江口 敬
日常のとなりにある非日常の美しさを捉えたい。写真を始めたときからずっと、大切にしてきたテーマです。レンズとカメラを通すことで、見慣れた部屋の中の光景も、光と影のワンダーランドへと姿を変えるのです。
昔々、一人の青年が東京から鹿児島まで自転車で旅した記録を、そのとき感じたこと・現在の視点で考え直したことなどと合わせて、不定期で連載します。 それはまた、30年前の日本を垣間見るタイムスリップ旅行でもあると思っています。 長旅になりますので、のんびりお付き合いいただけますと幸いです。
福島県福島市の山懐にたたずむアートギャラリー「風花画廊」。そのオンラインショップに関する記事です。 新たに取り扱いを始める作品など、最新情報をお知らせします。 江口は、ショップに掲載する作品の写真撮影とサイト管理を担当しています(いわゆる「中の人」です)。 公式X(旧ツイッター)もあります。https://twitter.com/kazahana_online
1995年(平成7年)秋。一人の青年が東京から鹿児島まで自転車で旅した記憶と記録です。 まずは下の地図をご覧いただきたい。 旅の6日目は、国道260号最大の難所ともいえる「錦峠」越えから始まる。 「錦峠」は、2015年(平成27年)に新道が開通するまで、その通行の困難さから、いわゆる「酷道」として知られていた。 当時のぼくはそんなことはつゆ知らず、しかしながら地図を見れば一目瞭然、これから克服しなければいけない道がどういうものか、嫌でも想像できた。 さて、旅行記
強い西日が部屋の奥まで射し込む季節になって、久しぶりの「半径5メートル写真館」。
この前の、岩谷観音への行き帰りに撮影した景色を少し。 ぼくは、草花や鳥や虫たちの名前を、ごくごく基本的なもの以外は、本当によく知らなくて。 正直に言うと、あまり覚えようと思っていない。 花は花のままに、鳥は鳥のままに、咲いて歌えば、その美しさにつかのま触れることさえできれば、それで十分だと思っている。 この辺りの考え方は、人によってだいぶ異なるだろう。たぶん、それでいいんだ。 人が作ったものに関しては、それなりに名前を覚える。 名とは、名に付けられた、名のことだと思っている
今回は久しぶりに「note写仏部」の活動です。 「note写仏部」について、詳しくはこちらを。 ぼくは絵は描かないので、写真班(班長)という位置づけになっています。 最近、部長であるHimashunさんから、 「石仏を描くべし!」 とのお達し(=部長令)が出されました。 ぼく自身、福島市の信夫山にある「岩谷観音」を紹介したいと考えていたので、ちょうどよかった。 よく晴れた5月の午後、カメラを提げて行ってきました。 信夫山は、福島盆地の中央に立つ、標高275mの独立峰です
5月10日付けの毎日新聞に「掃除をしないとどうなる?」との見出しでコラムが掲載されていた(「れきし箱」伊藤和史)。 コラムは、執筆者が京都の禅寺で接した「一掃除二信心」の禅思想の話に始まって、或る民俗学の著作の話題へと移る。その本の著者がかつて沖縄の宮古島で暮らしていたとき、掃除をする意味を実体験として深く理解したエピソードが紹介される。 この箇所を読んだ瞬間、ぼくはハッとした。 もしかすると、日本人の《神》の原型は、ここにあるのではなかろうか? 日本人の《神
「風花画廊オンラインショップ」では、展示会期間中限定で販売していました後藤五木さんの陶芸作品と樋口健也さんの絵画作品、各2点ずつを継続して取り扱うことになりました。どうぞよろしくお願いします。 https://kazahana.official.ec/
街が「撮ってみろ」光線を発している。 気のせいか。
山吹の黄色。 林の中でよく目立つ。 そう言えば、子どものころ使っていた色鉛筆セットには「ヤマブキイロ」という色があったっけ。 「ヤマブ・キイロ」だと思っていたよ。 林檎の花には、桜とはまた違った美しさや生命力が感じられます。 これは受粉樹。 まるで命の奔流。 うっすらと、林檎色。 もうすぐ、立夏。
1995年(平成7年)秋。一人の青年が東京から鹿児島まで自転車で旅した記憶と記録です。 5:30起床。食事と撤収作業を済ませ、7:30に出発。 伊良湖岬から鳥羽へ向かうフェリーは、8:30出港。 今日も天気は快晴。暖かい秋の日、朝早いにもかかわらず、フェリーには大勢の観光客が乗船していた。皆、週末(この日は土曜日)を楽しんでいる様子だ。 船に揺られている間、となりの席に座ったお爺さんと世間話を交わす。 「高校生なのか?」 と訊かれて、やや参る。 船足は速く
お知らせ(宣伝)です! 福島市の「風花画廊」では、4月26日(金)から5月5日(日)まで、「 絵画 × 陶芸 絵画 樋口健也 陶芸 後藤五木 」展を開催中です。 11時~19時、会期中無休です。 皆さまのお越しをお待ち申し上げております。 併せて「風花画廊オンラインショップ」では、お二人の作品2点ずつを期間限定で取扱中です。 取扱期間は、展示会の会期と同じ、5月5日(日)19時までとなります。 →オンラインショップにて継続して取り扱うことになりました。 ※江口は当ショッ
どんどん芽吹く!
何かに急かされるように春の花の撮影に没頭して、「1995年自転車の旅」の連載が伊良湖岬で止まっている。 そろそろ続きに手をつけなくては。 そう書いておきながら何だが、ふと思い出したことがある。 自転車旅から東京に戻り、さらに福島に転居して就職し、しばらく経ったころ。1997年。 ふらりと東京に遊びに出かけた。 いくつかお目当ての場所があったはずだが、よく覚えていない。ただ、銀座セゾン劇場で映画を観るのが目的のひとつだったのは間違いない。 銀座セゾン劇場、だいぶ前に無くなって
noteの海は広い。 まだ一年と数カ月続けただけにもかかわらず、さまざまな方の作品や日常や人柄に触れることができている。 僭越ながら、今日ご紹介するのは、画家のわたなべ・えいいちさん。 50歳を過ぎてからプロ写真家を名乗った自分も、世の中的にだいぶ珍しい生き方を選んだ自覚はあるが、上には上がいる。 わたなべさんは「線スケッチ」で作品を制作されている。 緻密で、なおかつ、人の温かみを感じさせる画風だ。 ↓の絵は、特に好き。 さて、わたなべさんのnoteを読んでいて深く感
季節は巡る。 巡るから、永遠なのだとも言える。 命が永遠にそっと寄り添う。 力尽きて、サヨナラを言う。