正式には ”Digital Imaging Technician” といいます。
仕事内容としては撮影現場や規模感などによって様々です。
ただし、撮影現場では基本的には以下の4つを行っています。

撮影済みメディアの管理

制作部さんに映像の撮影後〜作品の完成までの工程であるポスプロにお持ちいただくため、ご用意いただいたドライブに正/副の二箇所とDITが所持するドライブへコピーします。

コピー&ペーストの簡単な作業ではありません。責任重大の作業です。

各部署のスタッフが力を合わせて出来上がった最高の舞台を撮影したデータです。お金も時間も労力もかかっています。失敗は許されません。

オリジナルのデータと寸分違わず、確実にそれと同じものをポスプロさんにお渡ししなくてはならないのです。

そのために、撮影部やDITは専用のファイルコピーソフト(業界で有名なのは Silverstack ですが、私は OffShoot を使ってます!)を使用して撮影データのコピーを行い、データ量・ファイル数がオリジナルと一致しているかチェックしたり、再生してみて目視でデータに問題ないかどうかを確認したりしています。

モニター出し

各部署にお渡ししたモニターに表示する内容を管理します。
カメラの台数分画面を分割したり、合成した結果を乗せた状態で表示させたりすることで、撮影のしやすさ・分かりやすさを向上させ、各部署をサポートします。
すべてのモニターに同じ内容を映し出しているわけではなく、その時・その場の目的に合わせ特定のモニターだけに異なる映像を映すこともあります。

ベースとしては非常にコンパクトですが、これだけで合成できたりします

オンセットグレーディング

グレーディング(カラコレとも)とは人や商品をより良く見せるため、あるいは作品そのものの世界観を表現するために映像の色調を補正・作っていく作業です。
一般的には編集の工程で行われますが、撮影段階で調整された色調で見たい場合や少しトーンを変えたらどうなる?といった監督やカメラマンのご提案にお応えするために、その場で調整したものをモニターに出しています。
実際に現場で使用した色調のデータはLUT(Lookup Table。入力された光・色の数値に対し、どのような値に変化させて出力するかを定義した変換表のようなもの)という形式のデータに書き出して、コピーした撮影データと一緒にお渡ししています。

撮影データの変換

業務用のカメラによっては、撮影したオリジナルのデータが凄まじく重いことがあり扱いにくいので、事前に決められた形式やコーデック、解像度等の設定に則り撮影データをオフラインの編集さんが扱いやすいように変換します。
昨今ではPCの性能が飛躍的に向上していることもあり、以前よりも変換にかかる時間は短くはなりましたが、使用するカメラによっては長時間に及ぶこともあります。

・・・というように、大まかにご紹介しました。(上では挙げていない細々な作業もしてたりします。マルチカメラの時にカメラ間の露出を合わせたり、クリップごとの内容を書いたり、ポスプロさんがデータを扱いやすいように撮影時の設定やフォルダ階層などを明示したレポートを作成したり色々と、、)
撮影済みメディアを扱うという点・データ変換があるという点では冷静さ・慎重さ・根気が求められるポジションだとは思いますが、撮影現場を支える縁の下の力持ちだという実感が湧いてくると段々とやりがいを実感します。


編集では何をしているの?

弊社は撮影技術会社としての柱が太いので少し意外かもしれませんが、編集もしていたりします。エディットルームもあります。


編集にはオフライン・オンライン・合成やMAなど複数の工程があり、完成までにクライアントさんにご覧いただくタイミングが何度かあります。
制作する映像の内容によって作業工程が異なってくることがあるので、今回は作業の内容については割愛しますが、作品完成までのざっくりとした進め方についてご紹介します。

オフライン(仮編集)

通常では撮影した映像の必要な部分をカットし並べた状態です。
弊社ではアニメーションやテロップ・BGMなど予め乗せて全体の7、8割ぐらいまで追い込んだ状態まで作ってしまいます。
クライアントさんのここはこだわりたい!という部分に合わせて、何パターンか作り分けたものをお出しします。
その上でご希望の状態に仕上げるために修正のご指示をいただきます。

オンライン(本編集)

本来であればオフラインでピクチャーロック(カット編集した映像についてはオフラインで使用箇所を固定)してしまうので、オフラインで仕上げた部分に手を加えることはあまりないのですが、クライアントさんや監督が立ち会いのためにお越しいただくことが難しい場合が多いため、弊社では柔軟に対応を行っています。
オンラインではグレーディングや残りの作業を行い、完成候補と言えるクオリティまで持っていってご覧いただき、最終の修正ご指示をいただきます。

書き出し

最終の修正を反映し、納品の形態に合わせて書き出しします。
弊社ではWeb媒体がほとんどなのであまり多くの人の目に触れることは少ないですが、「自分が仕上げた映像が企業さんのHPに掲載された!」という瞬間が次へのモチベーションに繋がります。

おわりに

以上、DITと編集のお仕事の紹介でした。
実はこれら2つのセクションはそれぞれ独立していて無関係、というわけではないのです。

私は大学時代に映像サークルで編集・撮影をよくしていたので少しばかり技術に関する知識は(とはいっても学生のレベルではありますが、、)身につけていました。
その経験がDITというポジションにつきたい、という気持ちに繋がっています。

DITも編集も、いずれも仕上がりに関わる部分なので、まるで料理人の気分で素材を調理するという意味で楽しいセクションです。
カメラマンのようにその場でクリエイティビティは生み出すのはなかなか難しいけれど、色々考えた上で発揮してみたい・・・という方、いかがでしょうか!

それでは!


株式会社 みんなと
映像部門 映像畑・藁屋
https://eizobtk-waraya.com

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