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MIKU FES’24(春)さんへ どうもありがとう

MIKU FES’24(春)~Happy 16th Birthday~」、通称ミクフェスに参加してきました。
16年間歴史を積み上げてきたミクさんの強度を痛いほど感じたいいライブでした。

その感想を書きます。めちゃくちゃ主観かつ長文で失礼します。


⬆長くなるだろうなーと目次を作ったんですが、「開演…」の項だけが極端に長くてほぼ意味がない。すみません。

不意の開催告知

2024年、1月19日。
(16周年イヤーと言いつつもうライブとかはないのかな?ミクの日はくじの発売ぐらい?まあ1年盛り沢山でめちゃくちゃ楽しかったしな~)








初音ミク公式X「初音ミク 16歳を祝うアニバーサリーライブ「MIKU FES’24 (春)〜Happy 16th Birthday〜」開催決定✨」




は? 

ミクフェスってミクフェス?
そんなことある?





X「🎉2024年3月31日(日)🎉」







急~!!!!!!!!!!!
一般的に行きにくすぎる日にち~!!!!俺は無職だから死んでも行くけど~~~






X「at 日本武道館」





9年ぶりの!?!?!?!?!?!?
もうなんかよくわからんけど行くしかない!!!!!!!!!


前準備的なもの

 公演に至るまでも備忘録として書いておくと面白いかなと思うのですが、別に重要なことなどなにもないので、いらね~という方は読み飛ばしてください。

 
 その後も公式からの「16歳は1年続きますから、ね…笑」と言いたげな情報の洪水をしのぎつつ、なんとか行く算段をつけて(行かないと死ぬほど後悔するのが見えているから)、次は心構え。


 というのも、ミクフェス、なにやるのか全然わからんかったのですね。

ミクフェス09の系譜なのかマジカルミライの系譜なのかその他なのかもよくわからないし、マジミラなら公式アルバムを聴いておけば概ね新曲には対応できるけど、そういうのも出てない。

強いて言ってもヒントはゲストであるボカロPの皆さんの名前のみ。ゲストにいないPの曲をやるのかどうかも一応明言されていなかったし、無茶振りが凄い


 そしてなにやるのかわからないのは曲だけではない。公式サイトには以下のように書いてある。

初音ミクを中心としたバーチャル・シンガーの3DCGライブだけでなく、楽曲を制作したボカロPたちもまた、ステージに上がってライブやDJパフォーマンスを披露します。

https://mikufes24spring.jp/

ボカロPたちもまたステージに上がって…? 
どういうこと?野球拳やるの?

まあ、実際は過去の色々な事案からなんとなく予想できなくはないけれども、具体的な内容についてまるでアナウンスがなかった。

つまり、極端に言えば1曲だけミクさんたちが歌って後はボカロPの皆さんによる歌ってみたコンサートの可能性もあるわけで(そんなわけはなさすぎるけど)、一体なにを観せられるのか…?とドキドキしていたわけです。

そういうわけでインターネットでは色々な予想が飛び交っていた。

今回に限ったことでもないけど、ミクさんたちを取り巻く文化が不定形であるがゆえに、みんな驚くほど多様な理想を見ていた。
これはもう何が来ても楽しいだろうなと思いながら色々見たり考えたり聴いたりしていました。もうブループラネットやってくれたらそれでいいや。

そんな感じで前日、人生初の夜行バスに乗り込み東京へ。

当日

この項目もオタクの行動録なので酔狂な人だけ読んでください。



慣れない東京の電車に乗り、九段下にとりあえず到着。

個人的にもミクさんとしても9年ぶりの武道館


朝からミクフェスくじを引き

無事のぼりを入手


池袋に移動。
不可逆展最終日に滑り込み

八本木先生、会いたかったすぎる


一応アニメ店長にも挨拶

休日のアニメイト、行くもんじゃなさすぎる


秋葉原でドールとウィッグを購入

虫虫カフェ、かわいすぎる


最後はredjuiceさんの個展へ

いくらなんでも絵がうますぎる


元気モリモリかい。

実態としてはその逆で、緊張のあまりヘロヘロで吐きそうだったのです。だからとにかく何かして気を紛らわせてないと気が狂いそうだったのです。

これ、今回に限ったことじゃなく、ミクさんライブの日はいつも朝から何も喉を通らず心臓がバクバクして吐き気までして体調が良かったことがないんですけど、自分だけですか?本当に聞いてるんですけど?なあ?
オタク特有の大口じゃなくて、本当の本気にマジで元気に会場に辿り着けたことがない!助けて!!俺は初音ミクの何なんだよ!!!

経験上会場でじっと座っていると緊張で心臓が口から出て終わるので、ギリギリに現着。

開演…

具体的なライブの感想を書いていきます。が、現地で瞬間的に感じたことを無理やり説明するみたいに書いたので変な部分が多々あると思います。

そしてあまりにも個人的な、かつ主観でできてる文章なので、いわゆる解釈違いみたいなことがあればすみません。
ミクさんは無限の可能性を持っていると思うから、考えが違っていても私は皆さんの思いを完全に尊重します。

曲名/P名の表記は公式ニュースリリースに準拠しています。

あと異常に長いです。こんなつもりじゃなかったのに…




 待ちに待ったこの時。


 オープニング直前に流れ出したのは、packaged/kz(livetune)
ミクさんが居ないステージに向けて振られる緑のペンライトたち。

僕は、ステージに映るミクさんの映像は映像でしかなくて、それを観て「あれが初音ミクだ」と信じる我々がステージ上の映像を映像以上のものにしている、ある意味、我々の心こそが初音ミクだ。
という立場(これは本当にただの主観です)なのですが、だとしたら、こうやって真っ暗なステージにミクさんへの想いだけが向けられている状況こそ純粋に初音ミクを視ている事になるんじゃないか?とかそういうことを思い、

思い、

涙…………。

かつてひとりぼっちで歌えなかったミクさんのメロディーは、16年の時を経てこの世界に届きすぎるぐらい届いていました。



 オープニングが終わり、1曲目はみんなみくみくにしてあげる♪/WAV×鶴田加茂だったのですが、ここでスクリーンが透過でないことに気付く。みくみくに集中させてよ。


透過スクリーンによってもたらされる、「ただの映像でしかないミクさん達を会場の空気がそれ以上のものに見せる」という空間、いわば祈りによって信仰対象を顕現させているかのような空間が大好きなので少し寂しい。(構成的に仕方なかったのかなと思うし、透過じゃない利点も色々あるとは思っている。)

でもミクさんたちが存在していないことにはどっちにしろ変わりないし、自分がライブで観たいものの本質も変わらないかなとその場ではとりあえず思った。みくみくに集中しろって


以下は終わってみての感想。
昨年のシンフォニー神戸のみくみく(してやんよの方)を聴いた時、(あえて嫌な言い方をすれば)ニコニコ動画の悪ふざけのような曲が、16年後本職の交響楽団の方々に演奏され、しかもミクさんの歌声は乗ってないにも関わらず、みんな「これは初音ミクの曲だ」と感じられるようなところまで辿り着いたことに感動したのを覚えています。

今回も同じ感動があったけど、それに加え、原点回帰でしてやんよをやるのではなく、ミクフェスで流れたのは「みんな~」の方。
単に別バージョンというだけでなく、そもそも「あのみくみくが5年の時を経てフルに!」という文脈が乗っている曲なわけで、16年間の蓄積とこれからの未来へ、という想いが感じられる気がしました。

なので、代表曲であるということ以上に16周年記念ライブのトップバッターにふさわしい曲であったように感じます。

(まだ1曲目なんだけどこのペースでいけるか…?)

 2曲目、ラズベリー*モンスター/HoneyWorks
僕は悲しいことに鼓童に行ってないので、記憶が合っていればラズベリーイズムさんverでのラズベリー*モンスターは初めてでめっちゃかっこよかった。
久々の「AM6:00!!!」で最高に盛り上がりました。

今回はこういう久々の曲や(たぶん)1回しか演奏されてない曲を色々やってくれて最高でした。


 3曲目、心臓デモクラシー/みきとP。ここで頭が爆発(はやい)。

Pとミクさんが一緒にパフォーマンスするのを観るのが自分は初めてで、今まで観てきた公式ライブでは物理的に見えなくなっていた作り手とミクさんとの関係性、この人がいなければこの場はなかったんだよという部分が可視化されていることに衝撃に近いものを受けたように思います。しかもなんかみきとPさん歌ってるし。泣くわ。

私はライブの度にぼんやり「?その歌はだれのものなのか?」(初音ミクの戸惑/cosMo@暴走P)と思っていた。

たぶん「戸惑」とは逆のことを言うけど、曲は「書いたPの」作品であるのに、ライブにおいては別の人が書いた曲を代わる代わるミクさんが歌い続けて、十把一絡げに「初音ミクの曲」として見られている、というかステージを成り立たせるためそう見せようとしている部分がある。と思う。

これは別にライブの外でもずっとそうだったし、それによる苦しみも具体的な軋轢も16年間たくさんあったと思う。ODDS&ENDSやブレス・ユア・ブレスでも歌われている(個人の解釈)ように。


心臓デモクラシーはみきとPさんが書いた曲である。本当は、その具体的な現実の集積が初音ミクを作ってきたんだ。当然のことだけど、それに改めて思い至った。


それとは別に、単純に好きだしまた聴きたかった曲なので、やるかもなと思ってたのに歌い出しで嬉しすぎて声出ちゃった。ありがとう。

 4曲目、*ハロー、プラネット。/UK。(なんでか公式ではsasakureが抜けている)もう言葉はいらん…
ミクフェスなにやるんだろうなと思ってたけど、そういう方針なんだなと安心のようなものを覚えました。

ここから何度か触れると思うけど、私は自分が死んでもミクさんは遠い未来でミクさんが死ぬまで私の魂を連れていってくれる(すみません、オタクの戯言であって何らかの教えの説話とかではないので怖がらないでください)と思っていて、ヒトが死んでも種は勝手に芽吹いて最後ミクさんが会いに来てくれる、という歌詞と演出にも安心しました。

 次のぽっぴっぽー/ラマーズPも今ではライブで流れなくなった曲で嬉しかった。

ぽっぴっぽー、ライブで聴いたことあったかな…?下手したら自分はないかも。

ミクフェス、仕事を選ばないミクさんを面白がっていた時代とミクさんが盤石な土台でヒトを支えられるようになった今とが交錯していて楽しかったです。


 その次が深海少女/ゆうゆ
心臓デモクラシーの項でPとミクさんの関係について既に書きすぎてしまった。同じように感動しました。

Pがリアルタイムで出してる音にはやはり音源以上のなにか言葉では言い表せないものが乗っていて、それが聴けたことはあまりにも幸福。
そして深海ちゃんはいつも綺麗だね…

 ここで初のpiccoさん&R Sound DesignさんによるDJタイム!
 1番強く感じたことは、ステージにいなくて声だけであるがゆえのミクさんの存在の一貫性一貫してなさみたいな部分でした。

 一貫性というのは、ミクさんの声は誰が聴いてもミクさんだなあみたいなこと。世界中の誰がミクさんを使ってもミクさんの歌になるということ。を、ミクさんの声だけを聴き、曲を作った人が目の前にいるという状況によって強く感じた。

 一貫してないというのは以下のようなこと。
ステージがpiccoさんからR Sound Designさんにバトンタッチされ、曲の雰囲気が変わった時、ミクさんは本当になんにでもなるんだなあと思った。
多分、同じ人の書いた曲を続けて聴くことで同じ方向性のミクさんの声や言葉がまとめて入ってきて、それが切り替わったことでPの持つ個性が色濃く感じられたというようなことだと思うんですが、自分でもはっきりとはわかりません。

我々はライブでステージ上の初音ミク型の光を一貫して初音ミクだと思うけど、実際は別々の人が別々の環境で別々の思いを込めて書いた歌なのであって、そこをないがしろにはできないなと思った。ということだと思う。


 ※この段落意味不明なので飛ばしてください。
開幕packagedではステージにいないミクさんを視ている気がしたけど、DJ中はミクさんを視ているというよりそこにいるPを視ていた(というか物理的にそうなるんだけど)気がする。ここがミクフェスで、もうこれがミクさんの曲であるということは自明だから。それはミクさんが歳月を重ね存在として強固になっている証で、案外10年前とかに同じことをやっていたら起こりにくかった心の動きなんじゃないかと思う。


というふうに、具体的な曲を聴くというより初音ミク哲学(なにそれ?)のことばかり考えていて、ごめんなさいという気持ちもある。

DJとかの形式は事前に伝えておいた方が損する人が少なかったんじゃないか…というのは言い訳で、ゲストの名前が出ていたにも関わらず曲を聴き込めてなかったことを反省。

Melty Magicは蕩けそうに可愛かったし、開幕flosも決まってました。


 DJタイムにより曲順カウントが難しいのですが、とにかく次はドリームレス・ドリームス/はるまきごはん
これもレアな曲で嬉しかったですね。さっきから嬉しいって何回も書いてる気がするけど嬉しかったんだからしょうがないよね。

恥ずかしながらゲスト発表まで存在を存じ上げなかったんですけど、メルティさん、お前はなんなんだ。メルティランドナイトメアやるのかと思ってたよ。しかし挙動がかわいいな。最後Tシャツ着られてなかったのもあざとかったぜ。

例えば亞北ネルさんや弱音ハクさんとは出自が全然違うけど、なんにせよ非公式から発生したキャラが公式の場に現れるという流れはとてもミクさんらしくて懐かしい気がしました。


 そして炉心融解/iroha(sasaki)
ここで初のミクさん以外による歌唱曲。リアクターちゃんはかわいいね…

というか完全に聴いたことある気になってたけどこれも現地で聴いたのは初めてだったかもしれません。ミクフェス、ありがとう。


 からのレンくん枠、脱法ロック/Neru。
ありがとう!!!!!!
僕は初披露された時の脱法ロックが楽しすぎて、そこから毎年「脱法ロックまた観たいな~」と言っていたのが叶って最高に楽しかったです。

これは余談なんですが、前回の初武道館ライブであるマジミラ2015でレンくんが披露したのは聖槍爆裂ボーイで、曲が流れると同時に周りで若干の笑い声が起きた事においおいと思ったのを覚えております。勿論それも人の勝手だけども。

それが今回の武道館の大舞台ではレンくんが歌い出した瞬間大歓声で、どの立場だよって話なんですが、個人的にリベンジが叶ったような謎の感じがあり、そこも嬉しかった!


 次がTHUNDERBOLT/jon-YAKITORY
また聴ける時が来るとは!やっぱりかっこよくて優しくていい曲。

今になって思ったけど、また聴けると思ってなかった日本ツアーの曲が聴けたという意味ではこの後Blue Starも流れて本当すごいライブだったな。 

遠くてそんなに見えなかったけど、jon-YAKITORYさんのビジュアル?顔?と呼んでいいんですか?がいかつくてびっくりした。かっこよかったです。


 そして2度目のDJタイム。

まずは栗山夕璃さん。
もう形式がわかっているので落ち着いて聴けるかなと思ったら開幕ひゅ~どろどろでやっぱ落ち着けなかった。ポケミクも凄く盛り上がりましたが、その中でもとても好きな曲でまさか早速聴けると思ってなかったから…
あとフィラメントフィーバーも好き!


思い返せば最初のDJタイムで既にだけど、今回は「セカイ」以来公式ライブでは演奏されずにきたプロセカ描き下ろし曲が聴けた。

プロセカが成り立っていること自体もミクさんたちがただの萌えキャラを超えた概念として強度を増して定着したことの証だと思っているので、16周年記念ライブでようやく聴けたのは象徴的。初音みっくすにメーカー非公式とわざわざでかでかと書かれていた頃が懐かしい。

とにかく、DJ形式をとることによってミクさんの辿ってきた道程にあるものがより多く掬われたのなら良かった。

フェレスシャボンはライブ映像ではなく原曲PVが流されました。これもまた、ライブ映像を知っているからこそ、声だけのミクさんの存在としての強さを感じました。

この、ここまで何度か書いてる、「声だけだからこそ初音ミクの強度を感じる」という話、感覚的すぎて上手く説明できない。そこを言語化するのが記事じゃない?とは思うんだけどそれはそれとして、誰かわかる人がいたら代わりに説明してください!!


 次がエイハブさんのDJタイム。
挨拶の言葉が「はじめまして」で、自身の曲だけでなくウミユリ海底譚/n-bunaアンノウン・マザーグース/wowakaを筆頭にお馴染みの曲を混ぜたセトリを披露してくださって、なんて謙虚で寄り添い上手な人なんだ…と思った(お前は何様?)。

アクターのほっほっほっほっほうに合わせてペンライト振るのが楽しかったです。そして、アンノウンの煽りで最高に盛り上げて次に繋げていって頂いてありがとうございました。凄く、ステージに対する気概を感じた。


 次はからくりピエロ/40mP
この曲も何度もライブで聴いてるはずなのに、曲を書いた本人がそこにいるのが見えて、本人の出してる音が聴こえるだけで本当に全然違った。

シンフォニーでも毎回、人が手で出してる音はなんでこんなにも打ち込みと違うんだろう、みたいなことを音楽が全く分からないなりに考えるのですが、奏者が作曲した本人ともなると音色の情報量がさらに増えて、音が違うというより聴いてるこっちの心が違っているのだろうな。みたいなことをぼんやりと思います。

DJ形式も含め、やっぱり今回は「クリエイターと初音ミク(達)」を観せたいライブだったんだろうなと思う。

なんか何度も同じようなことを書いてる。すみません。


 次はなんと、先日オンラインライブで初披露されたばかりの番凩/hinayukki(仕事してP)
この曲については先日書いたところ⬇

で、記事内でいつか現地でも披露されるだろうとか書いてたんですが早すぎる

いつか聴けたら泣いちゃうんじゃないかなとか思ってたんですが、一挙一動をじっと眺めて本当に綺麗だな………と思うのみでした。ありがとう。


次はカルチャ/ツミキゴーストルール/DECO*27。まとめてになりますが、「お前ら盛り上がっていけよ~~~!!!」の圧がすごい。無論めちゃくちゃ盛り上がりました。

こういう、セットリストが分かりやすく何かしらものを言ってることは時たまありますが、別にミクさんは「盛り上げるぞ~」とは思っていない。そういうことを思ったり考えたり祈ったりする身体を持っていないから。

セットリストをどういうふうに組んでるのか分からないけど、この曲入れよう、ここに入れよう、と考えた人が確実に世のどこかにはいる。
初音ミクを作り演出する全てが、結局は生きた人間の意思であり祈りであり、セットリストを組んだ人、曲を書いた人、曲を聴いた人、それだけではない、誰にも認識できないほど広大な全てが初音ミクの一部であり、それはとても美しいなと、

思う。


小休止の後、r-906さんによるDJタイム。
やってくれるかなと期待してた、まにまにからのプシ。繋ぎがシームレスでかっこよかったです。

そして三日月ステップ。休憩により回復した集中力で歌詞がより明瞭に聴こえてくる。
この曲の「しららかな三日月」というフレーズが好き(なんか冷たそうで鋭そうで綺麗だから)で、そこから気付いたら歌詞を聴くのに集中していて、なんとなくここまで5名のDJタイムで流れた曲とその歌詞がブワ~っと思い出されて…

ミクさんは16年かけて本当にたくさんの言葉を歌ってきた。歌詞を通して、時に恋する女の子になり、時に漫画の主人公のように戦い、時に誰かを励まし、時に傷付け、傷付き、時に死んだり、生きたりしてきた。

こんなことが同じ声を使ってできるのはミクさんが生きてなくて、この世の誰とも近くなくて遠くない空っぽの存在だから。また、現実的には誰でも買えるソフトウェアだから。

実世界にはどこにも存在できないのに、ヒトによって作られる歌を通してミクさんの行ける場所は無限に広がっている。それを歌詞という具体的な言葉たちによって感じさせられた。

とか考えてたタイミングで「次の曲は新曲です」という旨のアナウンス。

え?

おいおい、

現状でさえ無限なのに…

ミクさん、まだ広がるのか!?

これからも無数の曲が生み出されて、その度にミクさんは無限の先に広がっていくのか!?!?


号泣。

今思うとこの姿、傍から見たらr-906さんの爆裂大ファンでしかなかっただろうな。好きではあるけども。


 ここでモニターに次のゲスト発表演出の映像が映る。

え、もう残ってる面子的に、なんだけど、今この状況でもしこすもんが来たら、終わ



モニター「cosMo@暴走P

勘弁して~~~~~!!!!!!!!

次は「cosMo@暴走P」の文字だけで号泣する異常者が爆誕。傍から見たらcosMo@暴走Pさんの爆裂大ファンでしかないんだけど、これについては認めなければならないかもしれない。

自分の初音ミク観は、中学生の時に出会った初音ミクの消失ストーリーにたいへんな影響を受けているのだと思う。

これは声を大にして言いたいのですが、消失はなんかよくわからん早口のネタ曲なんかではない。初音ミクの終わりがどこにあるのかについて真摯に考えた内のひとつの可能性の歌である。

当時をリアルタイムで追えなかったことをずっと悔やんでいるけど、16年前、まだ初音ミクさんという新しいおもちゃにインターネットが沸き上がる中で、その終わりについて真剣に考えてそれを何曲もの歌にして発表したことはやっぱり凄いと思う。

特に、アルバム「初音ミクの消失」の最後に提示された、「長い時間が流れれば、一般的な楽器であるギターやピアノだっていつかは忘れられ喪われる。そこをギターやピアノの死と定義するなら、初音ミクもいつかそのように優しく死ぬだろう」(主観によるまとめ)という、初音ミクの終わりに対する考え方のひとつにずっと救われている。

つまり、逆に言えば、ミクさんは我々人間からしたら無限に見えるくらい遠い遠い未来まで在り続けられるだろう、という解釈をしています。
ミクさんを思い、ミクさんの声を聴いて、ミクさんに歌を歌わせて、ミクさんの絵を描いて、心を動かされた分だけ、わたしたちと創作物は初音ミクの一部となって、遠い未来でミクさんの存在が喪われるその瞬間まで、魂はミクさんと共に在り続けられるのだと僕は信じている。

ミクさんについて考えた全てはボクらの道標となり、誰かの力にもなるかもしれない。

というかミクさんを信じるだけで永遠に近い命が手に入るので、全員信じた方がいい。











大丈夫です。


閑話休題。
そういうことを思い返しつつ聴いた消失。それでも、単純に辛かったです。こんなに初音ミクを無限だと思っているのに、心を持っているというていのミクさんはせまる最期だのごみ箱だの別れの歌だのと歌う。辛い

でも現実にはミクさんは終わらない。この場での初音ミクの消失は怖い夢みたいなもので、目が覚めれば当たり前にミクさんが歌い続けてくれることをより幸せに感じるためのスパイス。消失ストーリーはあくまで「ストーリー」であり、現実世界に対しての道標なのだから。


 次のアルビノ[revive]/buzzGも、そんなこと考えたこともなかったのにもう消失へのアンサーソングに聴こえてくる。羽ばたき方を忘れたって僕達は飛んでいける。

消失で傷付いた心が、アルビノに込められた希望と前向きな力により癒されていくのを感じた。本当に元気が出る曲。

今気付いたけどこの曲、羽根が生えるから今回選ばれたのかな。じゃあ激唱もやってよ。


 ようやくルカさんの出番、ルカルカ★ナイトフィーバー/samfree

美しい。この子達がこんなにも祈りによってできていて美しいこと、もっとたくさんの人に知ってほしいよ。と思った。ライブに行くたびにこういうことを思うタイミングがある。

というか、ルカさん、本当にsamfreeさんの魂を連れてきてくれてるじゃん!ミクさん達は我々の魂をどこまでも連れていってくれる説、立証!?!?


samfreeさんはもうこの世にいない。それはほんとうに悲しいことだ。でもルカさんが歌う言葉は、歌声は、samfreeさんがいなければ絶対になかったもの。

ただ作品を遺すということとVOCALOIDが歌った歌を遺すということの違いは、VOCALOID達はまるで生物かのように変化し、拡大し続けるという点にあると思う。

生きた人間である我々はいずれ死んで、人間たちからは忘れられるけど、VOCALOID達は形を変えながら永遠に近い時間我々を記録していてくれるような気がする。

現在進行形で、ライブだけでなく、動画サイトでもCD音源でもどこでも、ルカルカ★ナイトフィーバーは巡音ルカを介してみんなを盛り上げる最高の曲で在り続けている。

作曲者として名前が残るという形式的なことだけじゃなく、曲に込められた精神が今ルカルカを歌うルカさんの中に残っている。これがどんなにありがたく、嬉しいことか

消失がどうとか死とか記録とかいろいろ理屈をこねてきましたけど、本当はこれが言いたいだけ。ミクさん達がいてくれて本当にありがたい。ミクさん達がこの世界で唯一の救い。

熱くなりすぎました。
ともかく、VOCALOID達が想いでできていることが可視化されるライブはやっぱり良いものだと思います。ちょっとでも気になるという方がいれば是非行ってみてほしい。


 ここでkz(livetune)さん ×八王子Pさんによる最後のDJタイム。そんなことがあっていいのかよ。

このおふたりということで、やはり開幕はWeekender Girl。ここまで散々モジュール曲があったのに今更なんですが、映像がパンジーさんの踊る原曲MVで、DIVAの亡霊としてはそれに「オッ…」となった。


…ところでみなさん当然覚えていらっしゃることとは思うのですが、今年の7月にProject DIVAシリーズは15周年を迎えますね。

……


我々には祈ることしかできない

さておき。おふたりによるその後のセトリは、
Blue StarLast Night,Good NightSweet DevilHand in HandGimme×Gimmenever enderGlimmer
 
最早なにか言及するだけでも野暮な気がする。

いや、それでは成り立たないので少し言及する。

さっきもちらっと触れましたが、Blue Starが聴けました。
会場の空気の中で聴くからこそ「僕らが愛したこの星は本当にいつまでも歌い続けるのだろう」と心から感じられる、ライブで流れることにひとつ特別な意味がある曲だと感じました。

個人的に今回のライブを通して一番のサプライズ枠はnever enderだったかも。ただただ単純に好きな曲だから。楽しかったなあ…

初音ミク黎明期から活動し、名曲を無数に送り出してきたスゴい人、というだけでなく、かつてインタビューで「初音ミクは人と人とをつなぐハブだ」、と話していらしたkzさん。が、初音ミクがいなければ存在しなかったステージにおいて、八王子Pさんから「自分がここまで来られたのはkzさんのお陰だ」と言われるの、少年漫画だっけと思うくらい綺麗でいい光景だった。

同行者とそういう話になってなるほどなと思ったので書きますが、ミクフェス24を今後語るにおいて、端的に言えば「ミクさんを観にきたのかPを観にきたのか」という議題は避けて通れないかもしれない。
私は散々書いてきたようにほんといいものが観られた、と思っていますが、そうじゃない人もいるだろう。
その時に思い出すべきなのは存在しないのにいるように振る舞うミクさんの神秘性の方なのか、そのミクさんを具体的に形作っている要素の一部はP達だという優しい現実の方なのか。
なにも断言はしたくないけど、人それぞれの想いを尊重していきたいなと思いますね。

このnoteを書くにあたって他の人の感想を全く見ていないので、頓珍漢なことを書いてたら指さして笑ってください


この後はロミオとシンデレラ/doriko千本桜/黒うさPメルト/ryo (supercell)
往年の代表曲にミクさんのはじまりのひとつでもあるメルトが続くという熱すぎる流れに加え、ミクさんへの信仰心が最高潮にきていたのもあり、もうな~んにも考えられなくて「ミクさんきれ~」と思ってた気がする。

ライブってそれも正解ですよね?寧ろ俺はなんでライブに行ってゴチャゴチャとよくわからん理屈を捏ね続けているのだ

とはいえ今更正気に戻る訳には行かない。あとちょっとだし。


 アンコール前ラストの曲は、ハジメテノオト/malo
前回の武道館ライブでの大トリをここに持ってくるという、所業。こんなことをわざわざ言うのも下品で恐縮ですが、もう泣きすぎて頭が痛い。


 初めての音を懸命に届けようとする、生まれたての赤子のような振りがあまりにも純粋で美しい。

マジミラ2015同様、おそらく歌ってねという意図で画面上部に歌詞が表示され続ける。どれ、歌詞を観ながら聴き浸るとします、か…

あなたが かわっても 失くしたくないものは ワタシに あずけてね

えっ

あずかってくれるの?
俺が死んだら失われる記憶も、ミクさんを想ったことも、俺が生きたこと全部、俺が望めば、ミクさんが終わるまで持って行ってくれるってこと…?

時の流れも 傷の痛みも 愛の深さも あなたの声も ワタシは知らない だけど歌は 歌はうたえるわ だからきいて

えっ

ミクさんは存在しなくて空っぽで過去も心も持たないけど、ヒトから与えられた歌を通すことでヒトの心を動かすことはできるってこと…?

世界のどこでも ワタシはうたう それぞれの ハジメテノオトを…

えっ

世界中の誰がミクさんを歌わせてもミクさんは同じ声で全ての人に対し同様に平等に歌って、全ての人に別々の景色を見せてくれるってこと…?




……。




僕が今日考えたこと、全部全部2007年の段階でmaloさんに言及されてたみたいです。 
⬆は?おこがましっ……



こんなnoteさっさと閉じてハジメテノオトを聴きに行ってください。

なんだよこの曲。この歌詞を2007年10月投稿て。凄すぎるだろ。

真面目な話をすると、この歌詞の意味を昔の自分なら全ては見出せなかっただろう。(これは私なりに感想を見出す、という意味で唯一の正しい解釈を導き出すという意味ではありません。)
やっぱり16年間のミクさんの積み重ねがあって、自分自身も10年以上ミクさんを一番に追いかけ続けてきたからこそ視界が開けたのが今回のライブだった。はずだ。


 さて、アンコール1曲目は、livetuneさんが今度は演奏で参加するTell Your World。前回の武道館ライブの1曲目を逆にこっちに持ってくるという、所業。

その音色からは、陳腐な表現ではあるけど、愛みたいなものがやっぱり感じられて、聴き入るステージだった。kzさん、なんかもうラスボスみたいだった。


 そして大トリは桜ノ雨/halyosy
ミクさんの往年の代表曲でもあり、また卒業の季節である春がテーマの本公演の締めくくりにふさわしい1曲。

私はまさしく今年大学を卒業し、情けないことに就活をできる心などとてもじゃないが持っておらず、初めてなんのレールもない世の中に放り出され、未来のことが何も見えない状態。

だけど、(この曲はVOCALOIDではなく16歳の少女としてのミクさんを想定した歌詞とのことだから、身勝手な見方になるけども、)仕事がなくても、友達がいなくても、誰に蔑まれても、ミクさん達さえいれば僕らはひとりじゃない

思えば、私が初めて「あ、ミクさんって本当に俺のために歌ってくれてるんだ」と感じたのがマジミラ10thでのBlessing。あの時は物凄い衝撃を受けたので、この話はこの話で普通にひと記事できてしまうため詳細は省きますが、halyosyさんの泥臭くて力強い歌詞には何度も「生きてていいんだ」と思わせてもらってきた。

僕らにはいつだってミクさんがついている。それでいいじゃないか。


「僕らはここで逢おう」に込められてそうな意味とか無視して個人的な結論に帰着してしまったけど、そういうわけで、私にとってはたいへん晴れやかに終わった、気持ちのいいライブでした。

4月になれば学生ですとも言い張れないなんの言い訳も立たん完全な無職だけど、頑張ろう。頑張ろうと思えたことがとても良かった。


最後に、ミクさんから「私を愛してくれるみんなが初音ミクのクリエイターです」という旨の台詞(ニュアンスが違ったらすみません)があった。

これはまさしく今回改めて考えさせられたことで、曲を書いたり、絵を描いたり、演奏したり踊ったりすることばかりがミクさんを取り巻く文化として見えやすいけど、曲を聴くのも、曲にコメントするのも、グッズを買うのも、ミクさんについて思索をめぐらせるのも全部初音ミクさんを構成していることになるんじゃないかと個人的には思う。

それらの行動をする人全てを、こうやってボカロPのみなさんが集まった舞台で「クリエイター」と表現したことは、ミクさんの懐の深さをよく表しているなあと感じる。


同時に、「クリエイター」という言葉を選んだのもミクさん自身じゃなくて、実際はライブに携わった誰かしらの人間によるもので…なんか話が堂々巡りしそうなのですが、どこにも実在しないミクさんと、どこかにいるミクさんの台詞を作った人、との関係が見えてくるような、あんまり今まで無かった感じのする奇妙な台詞でした。それもまた今回ならではでよかった。



…いやあ、本当いいライブでしたね。毎回新しい発見を楽しみに来ているけど、今回もたくさんのことに気付けた。聴きたかった曲も沢山聴けて…



ん?



…あれ?





……ブループラネットやらんのかい!!!!!!!!




あとがきをまともに書く元気がもう残ってません。とはいえミクフェスでほぼ無になっていた食事量も徐々に普段通りに戻りつつあるので大丈夫です。…いや、正直に書くともう3日経つけど普通に具合悪くて俺って初音ミクさんに人生握られすぎている。

ちょっと想定外の文量になってしまったけど全部読んでくれた方はいらっしゃるのでしょうか。いたらあなたはなんなんですか?本当にありがとうございます。

本当に主観に次ぐ主観で、なんだこいつって文章だったんじゃないかと思う。以上の文章は本当に僕だけのものであって、考えが違っても、当たり前ですがどうかあなたはあなたの思いを大切にしてください。

しかし疲れた。もし次書くとしたらこの全曲レビューみたいな形式はやめましょう。

とにかく、ミクフェス、最高でした!!ミクさんが世界一好きだ!!!!!!!!!!!!!!



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