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おかあさんつかれたよ

とうとうお手上げです。
洗濯機が古くなり、洗濯中にギーイーイーと大きな音をたてはじめました。

そして、その音よりもっと大きなギィ~イイイという、きしみ音が私の心から漏れ始めました。
限界ですよーと心がサインを出し始めたのです。」
わたしの心は敏感で、限界が来るとサインを出します。


30年ほど前のこと、私はうつ病になりました。
心はしずみ、何ごとにも「感じる」ということがなくなり、世界から色彩が消え、私の顔から表情が消えました。

生まれて初めて行ったメンタルクリニックの医師が言いました。
「脳がブレーキをかけてくれたのです。心と体が壊れる前に。」
私は言いました。
「せめて、胃潰瘍とか体に症状が出てくれれば、繊細な人と思われるでしょうに。なんでうつ病になんか。体裁悪いです。」
まだまだ、うつ病に対して世間の理解が少ない時代でした。
すると医師は言いました。
「あなたの脳が敏感だったからです。」

そうなのです。脳が私の命を守ってくれたのです。

えらい。私の脳。いい仕事をしてくれました。

それ以来、うつ病は、私の心のすみっこに、ひっそりと居座り、ことあるごとに、不安感をキャッチし、表に出てきます。

そして何より、もう疲れてしまった。もうだめ。死んでしまいたい。どこかに行ってしまいたい。消えてしまいたい。遁走してしまいたい。

というような状態になると、しっかり私のすべてをストップさせて、命を救ってくれているのです。おかげさまで、過酷な人生ですが、73歳まで生き延びています。

ありがとう。私の敏感な脳。

うつ病。私の相棒。死ぬまで一緒だよ。

電気屋さんが新しい洗濯機を持ってきてくれました。コロナ禍で家電が不足している今、一台だけ、在庫があったそうです。新しい洗濯機は、すいすいと気持ちの良い音で、洗濯をしてくれてます。

ありがとう。電気屋さん。ありがとう洗濯機。

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