4月、初見の変拍子。
「あぁ、いやだ。初見で演奏するってそもそも無理。その上、変拍子ってわけわからん。」
学生時代、吹奏楽部だった私は、初見(楽譜を配られて練習なしですぐに演奏すること)の合奏が憂鬱だった。今回はその上、変拍子の曲だ。
合奏がはじまった。
顧問の先生が振るタクトを追っていたら、楽譜ではどこを演奏しているのかさっぱりわからない。迷子だ。
とりあえず周りの音を聞いてみよう。
よし、ここだ。追いついた。
ぷー。うそ、違った。え、どこ?
あぁもうこの孤独感と浮遊感、気持ち悪い。。
それにもしかして、みんなバラバラ?
カオスだ…。
と思う間に、一旦タクトが下された。
その後、どうやってその曲が吹けるようになっていったかはよく覚えていない。
そして母になった今、また思うのである。
4月、初見の変拍子だ。
「ほいくえんいきたくないー!」
今朝も延々と泣きじゃくる我が子。
そりゃそうだ。
はじめましての先生に、よく知らないおともだち(向こうもあなた誰?って顔で見てくるし)、あたかも前から決まってましたよ的なルールやスケジュール、おもちゃの場所。
おいおいこっちはそんな拍子で動くなんて想定してないよと思っていたら、わたしだけじゃなく、まわりのおともだちもお姉さんも全然のってないやないかーい。
混乱するのも無理はない、初見の変拍子なのだから。
大人だって大変だ。
4月となれば、謎のモチベーションの上司がやってきたり、組織が変わったり、ソワソワどころかゾワゾワだ。
その上、子どもの「ほいくえんいきたくなーい!いかない!」宣言。
こっちだって混乱だ。
でも大丈夫。
わけのわからない曲でも気がついたら演奏できている。案外好き、とさえ思ったりするかもしれない。
今はまだ4月、初見の変拍子の私。
昨日のノリで今日もエッセイを綴ってみました。
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