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ハードボイルドの映画、小説が大好きな初老の男です。 最初に見た映画は、小学校5年生の時…

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ハードボイルドの映画、小説が大好きな初老の男です。 最初に見た映画は、小学校5年生の時に、父親に連れて行ってもらった「七人の侍」でした。あのラストの戦闘シーンが忘れられず、その後ずっとハードボイルドの物語の虜になりました。そんな思い出の物語を、書いて行きたいと思います。

最近の記事

マインドコントロールは、あなたのすぐ側にある。

第二次世界大戦終結後は、西側と東側に別れ、共産国家と資本主義国家の戦いになった。それは、兵と兵、武器と兵器を戦わせる肉弾戦ではなく、インテリジェンス。情報と情報を戦わせる冷戦となった。60年代から80年代初頭は、この冷戦を題材にしたスパイ映画がたくさん作られて、私の好きなハードボイルドヒーローは、スパイ、カウンタースパイを渋く演じて、魅了してくれた。 中でも、映画「テレフォン」はチャールズ・ブロンソンが、ソ連のKGB秘密捜査官を演じ、ハラハラ、ドキドキ、スリル満点の映画になっ

    • 枯れた男の哀愁が漂う

      映画「スティルウォーター」はまったく知らない映画だった。しかし、ハードボイルド好きのユーチューバー、横道逸太郎さんが、2022年の見た映画ベスト10に、この映画を選んでいて、どんなものかと見る気になった作品である。 昨今では珍しい、枯れた男のハードボイルド役をマット・デイモンが見事に演じていて、思わず2回繰り返し見てしまった。 マット・デイモンというと、グッド・ウィル・ハンティングがあまりにも良すぎて、ボーンシリーズなど、彼にとっては、2塁打クラスの映画が多かったが、このス

      • あなたはきっと、ん〜マンダムと言いたくなる。

        今はあまり見られなくなってしまったが、男と男の一騎打ちも、ハードボイルドとしては、欠かせないコンテンツだと思う。 またまた古い映画だが「デスハント」を見たことがあるだろうか?男くさい、チャールズ・ブロンソンと、いぶし銀のような俳優。リーン・マービンの一騎打ちを描いた映画なのだが、これも何度もリピートとして見たくなる映画の一つである。 闘犬で傷ついた犬を助けて、もらい受けた漁師のジョンソン(チャールズ・ブロンソン)は、犬を治療し命を助けるが、もとの飼い主が因縁をつけて、カナダ

        • 不撓不屈の精神が、ハードボイルドの原点だ。

          しばらく見ないでいると、また引っ張りだしてきて、見たくなる映画がある。それがこの映画「ナバロンの要塞」である。古い映画だが、スペクタクルの面では、今見ても十分見応えのある映画である。 原作はアリスティア・マックリーンの小説を元に描かれていて、見る者はハラハラ、ドキドキの連続の冒険活劇であるが、特筆すべきは、映画「その男ゾルバ」で有名はアンソニー・クイーン扮するアンドレアの演技が、この映画のハイライトといってもいい。 もうダメか…。と思わせる場面で、アンドレアは、歌舞伎の勧

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          人は人を縛れない。

          第二次世界大戦は、自由と独裁体制との戦いだった。人はどんなに追い詰められても、必ず自由を勝ち取ろうとする。そんな共産国家へのプロパガンダ映画を、当時の西側諸国のオールキャストで制作したのが、映画「大脱走」である。 そして、この映画にはもう一つのテーマがある。 それは、組織の統制を守り、任務を遂行する人間と、突拍子もない自己のアイデアもち、独自の道を模索する特異な人間も潰さず、育てる伎倆がアメリカにはある。と示したのもこの映画の特徴である。 スティーブ・マックイーン扮するヒル

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          俺は息子に誇れるものは何もない…とダンは語った。

          若い頃、参禅をしたことがある。 趙州和尚、「無字の公案」という 最初にして、最大の難関である。 この公案に取り組んでいたところ、師家は、「自己本来の面目を考えよ。」とだけ言われた。 いま、考えても、この公案は、人生を左右する大命題だと思う。 映画「3時10分、決断のとき」は、まさしく、この自己本来の面目を描いた映画である。 主人公のダン・エヴァンスは、南北戦争に参加し、南部の人間にもかかわらず、勝ち馬に乗ろうと北軍に着き、退却戦で仲間の流れ玉に合い、片足を失ってしまう。しか

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          男は女の告白に、「お幸せに…」とだけ告げた

          ハードボイルド俳優が、メロドラマを演じたらどうなるか? 考えてみれば、ハードボイルド映画にパートナーはつきものである。だからそんな括りこそ、ナンセンスと言えるかも知れない。また、時代は更に進んで、ジェンダー平等があたりまえの社会だ。歳を重ねた者こそ、時代の変化に気づき、若い人達を応援したいと常に思う。 そんな時代の流れとは逆行して、古い「カサブランカ」のハンフリー・ボガートのように、彼女の幸せを願い、潔く身を引く男を描いたのが、この映画「プルーフ・オブ・ライフ」である。 夫を

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          生き方を見直すと、人生のホントに大切なものが見えてくる

          ハードボイルド俳優がメロドラマを演じたらどうなるか? 第4段は、ラッセル・クロウの「プロバンスの贈り物」である。 私は、人生に憂いを感じたとき、必ずこの映画を見る。 地中海性気候の乾いた空気と、南フランスの慕情感あふれる古城の屋敷。ワインをめぐる、謎めいたストーリーが大好きだからだ。 ラッセル・クロウは、「グラディエーター」「ロビンフッド」「レ・ミゼラブル」などの史劇のハードボイルドスターと言ってもいい俳優である。 そのラッセル・クロウが、休暇を取り、南プロバンスに遊びに行

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          ゴミの中で、やり直すと誓った愛

          映画ゲッタウェイは、スティーブ・マックイーンの唯一のバイオレンス映画と言っていいだろう。 鬼才サム・ペキンパー監督がメガホンを撮り、ショックなシーンをスローモーションで撮るという、独特の手法をもちいている。 そして、主人公のスティーブ・マックイーンは、このスローモーション技法で、ショットガンをブッ放し、見事なガンさばきを、見せている。 一方。この映画は、強烈なバイオレンス映画にありがちな、アクション一辺倒な映画とは、一線を画し、ほのぼのとした夫婦愛を描いている映画でもある

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          女は嵐の中を、彼の乗る列車を追いかけた

          ハードボイルドの俳優が、メロドラマを演じたらどうなるか? 第二弾は、名画「恋に落ちて」である。この時代、清楚で、品のある女性といえば、メリル・ストリープだったのだろう。一方、マーチン・スコセッシ監督と組んで、ハードボイルド一直線のロバート・デニーロの共演といえば、もう名画になるのは間違いないと、約束されたような映画である。 妻に二人の関係をはなし、思っ切り強烈なビンタをくらい、ショボくれた思いで赴任先に旅立つデニーロを、嵐の中車を飛ばし、追いかけるメリル・ストリープ。その

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          男は、ずぶ濡れになって、ずっと愛する女を見つめていた

          ハードボイルド俳優が、メロドラマを演じたらどうなるか…非常に興味深いテーマである。今週から4週に渡って、その4部作をお届けしたい。 まず、筆頭は「マディソン郡の橋」である。いわずと知れたダーティハリーのクリント・イーストウッドが生涯唯一のメロドラマを撮ったのがこの「マディソン郡の橋」だ。 私はこの映画を最初に見たとき、泣けて、泣けてしかたがなかった。普段はハードの役を演じるイーストウッドが、ほんとに優しいナショナルジオグラフィックのカメラマンを見事に演じている。 たった2日

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          サムライを世界に伝えた映画、「レッドサン」

          映画「レッドサン」この映画ほど適材適役にハマった映画も珍しいと思う。日本の侍といえば、もう三船敏郎おいて他にないほどハマり役だし、男の友情を描くとき、これほどピッタリくる人も珍しい、チャールズ・ブロンソン、そして、デビュー当初から二枚目だけど、悪役が似合うアラン・ドロンの三人が共演し、それぞれがハマり役を見事に演じている。 自分の与えられた使命に生き、それを達成するために全力を尽くす。そんな侍のひた向きさに、いつしか影響され、男の友情が芽生え、それを助け支える男がいる。ハー

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          あなたは、きっと大西洋に浮かぶ、この要塞が心から離れない

          「冒険者たち」こんなにも、見終わったあとの余韻が、ずっと続く映画もない。 何か人をあ!っと言わせるようなことをしたい。若者の誰もが持つ純粋な夢である。そんな夢物語だから、この映画は、あらすじはどうということはない。しかし、純粋だからこそ失った悲しみが、自分のことのように感じるのが、この映画の特徴である。 もし、あの時こうしていたら…まったく違った人生があったかもしれない。と思うてしまうのが人の常である。リノ・ヴァンチェラ演じるローランは、そんな思いを、代わりに演じてくれて

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          ワンショットにこだわった男は、たった一人の友に杯を捧げた

          名画には、名曲の映画音楽がつきものである。映画「ディアハンター」もその一つ、スタンリー・マイヤーズが奏でる「カヴァティーナ」を聞くと、映画のワンシーンが蘇ってくる。 1960年代。ペンシルバニアの製鋼所で働く男たちは、休みの日に鹿狩りをして楽しんでいた。中でもマイケルは、ワンショット。たった1発で鹿をしとめることにこだわりを持っていた。 やがてベトナムに出征した彼らは戦場で再会を果たすが、過激なベトコンに捕らわれてしまい、残酷なゲーム。ロシアンルーレットを強要される。そして

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          ムスタングマッハ1。すべてのカーチェイスシーンはここから始まった

          映画「ブリット」はストーリーとしては、並の映画ではある。しかし、スティーブ・マックイーンが主役を演じると、これが、超ハードボイルド映画として、燦然と輝を放ち続ける映画になっている。 シーンは、坂道が名所のサンフランシスコを舞台に、犯人とおぼしき男に、車で尾行されていると、ブリットが覚るところから始まる。唸りをあげるムスタングマッハ1。ブリットが、いつのまにか犯人の背後に回り、逆に犯人を追い詰めて行く、坂道を跳び、豪快にコーナーを回り、手に汗を握る名シーンは、スティーブ・マッ

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          ドイルは、シャルニエと呼び、怒りの弾丸をぶち込んだ。

          人気の映画には、続編がつきものだ。しかし、たいがいパート2、パート3と重ねるごとに、悲しいことにつまらなくなる。しかし、例外がこの映画「フレンチコネクション」である。この作品は1話がウィリアム・フリードキン監督がメガホンを撮り、パート2はあの大列車作戦で有名なジョン・フランケンハイマー監督がこの物語を仕上げた。ハードボイルド刑事。ポパイドイルの物語である。 1 話では、フレンチコネクションの大ボス、シャルニエを寸前のところで取り逃がしてしまう。そして、そのシャルニエを追って

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