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悪魔のささやき?

ときどき思う。
子どもなんて持たなければよかったのかな。
私は、子育てに向いてなかったのかな。
結婚もしなければよかった。
そうしたら、離婚もしないですんだ。
ひとりで、勉強したいだけして、たくさんの資格を取って、好きなだけ仕事をする生き方ができただろうな。

障害のある子が生まれなかったら、すごく楽に生きられただろうね。
そして、学んだ心理学を生かして、博士課程まで進んで、専門家という生き方をおもう存分楽しむことが出ただろうね。
それはすごく素敵な生き方のように思う。
自分の家族のケアに振り回されることなく、他人のケアをきめ細かく行うことができて、収入を得られたなら、どんなに生活が豊かになっていただろうか。
冷静に、落ち着いて、仕事をこなすことができたのではないだろうか。
憧れの人生だな。

そんな夢みたいなことを、73歳になっても思うことがある。
だけど、人生は一度きり。
戻ることも、変えることもできない。
制限だらけの、老障介護の生活。
躁病、知的障害、自閉スペクトラム症、癲癇の長女。
暴言や、思い付きの無茶ぶりや、大声や、しつこさや、こだわりに、いまだ、振り回されて、心が折れそうになったり、絶望したり。
私自身の生活は思うようにいかない。

「折り合いをつける」という体裁の良い言葉でごまかして、たくさんのことを「あきらめ」て生きている。

たまに、思う。
「私より先に、長女が死んでくれないものだろうか。」
主治医の先生にこの話をしたら、
「事故でもない限り、あなたが先に死にます。」
と言われた。
「あなたが先に死んでも、周りが、何とかやってくれるよ。」
と先生は続けた。

それでも。

もしかしたら。



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