韓国のお菓子「HBAF」のパッケージからわかる、日韓の食文化の違い
韓国人の出張者から、よくお菓子のおみやげをいただく。
昨日いただいたのは、これ。
好きなんだよねぇ、わたし。
シーズニングアーモンドの韓国メーカーHBAF(バフ)の「焼き玉ねぎ味」アーモンド。
「H」は読まずに、BAF(バフ)と読む。
韓国のお菓子は、チャレンジ精神があって好きだ。
「焼き玉ねぎ味」とか言われても、本当の焼き玉ねぎとはちょっと違う気がするけど、香ばしくて、甘じょっぱくて、おいしい。
なぜ、日本のパッケージを変えたのか?
HBAF(バフ)のアーモンド菓子は、日本でももちろん買える。
でも、ちょっとおもしろいのが、パッケージ。HBAF(バフ)は、日本で「焼き玉ねぎ味」を発売するにあたり、わざわざパッケージデザインを変更している。
なぜ、わざわざ日本用にパッケージを作りかえたのか。
その答えは単純で、韓国のパッケージのままだと、日本人に「焼き玉ねぎ味」であることが伝わらないからだ。
いや、そもそも「焼き玉ねぎ味」とは?…という問題はあるけど。
味はともかく、韓国のパッケージを見た日本人は、ぱっとみで玉ねぎを想起できなかった。
じゃあ、何に見えたのか?
日本人はこのパッケージをみて、「納豆味」や「味噌味」などの発酵食品味であると誤解したのだ。
…わからなくはない。
たしかに、玉ねぎのまわりの皮の部分が、発酵食品を作る時に使う「木樽」に見えてしまう。
あくまで、ぱっとみね。
韓国も日本と同じく、発酵食品を食べる文化がある国だ。でも、韓国ではこのパッケージを見ても、発酵食品を思い浮かべる人はあまりいない。
その理由は、なんとなくわかる。
韓国で暮らしていたけど、わたしは、キムチを木樽でつけている一般家庭に出会ったことがない。
なんで韓国では木樽を使わないのだろう。
ここでちょっと、その理由を考察してみたい。
日本と韓国の発酵食品の徹底的な違い
日本と韓国の発酵食品の決定的な違いは、唐辛子を入れるかどうかだ。
唐辛子を入れない日本の発酵食品は、ベースとして「麹菌」がいないと成り立たない。
麹菌は乳酸菌のエサをつくること(=糖化)ができるめずらしい菌で、麹菌のおかげで、発酵食品は雑菌から守られる。
韓国の唐辛子を入れたからい発酵食品は、日本の発酵食品と比べると腐敗しにくいし、異常な乳酸菌の増殖も起こりにくい。
木樽の最大の特徴は、木の中に乳酸菌や麹菌が住み続けられること。
日本の発酵食品は麹菌が含まれるので、木の中に隠れた菌たちのエサも十分に作られて、木樽の利点が発揮されやすい。
「蔵付き酵母」がたくさんついている昔ながらの味噌蔵で作った味噌の味に深みが出ておいしいのは、この理由による。
一方、韓国の発酵食品は木樽を使っても、そこに住む菌たちのエサが少なく、木樽の利点が生かしにくい。
例えば、韓国のキムチは、麹菌を入れて菌のえさを作らない代わりに、各家庭が独自にフルーツなどをブレンドして乳酸菌のエサを添加する。
韓国で暮らしている時に参加させてもらった、友達の家では、なんと乳酸菌のエサとして、キムチに超高級なあまーい桃を入れていた。
日本人のわたしの感覚だと、キムチにしちゃうの、もったいない。
とはいえ、桃入りのぜいたくキムチはめちゃくちゃおいしかった。
このように、日本と韓国の食文化の違いが、お菓子のパッケージを変えることもあるのだ。
日本のパッケージは、どこをどうみても、玉ねぎだ。
…ん?
なんか、ニンニクに見えてきた。ちょっと白すぎん?
…日本のみなさま、ガーリック味ではないので、ご注意を。
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