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ECサイトの不正注文対策ってなにをすればいいの?無料で今すぐ出来る対策3選

今回は、無料で今すぐできる不正注文対策3選をご紹介します。

実店舗を持たないままはじめられるECサイト。2020年以降は巣ごもり需要が高まっている背景から、新たに始めたいと考えている方もいらっしゃるのはないでしょうか。ECサイトを運営する上で、商品企画や売上拡大と同じく知っておきたい項目に「チャージバック対策」があります。当記事では、売上に大きな被害を与える不正注文・チャージバック対策について無料ではじめられる対策をご紹介します。

増加するクレジットカードの不正利用被害

キャッシュレス決済は、

・クレジットカード
・デビットカード
・QR決済コード
・交通系IC

などがありますが、日本ではクレジットカードが8割以上を占めており、現在最も多く使われているキャッシュレス決済方法です。

日本のキャッシュレス支払額及び比率の推移

日本のキャッシュレス支払額及び比率の推移

出典:経済産業省「キャッシュレスの現状及び意義」

便利な一方で、クレジットカードの不正利用被害も増え続けています。2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、全体的に消費が落ち込んだことから一時的に被害額も減っていますが、2019年には273.8億円もの金額が悪用・不正利用されています。

クレジットカード不正利用被害の発生状況を示す図

クレジットカード不正利用被害の発生状況

出典:一般社団法人日本クレジット協会「クレジットカード不正利用被害額の発生状況」

こうした背景はECサイトにも大きな影響を与えています。

ECサイトを困らせる不正注文!狙われやすい商材とは?

2021-10-13 鉢植えの花と並んだハンドバック

不正注文の最大の目的は「換金」です。他人のクレジットカード情報を使って、不正に入手した商品をフリマアプリ等で転売。不当な利益を得ています。つまり、転売しやすい商品が狙われやすい傾向にあります。

狙われやすい高額商品
・ブランド品
・家電製品
・スマートフォン、PC、周辺機器
・ゲーム機器
転売ニーズが高いことから狙われやすい商品
・化粧品
・サプリメント、健康食品
・アパレル、グッズ

これらを定価よりやや安く販売しているケースが目立ちます。化粧品やサプリメントに至っては、トライアルセット(1週間分980円のような)も狙われやすくなっています。

ECサイト(オンラインショップ)でよくある不正注文の種類

不正注文のよくある事例として、下記の3つがあげられます。

・第三者によるクレジットカードの悪用・不正利用「なりすまし注文」
第三者のクレジットカード(またはクレジットカード情報)を悪用し、クレカ名義人を装って注文するケースです。後日、クレジットカードの利用明細を見た本来のクレジットカード保有者が悪用に気づくことで発覚します。

・クレジットカード保有者による支払い拒否「本人利用による不正注文」
クレジットカード保有者(カードホルダー本人)が商品・サービス提供を受けたにも関わらず、支払いを拒否するケースです。支払い拒否の理由は、「商品を受け取っていない」という虚偽の申告をするケースや、「子どもが勝手に購入していたため知らなかった」等の勘違いが原因のケースも存在します。

・後払い決済を悪用した未払い「取り込み詐欺」
ECサイトで決済方法を「後払い」を選択し、商品を受け取ったのち、代金支払いをしない犯罪です。

次の章からはこうした不正注文被害から売上を守るために、まず取り掛かるべき無料で出来る不正対策をご紹介します。


■無料で出来る不正対策1 注文者へ連絡する

注文者へ直接連絡して確認をする方法です。「ご注文はお間違いありませんか?」といったメールを送りなにかしらのアクション(返信やURLクリック等)で確認をする方法や、登録された電話番号へ直接電話し、口頭で確認を行い、正規の注文なのか見極めましょう。不正注文者であれば「疑われた」という後ろめたさから、連絡がつかないケースが多く、一定の見極め基準になります。

■無料で出来る不正対策2 配送先情報を確認する

配送先の住所が「転送会社」の場合は要注意です。第三者による不正注文の場合、配送先住所に転送会社が設定されているケースがあります。近年では住所の末尾に数字がつかない転送会社も存在するため、住所だけではなく、ビル名まで細かく確認しましょう。

同様に、レンタルオフィスやウィークリーマンションも注意が必要です。短期集中的に不正注文を行うケースでは、自宅ではない住所が利用されやすい傾向にあります。

■無料で出来る不正対策3 不正注文者の情報を蓄積する

不正注文者は、1度不正注文に成功すると、再度繰り返す傾向があります。一度でもチャージバックが起こった注文者や、怪しい取引と感じた注文者には注意しましょう。「南区1丁目2-3」→「南区1-2-3」など、微妙に住所等の個人情報表記を変えて、再度不正を試みる注文者がいます。これは文字の揺らぎを悪用して、審査をすり抜ける目的があります。


全取引を確認するのが難しい場合は出荷前に審査する対象を絞る

上記では無料で今すぐ出来る不正対策3選をご紹介しましたが、全取引を出荷前に確認することが難しいECサイト様もいらっしゃると思います。その場合は、審査対象を絞り、高リスク取引のみ確認する方法があります。
この章では、必ず確認すべき取引をご紹介します。


■要確認な取引1 高額注文

定めた金額を超過した注文を審査する方法です。金額の設定は、平均単価よりやや高い金額を設定している企業が多く見受けられます。

例)
・アパレル系ECサイト:合計3万円以上で確認
・健康食品系ECサイト:合計5万円以上で確認

なお、2020年の新型コロナウイルス感染拡大以降は不正傾向も変わってきています。弊社クライアント様の中には、合計1,000円~5,000円といった少額決済の不正注文が相次いでいるため、すでに上記対策を行っているECサイトも金額設定の見直しを検討すると良いでしょう。

■要確認な取引2 初回注文者

初回注文者を審査対象にする方法です。1度または数回、通常通り取引が完了している方は優良顧客・リピーターと考え、スピーディーに出荷。お客様にはご不便をおかけしません。なお、こういった確認方法を逆手に取る不正注文者もいます。1~3回程度は安価な注文と通常通りの取り引きを完了させ、リピーターとして安心感を与えた上で、高額な不正注文を行うパターンもあるため完全に安心とは言い切れないのが現状です。

■要確認な取引3 転売ニーズが高い商品の注文

ブランドとのコラボ商品や、限定商品など、転売ニーズが高い商品も注意が必要です。定価より高値で転売・換金できる可能性があるため、非常に狙われやすくなっています。こちらも同様に出荷前に確認する必要があるでしょう。

■要確認な取引4 複数買い

同色・同サイズの複数買い等、不自然な複数買いにも注意が必要です。転売で人気のある商品は限られるため、転売しやすい商品のみを集中的に狙ってくるケースがあります。

■要確認な取引5 ターゲット層とは異なる注文者

ターゲット層とは異なる注文者も注意が必要なケースがあります。明らかに不自然と感じた場合は、確認するようにしましょう。

例)
・女性用下着を男性が大量注文
・50代以上向けのアンチエイジング効果がある高級化粧品を20代男性が注文

しかしこちらは、プレゼントや家族の分を購入したなど、様々な可能性が考えられるため、見極めるのが難しいケースがほとんどです。


無料でできる不正対策を行っても不十分な場合は?

2021-07-20 悩む女性

無料で今すぐできる不正対策をご紹介しました。しかしながら上記を行っても

・チャージバック率が目標値まで減らない
・人の手で行う目視確認に限界がある
・人件費コストがかかっている

という場合は、段階的な不正対策サービス導入を検討すると良いでしょう。現在は有効的な不正対策として、3Dセキュアバージョン2 や、AI不正検知があります。これらはオペレーション面や料金面を考慮の上、段階的に導入することができます。様子を見ながら上手く組み合わせていくことで、完全自動出荷も可能になります。当ブログを運営する イーディフェンダーズ では、一方的な提案ではなく、なにが可能なのかを一緒に考え、不安を安心に変えるお手伝いをさせていただきます。まずは情報収集したいという方もお気軽にお問い合わせください。

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