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ウェブトゥーンの教科書 -(6)周辺事情

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巨大なプラットホームは、エンジニアを抱えていますが、作品の制作チームを抱えているとは限らない。

子会社、親会社からの作品供給を頼みにしています。
あるいは、外部のスタジオや編集プロダクションから買うか。

オリジナル作品を作るシステムは、まだ十分な成功を収めていません。
企画、画力、キャラクター、ストーリーをキチンと踏まえた作品をゼロから作り出すのは、相当ハードルが高いです。

そんなリスキーなビジネスより、まずは確実に売れるウェブ原作の作品を求めるのは自然なことか。

工数がかかればかかるほど、制作費は上がっていきます。

原作の確保にもお金がかかる。
スタジオも多くのギャラを要求する。
制作費が上がっていけば、リクープラインも上がっていく。

現状では、少しでもリスクを減らすために、外部スタジオからMG(ミニマムギャランティー、要するに前金、先払い)を求められたり、R/S(レベニューシェア、売り上げの中からの取り分、利益配分)の料率の交渉をしたり、一作一作丁寧な条件交渉が展開されています。

基本、コミックスを出して、そこでリクープしていくという考えは希薄なので、まずプラットホームの中で最大限に売ることが大事です。

大量生産、大量消費のサイクルは恐ろしいほど。
人気の出方も極端になりがち。
より光と陰の濃い世界になっています。

見過ごされがちですが、ローカライズに際しての翻訳のレベルも、大事です。

直訳ではなく、漫画のフィーリングをうまく伝えるのも職人芸と言って良いかもしれません。
生きたセリフが書けるかどうか。

エンタメ志向のWebtoonでは、実験作や独創的な作品は、お呼びでない。

あるいは、自意識過剰な素人作品も不要。
ジャンルのはっきりした、ポピュラリティーの高い作品が求められています。

玄人を唸らせるような過剰なクオリティーも不要。
それよりも読みやすさ。
求められているものは明快です。

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