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What's phonics? ~フォニックスとは?

みなさん、Phonics (フォニックス) って聞いたことありますか?

私が初めて"Phonics"という言葉に出合ったのは3年前。当時私の次女は4歳で、幼稚園にMちゃんという友だちがいました。Mちゃんのお母さんはイギリス人で、日本で生活しながらも、Mちゃんには母国の学校と同じように国語 (=English)を学んでほしいと、独自のおうち英語学習を取り入れていて、その核が"Phonics"でした。
聞いた話によると、英語圏の子どもたちは、文字に興味を持ち始める年齢になるとPhonicsを学び始め、英語を読んだり書いたりできるようになるとのこと。

興味をもった私は、早速海外製のPhonics教材を取り寄せ、見よう見まねで我が子たちに実践してみよう!と思いました。

が、うまくいきません・・・

それもそのはず。

Phonicsは英語の音を文字につなげるためのルールを学ぶこと、つまり英語の"音"を知っていることが大前提なんです!

100%日本語で生活している我が家の子どもたちはもちろん、英語の音を知りません。そんな子に急にPhonicsを導入しようとする事がそもそも間違いだったのです。
一方、同じ幼稚園に通う同級生であっても、常に英語を聞いたり話したりする家庭環境があったからこそ、MちゃんはこのタイミングでPhonicsを学ぶことで、英語の読み書きができるようになっていったのです。

そんな大前提が欠けていたことに気付いたのはしばらくしてからですが、当時の私は、日本語で生活する子どもがPhonicsを学ぶには、英語ネイティブの子どもとは違った観点からのアプローチが必要なんだろうなぁ、興味はあるもののどう向き合えばよいのだろう・・・と、Phonicsに対して漠然とモヤモヤしていました。

そんな中、私はRhymoeに出合い、「英語のリズムを感じる身体づくり」が英語力を伸ばしていくために大切な土台であることを知り、Rhymoeを通してPhonicsに対する正しい理解、向き合い方も学ぶことができました。

そこで今日は、「Phonicsとはなにか?」をテーマに、少しお話ししたいと思います。

ここ数年でグンと認知度もあがり、本屋の棚にも様々なPhonics教材が並んでいるのを見かけるようになりました。YoutubeでもたくさんのPhonics関連動画が公開されています。しかしそれとともに、Phonicsに対する間違った認識や解釈も増えているのです。
例えば、「フォニックスを学ぶと発音がよくなる」や、「フォニックスを始めるのは早ければ早い方がいい」などの情報、見聞きしたことはありませんか?
実はそれは誤解です。Phonicsは発音を学ぶための指導法ではありません。そして、Phonicsを学ぶのには適した発達段階があるのです。

今日初めて"Phonics"という言葉を聞いた方でも大丈夫!Phonicsについて分かりやすくお伝えしていきます。

日本語も英語も言語

さて、人はどのように言語を習得するのでしょう?

どの国でも生まれたばかりの赤ちゃんはまだ話すことができません。でも赤ちゃんは、周りの人が話す言葉をたくさん聞く中で、その言語固有のリズムや音を吸収しています。
なんと、10か月の赤ちゃんの喃語には、既に母語(周りの人が話している言語)のリズムやイントネーションなどの特徴が表れているそうです!

周りの人が日本語を話す環境で育った赤ちゃんの場合、たくさんの日本語を聞く中で、少しずつ日本語固有の音やリズムの真似っこができるようになり、やがて意味のある単語を使い、文章を話し、日本語での会話ができるようになっていきます。

そして、そこからもう少し年齢が上がると、次第に文字に興味を持ち始めるようになります。今まで読んでもらっていた絵本を自分で読みたいと思ったり、生活の中で目にする文字が何なのか気になったり・・・そんなふうに文字への関心が十分に高まってから、文字を「書く」という段階に進みます。

この「聞く→話す→読む→書く」という言語習得の過程、実はどの言語を学ぶ時でも一緒です。

では次に、私たちがどのように英語を学んできたか、ちょっと思い出してみてください。

必死に単語帳や参考書とにらめっこして、単語のスペルや意味、文法を丸暗記。テストで良い点を取るためにそんなふうに英語を勉強してきませんでしたか?

少なくとも私はそうでした。
実は私たちは英語を、「聞く→話す→読む→書く」という自然な言語習得の過程に逆らって、「聞く・話す」という話し言葉の土台がないまま、「読み書き」から学んでいたのです。

日本人が英語を学ぶには?

では、英語を母語としない私たちが英語を学ぶにはどうしたらいいのでしょう?

先ほどの、自然な言語習得の過程を思い出してみてください。
英語の読み書き=Phonicsを学び始める前に大切なのは・・・そうです。「聞く・話す」という話し言葉をたくさんインプットすることです。言語習得の過程を木で表した場合、そのインプットが「根っこ」の部分にあたります。

出典元:Rhymoe Phonics

英語の木が大きく成長するには根っこがしっかり張っていないといけません。そしてその根っこの部分を育てるには、話し言葉としての英語をたくさんインプットすること、つまり英語本来のリズムを身体にしみこませ、たくさんの英語の音に触れることが大切です。根っこの部分がしっかりしている木は枝葉を伸ばし、上へと大きく育つことができます。Phonicsを学ぶことで英語の読み書きの力が伸びていくのです。

Phonicsはいつ始めるのがベスト?

では、Phonicsを始めるのにベストな時期はあるのでしょうか?

あります!
それはずばり、文字に興味を持ち始めたころと言えます。

もう少し具体的な目安をお伝えするとしたら、 
1.しりとりなどの言葉遊びができる力
2.鉛筆を持ち、文字(直線や曲線)が書ける力
この2つの力が備わっているかどうかがカギになります。

まず1つ目の目安「しりとりなどの言葉遊びができる力」について。
しりとりは、
①単語をかなの単位に分けられる
たとえば、「りんご」という単語を聞いて、「り / ん / ご」という3つの小さな音の単位に分解できる
②はじめの音とおわりの音がわかる
その中から最後の音「ご」を抽出し、その音「ご」から始まる単語を考えられる
ことができないと遊ぶことができません。
このような「小さな単位の音を認識する力」がPhonicsを学ぶ時にも必要なのです。

2つ目の目安「鉛筆を持ち、文字(直線や曲線)が書ける力」について。
これには、目で見て文字の形を認識する力や、手指の器用さ、鉛筆を思いのままに運んだり筆圧を上手にコントロールしたりする筋力などが必要になります。

Phonicsを学ぶのに必要なこの2つの力は、環境や本人の関心などによって個人差はあるものの、だいたい5歳ころ(年中長)に備わってくるそうです。
つまり、Phonicsの適齢期は5歳以降と言えます。

結論!

Phonicsとは話し言葉である英語を、文字につなげるための読み書き指導法です。
英語も言語。自然な言語習得の過程に沿って、まずは本物の英語のリズム、英語の音に触れる機会をたくさん作ってあげて下さい。そして時期が来たら、Phonicsで英語の音と文字をつなげていきましょう!しっかりした土台がある子は、スムーズに英語の読み書きを習得していけますよ☺︎


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