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vol.2 今村翔吾「塞王の楯」(直木賞受賞作)を読んでみた

『歴史小説の壁』は高い!


第166回直木賞受賞作「塞王の楯」今村翔吾
(集英社)を読みました。

舞台は16世紀後半から17世紀初頭。
主人公は石工(いしく)の匡介。

本の帯には、次のように書かれています。

「最強の楯」対「至高の矛」
職人同士の激突を描く、エンタメ戦国小説

帯の煽りも含めて、装丁はとてもカッコ良いです。

本屋に行けば、
歴史小説コーナーが広く取られており、
「いつかは読んでみたい」
という気持ちだけは持っていたのですが、
時代小説初心者には、
なぜか『歴史小説の壁』は高く、
40歳になるまで、
手が伸びることはありませんでした。

読もうと思うようになったきっかけは、
ABCラジオ
『今村翔吾×山崎怜奈の言って聞かせて』
でした。

今村先生が、とにかく「陽キャ」です。
私の勝手なイメージですが、小説家の先生は、
みんな「陰キャ」だと思っていたので、
意外でした。

とにかく良くしゃべり、
面白い(関西弁だから?)。

そして、
『歴史小説の壁』を破ることに
力を入れているようで、
「とにかく一遍読んでみて、絶対面白いから」
と仰っていたので、騙されたと思って
読んでみることにしました。



総ページ数が552ページあり、
一気読みとまではいかなかったのですが、
面白かったです。

私の好きなミステリー小説であれば、
犯人は○○、
動機は○○、
トリックは○○、
とある程度、序盤から終盤に向けての話の流れがわかります。

歴史小説の場合、
そもそも何を描いているのか
分からなかったので、
最初の内はドキドキがあまりありませんでした。

しかし、終盤になるにつれ、
登場人物それぞれの思いに感情移入して
しまうようになるほど入り込むことになり、
読み終えたときには、
達成感のような読後感がありました。

私の『壁』を破るきっかけは、ラジオでしたが、
POPや帯に書いてある言葉が面白そう、
くらいの軽い気持ちで、自分の小さな『壁』を
壊すのも楽しいと思います。


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