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【猫や猫⑦】静けさや猫の入院梅雨も明け

仙台に落語遠征に行って来た。
2月26日の「寅の子会 仙台出張編」春風亭朝枝・春風亭与いち二人会である。
会場は林香院。
お寺の座敷で聞く朝枝さんの「紫檀楼古木」は素晴らしかった。
ちなみにランチは洋食屋HACHI仙台駅店でハンバーグナポリタンを食べた。
与いちさんのご実家の経営である。

いや落語やグルメの話ではない。
猫めの話である。
こうして旅をしていると思い出す。
子猫と暮らし始めた頃、甲府に旅行をしたことがある。

私は二十代からずっと一人暮らしだった。同棲も結婚もしたことがない。
だから部屋の中に自分以外の者がいるのに慣れなかった。
そいつはコンビニに買い物に行ったり、朝夕の散歩に行ったりもしない。
ずーっと家の中にいるのだ。
私の家なのに。
何だか息苦しいような気分に耐えられず、一泊旅行に逃げ出した。
それが甲府だった。
別にお参り願ほどきに行ったわけじゃない。
信州方面が好きだったから、あずさ号で手前の甲州で降りただけである。

子猫は問題なく留守番をしていた。
以来、私は登山や旅行を再開した。
二泊三日までなら留守番をさせられる。自動給餌機も購入した。
だがやがて落語に出会い沼にはまる。
仕事が休みの日は落語に費やされ登山も旅行も行ってる暇がない。ならば落語と旅行を組み合わせればいいではないか!
エウレカ!である。
そして家を離れたい時は落語遠征をするようになったのだ。今回のように。

2022年六月に猫めの左顎の下に豆粒のような硬い出来物を見つけた。
それまでにもブラッシングを嫌がっていた箇所だった。
あわてて獣医に駆け込んだ。
〝破歯細胞性吸収病巣〟
歯根で骨片が炎症を起こした? 腫瘍になった?
とか何とか説明されたが、早い話が手術で除去するという話だった。

ところで駆け込んだのは、チャリ二十分のママペットクリニックではない。
家から徒歩三分の新しい動物病院だった。チャリなら一分である。
仮にパパ動物病院と呼ぶ。

2021年春に新装オープンしたパパ動物病院に猫めはその秋に転院していた。
食欲がなくなったので既往症の胃炎を疑って受診したのだ。
完全に転院するつもりで、以前ママペットクリニックで行った血液検査や尿検査の報告書も持参しての初診だった。
その時は胃薬などをもらっただけで大事なかった。
その後、やはり既往症の尿路結石についても診察をしてもらった。
これも大したことはなかった。

【食べる寝る猫の仕事ぞ病んだとて】

時に、君は猫のちんちんを見たことがあるか?
私はあるぞ!
パパ動物病院を二度目に受診したきっかけがそれだった。
猫めがあまりにしつこく舐めているから覗き込んだところ、股ぐらから変な物が生えていたのだ。チューリップの芽のような形状だった。
てっきり尿路結石で股に腫瘍のようなものが出来たと思ったのだ。
だが単なるペニスだった。
しつこく舐めて刺激したから出て来たらしい。
必要な時だけ出て来るなんぞ、強盗いや武士が懐に匕首を呑んでいるようである。
人間のもぶらぶらしないで猫のようであって欲しいものである。

話がちっとも進まない。
ちんちんの話ではない。
でも話を進めたらXデーに近づくばかりではないか。
それを書くためにnoteを始めたというのに。

ええと……つまり、まあ……。
初診が胃炎で、二度目がちんちんいや尿路結石で(その後ワクチン注射なども受けたが)三度目の受信が顎の下の出来物だった。

〝破歯細胞性吸収病巣〟
この左顎の下に出来た腫瘍を切除する手術が敢行された。

これから施術されるご家族さまへ
ぐーちゃんの抜歯手術は2022年6月30日(木)の予定となっております。
手術当日は11:00にご来院ください。
①手術前日は夜9:00までに夕食を済ませていただき、夜10:00以降はお食事を与えないでください。
②手術当日のAM8:00頃にお水を抜いて下さい。お食事も与えないでください。
※麻酔をかける事により、覚醒する際まれに嘔吐がおこります。
手術前にお食事をしていると気管に食べ物が詰まり、肺に水が入る事がある為、胃の中を空にする必要があります。
手術についてご心配・ご不明な点がございましたら、ご相談ください。
パパ動物病院(仮名)

ということで猫めは入院した。
猫めを拾って十六年目。久しぶりに一人の夜だった。











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