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けむしのくつしたはいてるう

今日のプールの帰り、電車の中で、長女ほかろんが叫びました。
「ああっ、けむしのくつしたはいてるう。」
暖かくなってきて、(暑くなった)虫が出るようになってきたから、靴下に毛虫が付いているのかと思って、
「ぎょっ。」としたけど、まあいつものやつね。

前にいた親子連れが、終点駅が近くなったので、2歳くらいのこどもをベビーカーに座らせたところ、その子の靴下の模様が、なんと
「はらぺこあおむし」だったのですね。

この靴下、たしか本屋さんで売っていたわと思い出し、
「こらこら、毛虫なんて言わないの。はらぺこあおむしでしょう。」と言ったのだけど、まあ、毛虫もあおむしも幼虫なんだから、それほど間違いではない。

長女ほかろんは知的障害があって、自分が見たもの、ああっ!て思ったものをすぐ口にする。
それは、間違いではないが、電車の中などでは、そういう言い方はやめておこうね、みたいな言い方をする。
それも大きい声で。
しかし、本人は、
「なんで?」と思ってるんだろうね。
いいです、毛虫の靴下でも、おしりたんていぶぶっでも、怒涛のみすず学苑のたらこくちびるでも。思ったことを言ってもよし。
私が許す。

ほかろんは大人になっても、裸の王様に出てくる子どもと同じで、見たまま、感じたまま、話します。
それでいいです。正直者です。忖度無しです。

体は大人、頭はこども。
逆コナン。

昨日は、マクドナルドのハッピイセットのおまけがサンリオなので、
「ほしい!」とほかろんが言うため、買いに行きました。
バスは混んでるし、マクドナルドは混んでいるし、暑いし、母は少しイライラしてきました。
帰りがけに、同じ生活介護の通所に通う、なかなかくんに会いました。
彼もお母さんと一緒です。
「戦隊ものの映画を見に来た。」そうです。
キョウリュウジャーですか。
やはり、体は大人、頭はこども。
逆コナンです。
お母さんは目の手術をしてよく見えないのですが、移動支援のヘルパーさんが見つからないので、付き添って外出しているそうです。

そうなんです。
ヘルパーさんが見つからないのです。
だから、大人の障害者の外出の付き添いを中高年の母親が担っているのです。
健常者の人びとが見たら、不思議な光景に見えるでしょうね。
ハッピイセットだの、戦隊もの映画などに、自分よりおおきな障害者を連れて、出かけているんですから。

もはや、福祉の構造が破綻している国、日本。
映画館に歩いて行けるけど、知的障害者の付き添いのヘルパーが見つからない。
これはイオンシネマのせいでもなく、TOHOシネマズのせいでもありません。


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