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学校法人越原学園 名古屋女子大学/名古屋女子大学短期大学部 大学名称変更・共学化・短大募集停止について


学校法人越原学園の2本のリリースについて

2024年2月16日、学校法人越原学園が出した2つのリリースは

【重要】大学名称変更と共学化について


【需要】名古屋女子大学短期大学部の学生募集停止(令和7年度以降)について

というもの。

学校法人越原学園の沿革

越原学園の「学校法人の沿革」をみると

大正4年(1915)
越原和、越原春子、個人立名古屋女学校(現学校法人越原学園の前身)を創立

昭和23年(1948)
名古屋女学院高等学校を財団法人越原学園
名古屋女学院中学校を財団法人名古屋市緑ヶ丘女子学園が維持経営

昭和25年(1950)
財団法人名古屋市緑ヶ丘女子学園が名古屋女学院短期大学を設置

昭和39年(1964)
学校法人名古屋市緑ヶ丘女子学園が名古屋女子大学を設置
名古屋女学院短期大学を名古屋女子大学短期大学部と改称

昭和52年(1977)
学校法人名古屋市緑ヶ丘女子学園を学校法人名古屋女子大学と改称

平成19年(2007)
学校法人名古屋女子大学(大学院・大学・短大・幼稚園)に、
学校法人越原学園(高等学校・中学校)を吸収合併し、
同時に学校法人名古屋女子大学の法人名称を、学校法人越原学園に変更。

※敬称略

学校法人越原学園HP 学校法人の沿革
https://www.koshihara.nagoya-wu.ac.jp/history/enkaku.php

という沿革。
中でも、2007年の動きが面白い。
「学校法人越原学園」を「学校法人名古屋女子大学」に吸収合併と同時に
「学校法人名古屋女子大学」の法人名称を「学校法人越原学園」変更
していること。
いろいろなルールの中で試行錯誤した結果なのだろう。

名古屋女子大学/名古屋女子大学短期大学部の沿革

それでは、名古屋女子大学/名古屋女子大学短期大学部の学部学科の動きはどのようなものか。

昭和25年(1950)
名古屋女学院短期大学(家政科)を開設

昭和37年(1962)
服飾科・栄養科の2学科を設置

昭和39年(1964)
名古屋女子大学(家政学部家政学科)を開設
名古屋女学院短期大学を名古屋女子大学短期大学部と改称

昭和43年(1968)
家政学部家政学科に家政学・食物学・管理栄養士の3専攻を設置

昭和46年(1971)
家政学部に児童学科を設置

昭和57年(1982)
短期大学部に英語科を設置

昭和58年(1983)
短期大学部服飾科を廃止

昭和63年(1988)
大学に文学部(日本文学科・英語英文学科・児童教育学科)を設置

平成2年(1990)
短期大学部家政科を生活学科に名称変更し、服装学・食生活・生活文化の3専攻を設置

平成4年(1992)
家政学部家政学科食物学専攻を改組し、生活環境学・生活経営学の2専攻を設置
家政学部児童学科を廃止

平成7年(1995)
家政学部家政学科管理栄養士専攻を改組し、家政学部食物栄養学科を設置
短期大学部生活学科の専攻を改編し、服飾・生活文化・生活情報の3専攻を設置

平成12年(2000)
家政学部家政学科生活環境学専攻を改組し、家政学部生活環境学科を設置
家政学部は、家政学・食物栄養学・生活環境学の3学科となる
短期大学部生活学科の専攻を改編し、新たに服飾デザイン・食生活・生活デザインの3専攻を設置、従来の生活情報と合わせて4専攻とする

平成13年(2001)
文学部児童教育学科を改組し、児童教育学専攻と幼児保育学専攻の2専攻を設置
英語英文学科を英語英米文化学科に名称変更

平成16年(2004)
文学部日本文学科と英語英米文化学科を統合し、文学部国際言語表現学科を設置

平成17年(2005)
家政学部に生活福祉学科を設置
短期大学部に保育学科を設置
短期大学部生活学科服飾デザイン専攻と生活デザイン専攻を統合し、生活創造デザイン専攻を設置、従来の食生活・生活情報と合わせて3専攻とする

平成20年(2008)
文学部国際言語表現学科を国際言語学科に名称変更

平成21年(2009)
家政学部に家政経済学科を設置
文学部国際言語学科を国際英語学科に名称変更

平成25年(2013)
短期大学部生活学科3専攻を3コースに改編

平成30年(2018)
短期大学部保育学科第三部を設置

平成31年(2019)
健康科学部看護学科を設置
家政学部食物栄養学科を健康科学部健康栄養学科に改組
家政学部は、生活環境学科1学科とする

令和4年(2022)
医療科学部(理学療法学科・作業療法学科)を設置

令和5年(2023)
文学部児童教育学科の専攻区分(児童教育学専攻、幼児保育学専攻)を廃止

名古屋女子大学HP 沿革 https://www.nagoya-wu.ac.jp/about/enkaku.php

積極的に新設・改組・廃止を行っている印象。

特に、
2019年「看護」「健康栄養」、2022年「理学療法」「作業療法」と
家政系大学から医療系大学イメージへの転換を行っている動きに感じる。

名古屋女子大学の入学者数・収容定員・在学者数・収容定員充足率

それではそれらの策に対して、入学者等の数字を確認すると

令和5年5月1日現在
名古屋女子大学HP 教育・研究情報
https://www.nagoya-wu.ac.jp/info/kyoiku.php

大学全体の収容定員充足率は68.8%
学科でみると、看護学部が107.5%で充足している以外は定員割れ。
特に、作業療法学科は46.7%と2年間の入学者が28名に留まっている。

名古屋女子大学短期大学部の入学者数・収容定員・在学者数・収容定員充足率

短期大学部の入学者等を確認すると

令和5年5月1日現在
名古屋女子大学HP 教育・研究情報
https://www.nagoya-wu.ac.jp/info/kyoiku.php

短期大学部全体の収容定員充足率は49.3%
学科でみると、保育学科(第一部)が28%、生活学科が45%と厳しい。

名古屋女子大学から名古屋葵大学へ

大学短大ともに入学者数がかなり厳しいことがわかる。

名称変更・共学化にあたっての越原もゆる学長からのメッセージは、

(前略)
令和7(2025)年には学園創立110年を迎えます。この節目の年に、大学を共学とし、それに伴い校名を「名古屋女子大学」から「名古屋葵大学」に変更することといたしました(構想中)。男女共同参画が進み、性別にかかわりなく、個性と能力を十分に発揮できる社会現状を踏まえての決断です。


「葵」(あおい)の文字には、学園創立の地が名古屋市東区葵町であったことから、共学として新たな一歩を踏み出すにあたり、今一度、建学の原点に立ち返るという意味を込めています。また、葵は太陽に向かってまっすぐ伸びる茎を持ち、上へ上へと花をつける植物であるため、ここを新たな出発点とし、今後の大学の更なる発展を願う気持ちも表しています。
(後略)

名古屋女子大学 HP 【重要】大学名称変更と共学化について
https://www.nagoya-wu.ac.jp/news/detail.php?id=371

というもの。
「葵」がつく名称の大学はなく日本初となる。
女子大学から共学になる場合、
神戸親和女子大学 → 神戸親和大学
鹿児島純心女子大学 → 鹿児島純心大学
飯田女子短期大学 → 飯田短期大学

など、”女子”を省くことが多い。

ただ、名古屋女子大学は名古屋大学とするわけにはいかず、
名称決定は難航を極めただろう。

名称変更は大学名認知がほぼ0から始まる(覚悟が必要)

大学名で「何を学べる大学か?」を伝えるために
一般的に使われる言葉を並べ
名古屋医療大学、名古屋医療健康大学などとするのではなく、
「葵」を選んだことに大きなこだわりを感じる。

学部学科改組については言及がないが、今後の動きにも注目したい。

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