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新年度をきっかけに!私の○○を変える本|エディマート座談会『5人の本』

こんにちは!エディマートのありまです。
 
あっという間に3月も終わり、2024年度がスタートしますね!
皆さん、「今年こそは!」という新年度の目標はありますか?
 
さて、第五弾エディマート座談会のテーマは『新年度をきっかけに!私の○○を変える本』です!

「まだ何も計画立ててないなぁ」「特にやりたいことがないかも…」なんて思っているそこのあなた!ぜひ、画面をスクロール願います。

エディマート社員の推し本から、新しいスタートのきっかけが見つかるかもしれませんよ!!

▼参加者プロフィール

それでは、編プロ社員のイチオシに触れる座談会『5人の本』スタートです♪
 
▼前回の記事、『バレンタインデー記念!誰かにプレゼントしたいお菓子がテーマ(...?)の本』はこちらから。


『新年度をきっかけに!私の○○を変える本』で集まった5冊の本は・・・

――今回セレクトいただいた本の紹介をお願いします!

きとう:僕は『AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン/越川慎司)』をセレクト。著者である越川慎司さんは、株式会社クロスリバーという、企業の成長支援事業を行う会社の社長で、これまでに800社以上のコンサルティングを行ってきたそう。
 
この本は、1万8千人のビジネスパーソンの行動履歴をAI分析して、そのうちの上位(スキルのある5%)の行動が体系化された一冊。経営陣やマネージャー、社内でも特に優れた5%は「一体何をして成果を出しているのか」というのがわかりやすく書かれているね。ちなみに、これとは別に『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』という社員に着目した本もあるよ。

みずの:私が選んできたのは、『旬のカレンダー 家庭で教わること(ダイヤモンド社/旬の暮らしをたのしむ会)』。これは、食材や花、行事など、1年12カ月におけるその時期の旬について詳しく紹介してくれる本です。
 
ポイントは、ただ旬のもの・ことについて教えてくれるだけではなくて、日常生活で実際に活用するための小ネタも付いていること。例えば、食材なら魚介類の天然と養殖の見分け方や野菜の調理のコツ、花なら花言葉というように、知っていると生活がより豊かになりそうな知識が身に付く、実用的な一冊ですね。

ほった:僕が持ってきたのは『男の作法(新潮文庫/池波正太郎)』です。著者の池波正太郎さんと言えば、『鬼平犯科帳』が有名でしょうか。日本を代表する時代小説・歴史小説作家ですよね。
 
これは、池波さんの“誰かに話したこと”が一冊にまとめられている語りおろし。外での食事マナーや時間の活用術など、学校では教えてもらえない作法について綴られています。タイトルだけ見ると「男たるものは」というお堅い内容に思えますが、読んでみるとそうでもないですよ。品格を備えた生き方について、さりげなく助言してくれている本ですね。

すざき:私は『ハイパーハードボイルドグルメリポート(朝日新聞出版/上出遼平)』を持ってきました!上出遼平さんという元テレビ東京のディレクターを務めていた方が著者で、本のタイトルは上出さんが制作したバラエティ番組の名前です。
 
番組の内容は「ヤバい世界のヤバい奴らは何食ってんだ⁉」というテーマを掲げて、リベリアの人食い少年兵や台湾のマフィアなど、私たちの日常では出会えない人たちのもとへ単身で乗り込み、カメラを回して彼らと彼らの食事について取材をするというもの。

これは番組の放送後に出版された本なのですが、単に番組の内容を書籍化しただけではなくて、放送しきれなかった世界各国での取材内容すべてを書いているといってもいいほど、めちゃくちゃ分厚い一冊です。

もりなが:私が持ってきたのは、『鳥がぼくらは祈り、(講談社文庫/島口大樹)』という小説。4人の男子高校生が、自分を取り巻く複雑な環境や過去に悩みながらも少しずつ成長していく物語なのですが、一冊を通して文体がとても独特なんです。
 
一人称で話が進んでいると思ったら急に三人称に変わっていたり、「そこで改行!?」と思うところで改行されていたり。一度では読み解くのが難しくて何周も読んでしまうのですが、何回も読み込むうちに“何を伝えたいのか”がなんとなくわかってくるんです。「上手く言い表せないけれどわかってほしい」という著者の思いを、解読していく面白さのある一冊ですね。

――本を紹介いただく前に、「これやりたかったけど出来なかったな」という2023年度にやり残したこと、または「今年はこれを達成した!」という2023年度を通してやり切ったことについてお聞かせください!

もりなが:私は、運動の継続を達成しました!ここ数年は、毎年一つ何かを辞めて、代わりに一つ新しいことを始めるというのを自分の中での決まりごとに。2023年は、4年ほど通ってきたヨガを辞め、キックボクシングに挑戦する年でしたね。5月ごろからジムに通い出したのですが、今も楽しく続けられています。
 
すざき:私も1年を通して、健康のための運動を心がけてきました。2023年の年明けから健康を意識し始めて『Nintendo Switch』を購入。目的だった『リングフィット アドベンチャー』は4カ月しか続かなかったのですが…。それ以降も朝と晩にベッドの上でヨガをしたりサウナに通い始めたりと、健康を意識し続けられました。
 
ほった:僕も、健康を意識して運動を続けられた1年でしたね。運動に関しては2年ほど前から意識して始めていたのですが、2023年はそれが見事に習慣化。毎朝のランニングと、休日やテレワーク日には筋トレも欠かさず続けられています。一方で、読書などを通した自己研鑽や新しいことへの挑戦はできず。2024年はいろんなことに挑戦したいですね。
 
みずの:私も同じく、2023年は定期的な運動をスタートして継続できた年でした。6月ごろから週に1度、プールに通って水泳を始めたのですが、高齢の利用者さんが多く和気あいあいとした雰囲気が心地よくて、楽しく続けてこられました。水の中で何もかもが遮断され「無」になれるような感覚は、気持ちの切り替えにもなっているような気がします。
 
きとう:1年を通してやり切ったことはドラムかな。2023年の年明けから週に1度、音楽教室に通うようになって電子ドラムを購入。今でも毎日続いている趣味になったね。反対にやり残したことは、創業20周年で掲げた「編集でイノベーションを起こす」という目標に対し、あまり踏み出せなかったこと。2024年こそは、「これまでどおり」から脱却したいかな。
 
ありま:皆さんありがとうございます!「運動」「健康」を意識した1年だった方が多いですね。それでは、皆さんの新年度に向けた目標や新年度をきっかけに変えたいことは何なのか、セレクトいただいた一冊について聞いてみましょう!

その本を選んだ理由は?

「AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン/越川慎司)」

きとう「もっと経営者として評価されるようレベルアップしたい」という、自身の中で生じた思いがこの本を選んだ理由。というのも、全社会議で自分以外の人の強みと弱みを話し合うワークをした際、みんなから高く評価してもらった部分として、プレイングマネージャーのプレーヤー(取材やライティングなどのクリエイティブ)部分が多くを占めていたんだよね。すごくうれしかったんだけど、「僕は経営者だから、経営やマネジメントの部分でもっと評価されないといけない」という反省もあって。何か身に付けられる本はないかと探し、見つけた本がこれだった。
 
これまでも何冊かビジネス書を読んできたけれど、自身が編集者であるがゆえに「その人だからできるんだ」「その環境があるから上手くいくんだ」と素直に受け止められないことが多かった。けれどもこの本で述べられているのは、AIによってロジカルに分析された事実。トップ5%リーダーになるためのノウハウを学んで、自分も試してみたいと思ったね。

ありま:すぐに実践できるノウハウが書かれているんですか?
 
きとう:そうだね。経営計画がどうこうという難しい話じゃなくて、例えば「トップ5%リーダーは歩くのが遅い」とか。人前ではあえてゆっくり歩くことで、周囲から話しかけられる余力・時間を生んでいるのだそう。
 
もりなが:なるほど!確かに、リーダーが忙しそうにスタスタ歩いていたら周りは声をかけにくいですよね。
 
きとう:そうそう。本を読んで、これは実践したい!と思ったのは「5%リーダーの行動習慣を真似て成果を出す」という項目で記されている4つ。
 
・時間と精神の余裕を生むためにバッファー時間の創設
(→例えば、会議は設定時間よりも早めに終わらせる)
・週1回15分の内省タイムの強制設定
・口角を2センチ上げて話すことを推奨する
・うなずきを2センチ以上大きくすること
 
これらは一見すごく簡単そうに思えるけれど、意識しなければ続かない大事な心がけ。結局、自分が考え動くことからすべてが始まる。リーダーシップやマネジメント力、経営力の面でも高く評価されるよう、この本を参考に2024年は自らの行動習慣を変えていきたいね。

「旬のカレンダー 家庭で教わること(ダイヤモンド社/旬の暮らしをたのしむ会)」

みずの:普段から料理をするのが好きなのですが、毎日家事として行っていると面白さがなくなってくるんです。自分のレパートリー内で、同じものを作って、同じ味がして・・・。そんな繰り返しから脱却するにはどうしたらいいか考えたとき、「“旬”を取り入れてみたら何か変わるかも!」とひらめいたんです。
 
そこから、「旬」というキーワードをもとに本を探し始めて見つけたのが、この『旬のカレンダー 家庭で教わること』でした。2024年は「たぶん今はこの野菜が旬なんだろうな・・・」といった“なんとなく”の認識を明確にして、旬を感じられる生活を送りたい!と思ったのが、この本を選んだ理由です。

みずの:レタスは春、カレイは夏・・・といった旬の紹介のほかに、大人のふるまいや教養について学べるコラムが載っているのもこの本の魅力です。特にこれは取り入れたい!と思ったのが、「もう迷わない!寿司屋で粋な注文の仕方」というコラム。お寿司屋さんのカウンターで、どのお寿司をどの順番で注文するとスマートなのか、1~9貫目までのネタのラインナップが書かれているんです。
 
ほった:お寿司関連のマナーについては僕の推し本にもあるよ!スマートに注文できるって、かっこいいよね。
 
みずの:憧れますよね。私自身、淡白な白身から食べたほうがいいという話を聞いたことはあったのですが、その理由については考えたことがなくて。その時期の旬のネタを、一番おいしく味わうための順番を学べたことは大きな発見でしたね。ほかにも、家で楽しめる一輪挿しや旬を意識したコミュニケーションなど、すぐに実践できる情報がたくさん!
 
人生に旬を取り入れることを目標に、まずは、この本で学ぶところから始めます!そして仕事でも、コンテンツの特集ネタに悩んでいる人に対して、「今は○○が旬なので、これがいいですよ!」と知識を活用できるようになりたいですね。

「男の作法(新潮文庫/池波正太郎)」

ほった:僕がこの本を選んだ理由は、「原点回帰」のため。この本を初めて手に取ったのは、大学を卒業した年でした。「恥ずかしくない大人になるために」と思って読んだ記憶があるのですが、実はこの本から学んで今も実践していることが結構あるんです。
 
例えば、お刺身を食べるときのワサビの扱い方。池波さんいわく、ワサビは醤油に溶くのではなくネタの上にのせることで、醤油を汚さずにワサビの風味も味わえるとのこと。なので僕も、ワサビは醤油に溶かないように気を付けているんです。
 
すざき:確かに、ほった君はワサビ溶かないよね。まさに実践してたんだね!
 
ほった:そうなんです。知っている人は知っていて、見ている人は見ているということをこの本で学んでから、外出先での正しい作法やマナーに気を遣うようになりましたね。『男の作法』というタイトルですが、女性が読んでもためになる知識が詰まった一冊だと思います。

ほった:一番印象的だったのは、「クセ」というタイトルの付いた一編。池波さんは、作家仲間の中に締切りが迫らないと作品を書き上げられないという一種のクセを持つ人がいるが、それでは質の良い作品は作れない、と言っているんです。「たとえ締切り前の一日だけ自分の手許に置いておくだけでも作品はましになる。読み返して手を入れることによってね」とも。
 
どんなときも締切りが付いて回るという点では、作家さんと僕たちの仕事には通ずるところがあります。余裕を持って作り上げ、少し寝かした方がいいものができあがるという池波さんの考え方は、自身の教訓にもなっていますね。
 
『男の作法』を読み返して感じたのは、「哲学を持って生きている人ってかっこいい!」ということ。2024年度は原点回帰の気持ちを大事に、直面する物事一つひとつに対して、何が正しいかをきちんと考え、自信を持って行動に移していきたいですね。

「ハイパーハードボイルドグルメリポート(朝日新聞出版/上出遼平)」

すざきどんな人間も、生きていくためには「食べる」ことから逃れられない。この本では、人は善悪を超えて「生きるために食べる」というところに焦点を当て、世界の人と食についてリアルに綴られています。ほった君に勧められて番組を見てみたらハマってしまい、書籍を買ったんですよ(笑)。
 
ほった:そうでしたね!でも、よくあるグルメ番組のような顔をして、内容は結構ハードですよね。
 
すざき:そうそう。リベリアの墓地に住みつく元少年兵やケニアのゴミ山で暮らす若者など、想像を絶する環境に身を置く人々の生活が、取材で語られたそのままに書かれていて、自分の知らない現実がまだまだあるのだと痛感します。
 
そこで、「2024年は当たり前だと思ってきた考え方や安定した日常に変化をもたらしたい!」という思いで、この本を持ってきました。

すざき:この本を読むたびに、今ある日常のありがたみはなんとなく過ごしていると忘れてしまうものだと実感できるのですが、特に衝撃を受けたのは最後にまとめられている上出さんの言葉。

カメラを構え犯罪の瞬間を撮影したり、ペンを持ち大きな不正を暴いたりすることはジャーナリズムの使命だけれども、相手は自分と同じ人間で、取材した側が何を伝えるかによって、取材を受けた側の人生は大きく左右されてしまう。だから、「取材は暴力である。その前提を忘れてはいけない。」と言っているんです。
 
みずの:エディマートの仕事にも通ずるところがある考え方ですね。
 
すざき:私たちはジャーナリストではないし、ドキュメンタリーを撮っているわけでもない。けれども確かに、取材する立場にある人間は、他人から聞いた話を勝手に編集して世に送り出せてしまいます。上出さんの言葉から、取材活動は必ずしも正義につながるとは限らないという前提を胸に、日々の仕事に向き合わないといけないなと思ったんです。
 
2024年度は他者の言葉から、自身の考え方を柔軟に変化させていきたいですね。そして、これまでの「安定」から抜け出すための第一の目標は英語の習得!しばらく行けていなかった海外へ、再び足を延ばしたいです。

「鳥がぼくらは祈り、(講談社文庫/島口大樹)」

もりなが:この本を手に取ったのは2023年の初めごろ。本の帯に書かれていた「文体が暴れ回る」という紹介ワードに惹かれたんです。「どういうこと?」と思って立ち読みしたところ、確かに暴れ回っていて(笑)。普段好んで読む文芸に比べると、読みにくさすら感じてしまう文体に抵抗はあったものの、チャレンジとして買ったんです。
 
けれども、いざ読み進めてみると「意外と面白いかも」という発見も。文体が独特すぎるがゆえに、それまで理解しがたかった表現の意図を自分なりに解釈していけるんですよね。自分の中での“日本語としてきれいな文体”という当たり前がいい意味で崩されて、著者さん特有の表現でこそ伝わる人の感情ってあるんだなと思えました。
 
今回はそんな本との出合いに絡めて、この『鳥がぼくらは祈り、』をセレクト。2024年はこれまでの「当たり前」を見直し、何事も挑戦する年にしたいですね。

もりなが:物語の中で印象的だったのは、登場人物の一人・山吉の話。両親は離婚しているのですが、山吉の元には離れて暮らす父親から毎月お金と手紙が送られてくるんです。でも、山吉にとってそれはありがたいことでもうれしいことでもなくて、父親からお金が送られてくるたびに自分がかわいそうな人間だと思わせられてしまう。
 
そこで、お金も手紙ももう送らないでほしいと、用件だけ伝えるための手紙を書くことにしたものの、それまでの苦しみやむなしさ、父に対する思いといった葛藤があふれだし、手紙は書籍の7ページにわたる長文に。文章として読むにはまわりくどいと感じる表現も多く、まとまっていないのですが、なんとなく山吉の思いは伝わってくるんです。
 
ありま:斬新な文体の意図を読み解くのは難しいものの、一方でそこがこの本の面白みでもあるんですね。
 
もりなが:そうなんです。きれいに整えられた文章ではないからこそ、登場人物の心情がより一層リアルに伝わってくる。10代の頃の謎の焦りや上手く言い表せない思いが、一つの物語に詰め込まれているように感じて、自分なりに理解して読み切ったときは達成感がありましたね。
 
「できるかな」という不安も抵抗も、やってみることで思わぬ楽しさ・面白さに出合えるもの。2024年は苦手意識に縛られずに、いろんなことにチャレンジしてみようと思っています!

今回の学びと特に気になる一冊は・・・

2023年度から2024年度へ。新年度がスタートする節目に、掲げたい目標や変化させていきたいことに絡めて、おすすめの本をご紹介いただいた今回の座談会。
 
本から学べることや本との出合い、本に気づかされたことなど、皆さんにお話しいただいた、今回のテーマにつながるエピソードはどれも素敵なものばかりでしたね!

誰かの知識や創造力から、自らの目標・挑戦の種を見つけられる本。その魅力と活用法は無限大なのではないでしょうか?

 今回私が特に気になった一冊は、「旬のカレンダー 家庭で教わること」です。
 
1年12カ月、その時期の旬が一冊で丸わかりというのは大きな魅力ですよね。そして、みずのさんの「生活に旬を取り入れたい」という目標がとっても素敵です!教養あるかっこいい大人を目指して、私も見習わなければ・・・と思いました!
 
皆さん、「これは参考に読んでみたい!」という一冊はありましたか?
エディマート社員のおすすめ本、ぜひ読んでみてくださいね!!

取材・執筆:有馬虹奈

写真:スタジオアッシュ(太田昌宏)

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