経済学101
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ノア・スミス「『技術革新と不平等の1000年史』書評」(2024年2月21日)
ダロン・アセモグルとサイモン・ジョンソンの大著を読んでも,技術革新で自動化が進まないようにする必要があるって話に納得はできなかった.
いたるところで「2023年の最重要ビジネス書」のリストに『技術革新と不平等の1000年史』が挙がっていたのは,意外でもなんでもないだろう.まず,著者たち自身の経歴からして,比肩する者がいない.ダロン・アセモグルのことを経済学界の発電所と呼んでも,本人の実績にばかば
リア・ブスタン&イリヤナ・クジエムコ「クラウディア・ゴールディンのノーベル賞受賞について」(2023年10月24日)
ハーバード大学のクラウディア・ゴールディンが、2023年のノーベル経済学章を受賞した。この記事は、彼女の元教え子で、今は研究者となった2人によって書かれたものである。本記事では、公式に評価された彼女の雇用と賃金のジェンダーギャップに関する研究と、労働市場での不平等を理解するための広範な課題への貢献の両方を概説する。ゴールディンの研究は、需要、供給、制度、規範における不平等の要因を明らかにするために
もっとみるノア・スミス「働く女性たちの物語にノーベル経済学賞」(2023年10月12日)
クラウディア・ゴールディンはいかにしていろんな糸をひとつに紡ぎ合わせたか2023年のノーベル経済学賞は,クラウディア・ゴールディンにおくられた.労働市場で女性に生じた変化に関する研究が受賞理由だ.彼女が受賞してすごくびっくり,ということはない.経済学者たちのあいだでは,ゴールディンは実証経済学で進んだ「信頼性革命」(“credibility revolution”) の主要な先駆者の一人と広く認め
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