見出し画像

【本】中学受験の国語レベルとは?小学生ならではのサンタクロース問題

四谷大塚のテキストを開始して、 早3ヶ月。日本の小学校に通ったことのない娘は、問題文の読み方から答え方はもちろん、ノートの使い方(丁寧な字を書くも含む)、漢字や語句の覚え方、間違えた問題の復習の仕方なども一からで、仕方ないとはいえ、こちらがひっくり返りそうになることもしばしばでした。

ただ、娘は私に似ず、こつこつ取り組むことは昔から得意なので、なんとか夏休みまでには「自分がどこがわかっていないか」「覚える(解法をマスターする)のにどれくらいかかるか」がわかるようにしていきたいなといったところです。

さて、昨今の中学受験問題…一番驚いたのは、国語のレベル。これが中学受験時にすらすら解けていれば(そして、そういう子供に囲まれて6年過ごせば)、まあ共通試験なんて勉強することないんじゃないかな…というのは言い過ぎでしょうか。

おもわず、昨今の傾向の参考にしたくて、こちらを読みました。

大学受験(2次筆記)をしていれば、取り立てて目新しい訳ではなかったけれど、どれだけのレベルの文章読解が中学受験生に求められていて、小学生ならではの苦労するポイントがわかったのは収穫。

そこで、こちらに中学受験頻出として取り上げられていた本を2冊、実際に読んでみました。

浅田次郎氏の『霞町物語』

辻村深月氏の『ぼくのメジャースプーン』

さて、読んだ感想ですが、これらに限らず日本語書籍って、歴然と子供用と大人用が分かれている(青い鳥文庫とか岩波文庫とか)中で、こういった小説はアラフォーの私が読んでも楽しめるというか、小学生向けのコーナーにはない、少なくとも中学生以上、大人でも普通に読む小説で、10歳やそこらの子供の人生経験の範疇を遥かに越えているなぁというのが率直なところ。

まず、『霞町物語』は、私の父か、それより上かくらいの世代、麻布や六本木に住む進学校高校生の青春時代のあれこれで、リーゼントにスーツで固め、エンジン改造車を乗り回し、お酒をのんで、女の子に声をかけて一夜の出会いもあり、というひとつの古き良き時代の3世代家族の物語。

『メジャースプーン』は、不思議な力をもつ小学生の男の子が、残虐な事件をきっかけに心を閉ざすクラスメートの女の子を助けたいと、同じ力をもつ大学教授に助けを乞う…と一見小学生でも読みやすい小説なのですが、犯罪者の心の闇は深く、ミステリー要素(伏線の回収というのか)もこの話の肝なので、中学生くらいからでもいいんじゃないかなと。また、合間に、サンタクロースは実は…的な話もあり、今、娘に読んでみる?となりませんでした。

なんでこんなことが気になるかというと、私自身が学生時代、教科書でも模試でも、面白かった話はタイトルをメモして、実際に書店で本を探して買っていたから。面白いなと思って買いに行った本に、やれ女を連れ込んでとかサンタクロースがとかが出てきたら、お、おう…となると思うんですよね。

確かに、問題として出題する分には、風紀的によろしくないところは割愛できるのでいいのですが、やはり全体の世界観として小学生が読むのをおすすめしたい本ではない。そう考えると、読書体験だけで物語の背景、時代、流れなどを掴むのは難しく、パターン化して読ませるというのも必要なのかもしれないなぁと思うのでした。なんだか本末転倒ですが。

よりたくさんの良書をお伝えできるように、頑張ります!