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【詩】冬ざれ

椿の花も風雨で傷つき
森には枯れ野見に行くのみ
もみじはコンクリの道路で水浸し
カラスが一羽 寒空にアァと鳴く

冬ざれた森 静かに人は行き交う
冬ざれた森にあなたの後姿を追う

木の枝で雀はふくら雀
冬将軍早くも来たる
マガモは元の池に帰り
桜紅葉の葉は土に還る

冬ざれた森で雨が霙に変わる時
あなたは薬指の銀の輪をちらつかせて

灰色の雲はたなびき
凍てつくは風の声
団地の角の吹き溜まり
もういくつ寝るとクリスマス

冬ざれた街 賑やかな人波
冬ざれた街にあなたは遠く溶けてゆく
モノクロームの街に夕焼けだけ赤い

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