涼原永美

中学生と小学生2児の母。40代。編集者兼ライターとして出版業界に15年いた私が家事育児…

涼原永美

中学生と小学生2児の母。40代。編集者兼ライターとして出版業界に15年いた私が家事育児に10年専念して気づいたこと…を中心に書いています。本はおもしろい!と子どもに達に伝えたい。個人的には筋金入りのミステリーマニア。また、1人娘と引き離されたまま無念死した姉の話も少々。

マガジン

  • 何を考え、何を考えなかったか、結果と経過が今の顔

    自己紹介とあれこれエッセイです。これまで何を考えて生きてきたかは、同時に何を考えないで生きてきたかと同じだなぁと、この年になって思います。とはいえまだ経過、これからこれから・・・だといいな。

  • 推理小説の実写化と原作愛

    な、なんだって~!2024年3月に「十角館の殺人」の実写ドラマが配信されるという一報を聞いてから夜も眠れない。実写化された数々の推理小説からハッピーやアンハッピーを受け取ってきたミステリー大好きの私が、「原作愛」の有無に関して感じることの多かった映像作品について語ります。そこには無念あり、歓喜あり、微妙あり。好きな方が作ってくださった映像作品って、わかるものです。

  • 5歳頃から積読本と暮らすのが「本読む子」への最短ルートでした

    「私は読書が苦手、でも子どもには本好きになってほしい。どうしたらいいかな」・・・10年前に子育てサロンで出会ったママさんの願い。その時はうまく答えてあげられなかったけれど、今ならわかるーー子どもはまず「目の前のもの」に手を伸ばし、「自分で選ぶ」を楽しみ、積み重ねで「自分の体験」にしていきますーーあれこれ悩むよりまず「つんどく本」と暮らすことが「読む子」への最短ルートかも・・・という提案。

  • 〝デジ力〟の前に〝読書の筋力〟ー5歳頃からの本好き大作戦

    ゲームや動画に漬かる前に「本好き」になるのがいちばん効率的!10冊読んで3冊選ぶ・・・を繰り返すうちにその子が「本当に好きな本」がわかります。子どもと本の関係に興味がある方に。

  • あいをつたえるこに&よむこそだて

    「愛」「I」「哀」「相」「会」・・・子育て中はいろんな「あい」に日々出会う。わたしは「あい」を伝える、子に。そしてあなたは「あいを伝える子」になりますようにーーあいをこめた日々雑感と、「読む子」育て、「読む」子育てのエッセイです。わたしにとって読書を伝えるのは子に「あい」を伝えることでもあります。

最近の記事

  • 固定された記事

〈手記1〉余命ゼロの姉、スローな調停で子に会えず、無念死[前編]

※数字や名前は架空のものが混在していますが、ほぼ実話です ※親権問題について考える前に、親権以前の問題について考えていただけたら幸いです。離婚や親権の話にすら行きつかず、子どもに会えないまま人生を終えた親の話です [1]姉の年上になった日 「日本の空は電線が」と憂いた君の美的センスその空へ逝く  令和が始まり、しばらく時間が過ぎたある日、私は姉の生きた年月を超えて生きていることに気づいた。  姉の、年上になってしまった。  それからは、姉が生きたかった「明日」を

    • 【映画】人はいつから何者かになるのだろう…『フラッシュダンス』の「やり直します」に何度も胸が熱くなる理由

      夢を捨てない、最後は自分 【フラッシュダンス】 (1983年/アメリカ/監督エイドリアン・ライン) ■ジャンル/ダンス、青春、恋愛 ■誰でも楽しめる度/★★★★☆(ダンスにまったく興味のない人以外なら) ■後味の良さ/★★★★★(爽快) (個人の感想です) ※以下、映画の内容にふれます ************** (1)『What a feeling』といえば『フラッシュダンス』、『フラッシュダンス』といえば『What a feeling』なんだもの    この

      • 【映画】『恋人たちの予感』は教えてくれた…「I love you」は大事なんかじゃない、急務なんだってこと

        長年の友だからこその最高の告白! 【恋人たちの予感】(1989年/アメリカ/監督ロブ・ライナー) ■ジャンル/恋愛、コメディ ■誰でも楽しめる度/★★★★☆(18歳以上がいいかな・・・) ■後味の良さ/★★★★★(最高!) (個人の感想です) ※以下、映画の内容にふれます *******************  ラブコメ、というジャンルの映画は数え切れないくらいあるけれど、私がいちばんと言っていいくらい好きなのは、この『恋人たちの予感』。    原題は『When

        • 【映画】12歳の時『スタンド・バイ・ミー』を観て私の映画人生は始まった

          掛け値なしの思いやりをくれた人 【スタンド・バイ・ミー】(1986年/アメリカ/監督ロブ・ライナー) ■ジャンル/青春、友情、冒険 ■誰でも楽しめる度/★★★★★(マニア度低し) ■後味の良さ/★★★☆☆(もの悲しいが、しみじみとした感動) (個人の感想です) ※以下、映画の内容にふれます ****************  映画が大好き。  でも、「いちばん好きな作品は?」と聞かれたら、邦画か洋画かによっても違うし、ジャンル別ならともかく、全体としてナンバー1を決

        • 固定された記事

        〈手記1〉余命ゼロの姉、スローな調停で子に会えず、無念死[前編]

        • 【映画】人はいつから何者かになるのだろう…『フラッシュダンス』の「やり直します」に何度も胸が熱くなる理由

        • 【映画】『恋人たちの予感』は教えてくれた…「I love you」は大事なんかじゃない、急務なんだってこと

        • 【映画】12歳の時『スタンド・バイ・ミー』を観て私の映画人生は始まった

        マガジン

        • 何を考え、何を考えなかったか、結果と経過が今の顔
          7本
        • 推理小説の実写化と原作愛
          10本
        • 5歳頃から積読本と暮らすのが「本読む子」への最短ルートでした
          32本
        • 〝デジ力〟の前に〝読書の筋力〟ー5歳頃からの本好き大作戦
          28本
        • あいをつたえるこに&よむこそだて
          7本
        • 余命ゼロの姉、スローな調停で子に会えず、無念死。
          7本

        記事

          【自己紹介】「ミステリー(推理小説)」「子の読書」「余命ゼロの姉」「大好きな映画」等について書いてます

           あらためまして。  notoをはじめて1年が経ちましたが、今さらながらみなさんの投稿を読んで、私もあらためて「自己紹介」というものを書いてみよう、と思いました。投稿したものが一定の数になったので、その整理の意味も込めて。  プロフィールにもありますが、出版業界で約15年働いたあと、家事育児に専念する生活を12年ほどおくっています。  もともとの「スキ」は、読書と映画。  もろもろ落ち着いたら本と映画の記事を中心に・・・と考えていましたが、子育て真っ最中のとき、同じく子

          【自己紹介】「ミステリー(推理小説)」「子の読書」「余命ゼロの姉」「大好きな映画」等について書いてます

          【主婦】家族専門の栄養士&看護師&心理士&事務員他として働いてるけど時に「無職」と言われたり

           今日は、ちょっとした疑問というか葛藤について。  じつはNHK朝ドラ『虎に翼』を観る前からずっと思ってきたことなのだけど、『虎に翼』で、いっそう強まった考えがあります。    それは――はて、主婦とはなんぞや? ということ。    ドラマの序盤では、弁護士を目指す寅子達との対比として、寅子の母はるや、兄嫁で親友でもある花江の、主婦(嫁)としての葛藤が描かれていました。    ドラマの舞台である昭和初期は、「男は外で稼ぎ、女は家を守る」のが常識的な考えだし、そもそも第

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          朝ドラ「はて?」で思い出す、25年前に受けた「駄洒落」の屈辱

           NHKの朝ドラ『虎に翼』を毎日楽しく観ている。   昭和初期という男尊女卑まっただなかの時代に弁護士を目指す主人公の寅子を、伊藤沙莉が好演。  そんな彼女が「はて?」と言うたびに、あぁ、私が歩いてきた道のりにも「はて?」があったな・・・と思い出すようになった。  寅子が「はて?」と言うのは、女性の生きづらさを感じたときや、女性の扱われ方に疑問を感じたときだ。  現実的にはこの時代にこうした疑問を持つという発想すらない人が多かったのだろうけど、ドラマとしてこういう視点は

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          本好き次女がハリポタを読めなかった本当の理由と、「子どもと本」に関する私の小さな気づき

           私は『ハリー・ポッター』シリーズが大好きです。    映画はもちろんですが、小説のほうは新作が1~2年ごとのペースで刊行されていた20代の頃に夢中になり、最終巻の7巻下巻は徹夜で読破。児童書とは思えない濃厚な人間ドラマと、ミステリーとしての見事な伏線回収に感動して涙したのを覚えています。  あの頃、仕事や人間関係に疲れ切り、大好きだった読書すらできなくなっていた私は、友人に勧められた『ハリー・ポッターと賢者の石』を、「騙されたと思って、本当に気軽に」めくってみたことで、ま

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          『十角館の殺人』を再読し改めて「これはミステリ好きほど騙されるわ!」と納得した理由

          ※『十角館の殺人』について思い切りネタバレするので未読・未見の方はご注意ください。   ――あぁ、おもしろかった。やっぱりすごい。  最近何かと、というか映像化で話題沸騰中の綾辻行人『十角館の殺人 新装改訂版』(講談社文庫/税別695円)を、久しぶりに読み返してみた。  それで思ったのは、あぁこれはミステリが好きな人ほどキレイに騙されるようにできているな、ということ。  いや、私だけなのか? どうだろう。  少なくともこの本を初めて読んだ20代前半 ―25年くらい前

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          亡き「じぃじ」と孫娘・最初で最後の麻雀大会「m(孫)リーグ」2023.夏

             2024年3月ーーつい先日、私の父が亡くなった。  もう長くないことはわかっていて、覚悟していたので、受けとめて精一杯みおくった。  もっとしてあげられることがあったんじゃないか・・・という、ありきたりな後悔を感じ、本当にもういないのだという当たり前の事実を確認しつつ、いま思い出すのは、夏の日の麻雀だ。  ーーもう外出もままならなくなっていた、去年の夏。    実家で静かに過ごす父のもとに私は、持ち運び用の麻雀セットを持っていき、当時小学6年の娘(父にとって孫娘

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          極度の心配性の私が小6娘の子育てで「潮時」を感じた瞬間と、小さな事件

             私は極度の心配性だ。  もともとなんでも悪いほうに考えてしまう傾向があるのだけれど、子どものこととなると、なおさら過剰になってしまう。  持って生まれた気質であるHSPは、親になってからというもの、子どもの安全や健康に対して強く向かうようになり、周りから「さすがに大丈夫でしょう」とあきれられるようなことも、日常茶飯事だった。  危機管理、という点ではよかった面もあるのだけど、なにかあるとすぐ「いま悲しい気持ちでいるんじゃないかな?」と子どものメンタルが気になってし

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          【片親疎外】が尚早なら【片親誹謗】【片親悪口】でいいから子どもの傷として可視化してほしい―確かにそこにある困難として

             いま、確かにそこにある問題として、ほかの心の傷や問題と同じように、「見える化」してほしいものがある。  自分の体験にもとづかないのに片方の親を「嫌い」「怖い」と思うことや、同居親から別居親の悪口を日常的に聞かされる痛みについてーーだ。  人格形成の途中にある子どもにとって、苦痛じゃないはずがない。 ***************** ・医学的見地や大規模調査がなくとも「親の悪口を聞くのが苦痛」なのは普通かと・・・  「片親疎外症候群」はまだ議論の途中で、不自然

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          【共同親権】そろそろ本質の話がしたい―大人が大人にならなければ子の痛みはどんな制度下でもなくならない

            ――親権以前の問題はどうするのだろう、と思うことがある。  いま、離婚後に共同親権を選べるよう、審議がすすんでいる。日本でも。  基本的にはいいことだ、そうするべきだと思う。  両親が離婚しても子どもは父、母と繋がりを持つことができるし、これまで理不尽に疎外されてきた片方の親、これから疎外されるかもしれない親にとっても、よい方向にむかっている。  それにもちろん、システムが整えば社会ががらりと変わることもあり、苦しみからある程度は開放される人もいるだろう。  ―

          【共同親権】そろそろ本質の話がしたい―大人が大人にならなければ子の痛みはどんな制度下でもなくならない

          【2024 本屋大賞】知念実希人『放課後ミステリクラブ』ノミネートが子どもの読書にどれ程の希望か小6娘に全力で伝えてみたら

           『放課後ミステリクラブ』(作・知念実希人/絵・Grin./ライツ社/税別1100円)、2024年本屋大賞ノミネート、おめでとうございます!  いろいろ嬉しいポイントがありすぎて、小学6年生の娘を相手に、この喜びをたっぷり語ってみました。 (作家名は敬称略とさせていただきます) (1)児童書が一般書と同じ土俵に立ってノミネートされるだけでどれだけ凄いことなのか! 母(私)「ちょっと聞いて! 今年の本屋大賞に知念実希人の『放課後ミステリクラブ』がノミネートされたんだって

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          どんな育児本より私が心で感じた言葉を子どもに伝えたら

          2024年3月現在。 長女は12歳、今年中学生になる。 次女は8歳。 さすがにもう、まるきりの子どもとは言えない。 心もからだもどんどん成長し、あたりまえだけど日々、 親とは違う人間になっていくのを実感している。 ――思えば、 長女が生まれてから10年くらい、子育て以外にもいろんなことがあり、 私には自分の時間というものが、ほぼなかった。 本が読めない。 せめて1日10分でも・・・と古い小説を手にしてみたが、 まったく頭に入らない。 それでも活字を見ていたい。 で

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          まさに奇跡の別物! 映画『砂の器』が邦画屈指の音楽映画でもある訳~ただ音楽が凄いとかそんな理由じゃない~

             推理小説の実写化についてあれこれ綴る、つづきです。  前回はこちら。 映画『罪の声』は原作の行間を的確に映像化した傑作~こんな人生があったかもしれないと思うこと~|涼原永美 (note.com)  (以下、作家や俳優名等は敬称略とさせていただきます)  実写化されるなら、原作が好きでたまらないか、原作の良さを最大限生かせる方に手掛けてほしい。ファンとしての切実なお願いだ。  そんなことを改めて思うのも、綾辻行人による傑作ミステリー『十角館の殺人』(講談社文庫/税別

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