メモの取り方と「聞く力」の関係性
あるミーティングで、次のようなことがありました。
社長が話している時に、課長のDさんがスマホでメモを取っていました。
指先を器用に使い上手にメモを取っていたのですが、数分後に社長が「おい!しっかり話を聞いているのか!」と注意をしました。
Dさんは間違いなく話を聞いてメモを取っていたのですが、社長にはその姿がメモを取っているのではなく、スマホをいじって話を聞いていないように映ったのです。
このような誤解を、見かけたことはありませんか?
ここで大切なことは「自分はメモを取っていた」ということではなく「相手にはメモを取っているように見えなかった」ということです。
何事においても大切なことは、目的です。
何のためにメモを取るのかという目的の中に「聞く力」を意識しているかどうかで分かれ道がやってきます。
つまりメモを取る目的が「自分の記憶に留めておくため」だけなのか、それとも「相手が話しやすくするため」という目的も持っているのかで分かれ道がやってくるということです。
このようにメモを取るという行為は、目的を持つことで「聞く力」に変わっていくのです。
しかし、自分のための目的しか持っていないと「聞く力」は何も発揮されないのです。
もし「聞く力」を目的にメモを取るのであれば、正しい選択は相手によって変わるのです。
先程の社長からお叱りを受けた事例で、もし社長が20歳過ぎの人であり、自分でもメモを取る時にスマホを使っている人だったら、違う結末があったかもしれません。
しかしメモを取る時に、どんな手段を選択したとしても大切なことがあります。
それは「話を聞いていますよ〜」という見え方です。
そのために大切なことは「話し手と目を合わせる」ということです。
どんな手段でメモを取るとしても「目を合わせる」という行為があると、先ほどの事例のような誤解は生まれにくいのです。
「聞く力」を意識してメモを取る時にも、相手を思いやるという気持ちが大切ですね。
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