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「静かな大地」を読んで

この数か月、冊数だけはたくさん読んでいたものの、どれもこれも口当たりの良い軽い小説ばかりでした。例えて言うなら綿あめばかり食べていたようなものだったので、久しぶりにずっしりと食べ応えのある栄養のあるものを摂った気分。

池澤夏樹さんは私の大好きな大好きな大好きな作家さん。その割になんで読んでいなかったのかと言えば、なんだか読み終えるのがもったいなかったからということでしょうか。

読んでいる最中に飲もうとお茶を入れていたのに、物語の世界に完全に入り込んでしまいました。気づけばお茶がすっかり冷めていました。

私は、私は、なんて世界を知らないのだろう。

庚午事変も知らなかったし、アイヌの歴史も全く知らなかった。そこに「いる」人たちを「いない」ものとして扱う和人と私は何ら変わりがない。

言葉を学び文化を学びお互いの存在を尊重することが出来る人を一方で敬いながら一方で貶めるような村人と、私は同列だ。

素直に自分の足りない部分を認める強さと、相手から吸収することのできるしなやかさを持てる人になりたい、と強く思いました。

それと、静内に行きたくなりました。馬好きなオットに頼んで、なんとかして連れていってもらおうっと。

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