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書評『超現代語訳 幕末物語』/線で歴史を学び直す!

こんにちは。エディマートの水野です。

今回お届けする『エディマート読書部』のブックレビューは、『笑えて泣けてするする頭に入る 超現代語訳 幕末物語』。タイトルから連想できる通り、歴史本の紹介になります!

大人になると、「学生時代にもっと勉強しておけばよかった!」なんて思うことありますよね。かくいう私もそういった経験は数え切れないほどあり、とくに日本史については、歴史上の出来事を題材にした作品にふれたり、歴史的な建造物や名所に訪れたりするたび、「もっと日本史に詳しかったら、楽しみが倍増するんだろうな~」と、想像することも少なくありません。

そんな学生時代に日本史を熱心に勉強してこなかった方にこそ、おすすめしたいのが、『笑えて泣けてするする頭に入る 超現代語訳 幕末物語』です。

本書は、武士やら朝廷やら外交やらとにかく要素の多すぎる幕末時代を、芸人である著者の房野さんが軽快な語り口でわかりやすく紹介しています。ポイントは、激動の幕末時代を点ではなく線で理解できること

歴史に苦手意識を持っている人こそ、肩の力を抜いて、楽しみながら読んでほしい一冊になっています。


書籍情報

笑えて泣けてするする頭に入る 超現代語訳 幕末物語
著者:房野史典
出版社:幻冬舎
発行:2018年8月

この本を手に取ったきっかけ

前段でもお伝えした通り、著者の房野さんは芸人さんとしても活動をされています。もともとお笑いが好きだった私は、「ブロードキャストの房野さんの歴史本がとてつもなく面白いらしい」という情報を入手したことをきっかけに、まずは文庫化された房野さんの著書を片っ端から読み漁りました。

中でも本書を含めた「超現代語訳シリーズ」は、圧倒的な読みやすさとわかりやすさを兼ねそろえた一冊と言っても過言ではなく、読了後家族や友人におすすめするほど!自分の中でお気に入りの一冊となりました。

どんな本

長かった鎖国が解かれてから、黒船が来航したり、吉田松陰が登場したり、朝廷と幕府がバッチバチに対立したり、新選組が誕生したり、新しい政府がスタートしたり、云云かんぬん…と、とにかく要素が多すぎる幕末時代の出来事を、口語調でわかりやすく伝えてくれる本です。

幕末時代の要素の多さから、400ページ以上にわたる大作であるものの、人物や事象にわかりやすい説明が添えられていることで、サクサクと読み進められるのもうれしいポイント。ときどき登場するコント仕立ての会話劇も良いアクセントになっていると思います。

わたしの感想

新選組や坂本龍馬など、幕末の代表的な人物は知っていたものの、人物に関連した出来事に対しての「結果に至るまでの経緯」は、本書のおかげで知ることができました。激動の時代と言われるだけあって、次から次へと事件が起こるのですが、それぞれに因果関係があり、どんな人物にも生きた証が残されていることを再認識できます

また、本書は明快な歴史本としての魅力はもちろんのこと、編集の仕事において非常に重要な「難しいことや専門的なことを読み手にわかりやすく伝える」スキルが詰まった一冊でもあると感じました。ただただ砕けた口調を使うのではなく、「情報が伝わる」文章になっていることや、人物や事象への興味を掻き立てる文章表現やアプローチが見て取れるのです。

この本によって、みなさんの中の“歴史”というジャンルが、“エンタメ”のカテゴリーに入れば最高だという話です。

本書より

と、著者が述べるように、エンタメとして歴史というコンテンツにふれられる工夫が散りばめられており、編集者の視点からも感心するばかりです。

余談ですが、房野さんがどんな想いで本をつくられたのか気になりすぎて、以前に自社メディアでインタビューもさせていただきました!ぜひあわせてチェックしてみてくださいね。

著者の既刊の中には、子どもから大人まで楽しめる歴史本の入門書のような『13歳のきみと、戦国時代の「戦」の話をしよう』や、15人の徳川将軍の奮闘をつづった『読んだらきっと推したくなる!がんばった15人の徳川将軍』など、異なる切り口で日本史にふれられる本がまだまだあるので、気になる一冊を手に取ってみてください!



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