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韓国人はすぐに「死にそうになる」が、心配しなくても大丈夫なはなし

韓国人は韓国語で話す時、すぐに「死にそう」になる。

つまり、慣用句のように「死にそうになった」という言葉をよく使うのだ。


韓国人が「死にそう」になる時


昔、韓国語の勉強を必死でしていたころ、わたしは韓国人が使う「死にそうになった」を真正面から受け取ってしまっていた。

死にそうになった=죽을 뻔했어(ちゅぐるぽんへっそ)
・죽다=死ぬ
・~을 뻔했어=しそうになった

電話で「頭が痛くて死にそうになった。」と聞けば、本気で心配して薬を準備したし、待ち合わせ時間に来ない友達が「転んで死にそうになった。」と聞けば、歩けないのかと思って、迎えに行くことを申し出た。

でも、そんなのぜんぜん必要なかった。

彼らは大抵、ぴんぴんして目の前にあらわれる。

***

韓国語に慣れたころ、やっと、気がついた。

韓国人はすぐ「死にそう」になるのだ。これ、ほんと。流れるように生死を口にするのだ。

例えば、こんな感じに。

「お腹がすいて死にそう。」

「眠くて死にそう。」

「疲れて死にそう。」

これって、意外と知らないとびっくりすることベスト10に入ると思う。

日本人は、眠くなったくらいじゃ死なない。

疲れたって、死ぬことはない。機嫌は悪くなるかもしれないけど。

全体的な傾向として思うのは、韓国語の言葉選びのほうが日本語のそれよりも少しオーバー気味であること。

逆に言えば、少しオーバー気味に言うほうが、韓国語が上手に聞こえるので、韓国語を勉強中の方は、少しオーバーに言ってみるといい。

ムダな心配やショックを受けないためのコツ


どんなに韓国人の言葉選びがオーバーであることを知っていても、やっぱり日本産のわたしの脳はびっくりしてしまう。

前回、このエッセイにも書いたけど、

韓国で暮らしている時、日本嫌いの先輩から

「日本のソース、めちゃくちゃマズい。死にそうになった。」

と言われ、大きなショックを受けた。とっさに、

「日本人のわたしにそれ言う?そこまでいう必要なくない?」

と思った。

今思えば、韓国人独特のちょっとオーバーな言葉選びだとわかるのだが、当時のわたしは、心の底から傷ついた。

ちょうど日本と韓国の文化の違いに疲れていたころだったので、私の方が異常に敏感だったのは、否めない。

実際、日本人のわたしは、どんなにニガテな韓国の食べ物だったとしても、韓国人の前で「マズい」と言ったことはなく、日本人独特の「まわりくどさ100%」の言い回しを使っていた。

こんな風に。

「日本にはあんまりない味かも…」

これは文化の違いにほかならない。ショックを受ける必要はないのだ。

(今、あの先輩に会ったら、意外と仲良くなれるような気もする。いや、それはないか…笑)

自分の言葉のチューニング方法を、相手に期待しちゃだめなことぐらいは、当時からわかっていた。

それは韓国人と日本人のコミュニケーションの場合だけでなく、日本人同士でも同じことだ。

今ならできる。

「日本のソース、めちゃくちゃマズい。死にそうになった。」

「日本のソース、韓国にはあんまりない味だね。おもしろい。」

こんな感じ。

チューニングレベルを自分に合わせた自動翻訳機を脳の中に入れておき、いつでも自動で立ち上がるように準備しておくことは、意外と大事だ。

そうじゃないと、ムダに心配したり、ショックをうけたりしてしまう。

韓国語がそこそこしゃべれる人は要注意


日本には、日本語が上手な韓国人がたくさんいる。

彼らはチューニングがとても上手なので、彼らと一緒にいてもこの違いには、気がつかない。

注意しないといけないのは、日本人であるあなたが韓国語を勉強し、そこそこしゃべれるようになった時だ。

韓国人は母国語で話すと、すぐに「死にそうになる」。

でも、心配しなくても大丈夫。

彼らは、死なない。



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