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THE STREET SLIDERS 40th Anniversary Final Special GIG「enjoy the moment」 日比谷野外大音楽堂 個人的備忘録

わしゃこの先ライブ行くたびにこのくそ長note書くんかな
この熱量でこんだけの文章書くのまじで学生時代以来なんですが
書き始めてみたらわたしは共通の話題として話す相手がいなかっただけでアタマん中ではめちゃくちゃ喋っていたんだな
かといってSNSでファン同士繋がってオフ会ワッショーーイってマインドの持ち主でもない
そんなコミュ力ある奴は小学生でスライダーズにハマってない

WOWOWの生放送も入ったライブでわざわざセトリだ衣装だと書き留めておくような事もそんなにないけど
一応自分用のメモと主にリハの様子や個人の昔話と旅行記です
というかもうわざわざここ読みにくる人は全員現地にいたかWOWOW見た人だと思ってその前提で書いてる
あとわたしはまだWOWOWの録画は見れてない
色々細かいディテール見てから書いちゃうと自分用の備忘録としてのライブ感みたいなものが薄れちゃう気がした
イヤライブ感て

私にとっては色々ドラマを感じたり思うところがありすぎてわざわざなにか書いて残しておくことに多少の抵抗があるのは否めない
長々と書いてみたものの、コレめっちゃ叩かれんじゃね?何よりメンバー本人達にとってめちゃくちゃ不本意なんじゃね?って思いがぐるぐるして読み返してはなんだか思ってること上手く書けないなってぜんぶ消したくなってみたり
いつも支離滅裂ではあるけど今回は特に思考がふわふわしてうまくまとまらない
なかなか公開ボタンをポチッとできない
いや別にコレがメンバー本人たちに届くとか思ってる訳ではなくて、リハのこととか詳しく書いちゃってて大丈夫なのかなとか
そりゃわたしなんかが何を書いたとてゴミほどの影響力もないんだけどさ

けど!
確かに言える事はあの日わたしは本当に素晴らしいものを見たし、見れて良かった!!!!!
それはもう紛れもなく!!!

わたしが初めて野音に来たのは大〜昔
座席も自由でガラガラのほんとになんて事ないちっちゃいちっちゃいイベントだったと思う
わたしにとっては野音と言えばむしろRCサクセション
子供の頃『the TEARS OF a CLOWN』のライブビデオを自分のお小遣いでは買えなくてレンタルで何度も借りて何度も見た
あとはシティボーイズ
毛皮男たち
廊下を走る人
コレも大好きで何度も何度もビデオ見た
イベントのことは何一つ覚えてないのにココがあの野音か〜と感動したことだけは覚えてる
チャボさんと清志郎さんのGLAD ALL OVERもめちゃくちゃ見に行きたかったのに確かファンクラブ入ってたのにチケット取れなかったんだよ
当時は往復ハガキで応募した記憶
今ならぜんぜん音漏れとか聴きに行くんだろうけど田舎の高校生がチケットも持ってないのに東京まで行くガッツはなかった
そういうほんとに見たいイベントは見れていない
ちょっと苦い思い出の会場だ
無くなるというか建て替えると聞いた時は流石にちょっとショックだった
建て替えが1年延長になったと知って、コレはスライダーズの野音あるのでは???なんて期待をしたけど、実際には秋ツアーの最終日には既に決まっていた公演だったらしいので、諸々スケジュール加味した上で春ツアー途中での開催になったんだろうと思う
当然WOWOWの中継が入る事も早い段階で決まっていただろうし、関わるスタッフの数も武道館公演に次ぐレベルの一大プロジェクトだったと思われる

そういう中でハリーのああいう姿を見るというのは単純に辛いとか可哀想とか心配とかそういうんじゃない
これから起こる全てを目と心に焼き付けて今後一生決して忘れてはならないという使命感を覚えてしまった
ハリーがよく言う「今日は楽しんでってくれ」
観客にそういう気持ちで見てほしいハリーにとってこれほど不本意な状況は無かったのではないか

正直私が見たハリーのソロのライブでは、見ていてもっと辛そうな時もあった
だからこそ肺がん治療からの復帰ライブ以降のハリーの声量には毎回驚かされたし、実際に野音の前の週に行われた新潟公演ではほぼ完璧と言って良い歌唱とパフォーマンスを見せてくれていたし、直前のリハでも全く問題ないと思わせる声が会場に響いていた

スライダーズ40周年アニバーサリー
豊洲を引き当てたことに始まる私の謎のヒキの強さによってこの日私が座る事になった席
いわゆる神席と呼ばれる場所って人によってまちまちだと思うんだけど、相変わらずどことは書かないんだけど、メンバーとの距離とか見え方とかそういう事とはちょっと次元の違う私にとっては紛れもなく特別な【神席】と呼ぶべき場所だった
こういう席からスライダーズの野音を見る未来があるんだよって事をあの日こども部屋に引きこもってラジカセに齧り付いてた小学生時代のわたしに教えてあげたい
まずはこの日ここに居られるって事
ここにいる事が全てさ(全てさ〜)
奇跡が起こるところさ

てなわけで
野音っつったらそりゃやっぱリハから聞きに行きたいよね
わたしは東北住みだけど都内に住んでるダンナの妹がいて、ダンナと結婚したというよりもこの子と身内になるためにダンナと出会ったんじゃないか?ってくらいめちゃくちゃ気の合うヲタ仲間でもあるんだけど、東京着くなり一旦そのまま彼女の家に凸
毎回ヲタ活の度に早朝凸にも深夜凸にもやな顔ひとつしないどころか風呂飯オフトンでもてなしてくれる東京のお母さんだ(ちゃんと彼女がこっち来た時は倍返ししてるよ)
荷物置いて身軽になって野音仕様に着替えて彼女が用意してくれたヘアアイロンやらなんやら遠慮なしに使わせてもらって姪っ子(8歳バンギャ)が「推しに会いに行くならコレ貸してあげる〜」ってタングルティーザーで髪の毛とぅるっとぅるにしてくれてすぐ出発
都合のいい女扱いしてまじでごめん

物販が始まる前、13時ごろに野音に到着
桜や花壇の花が咲いてて少しお日様も見え始めてめちゃくちゃ良いお花見日和だ
既に物販の長蛇の列ができてたけど相変わらず基本物販は買わないのでスルー
推しに金落とさん奴でほんますまん
交通費として推しに全く関係ないとこにばっか金落としてる

サウンドチェックがよく聞こえてちょっと座れて桜も眺められてお日様にも焼かれない好ポジションを見つけてしばし待機
ドラムのサウンドチェックが始まった瞬間それまでのどかに戯れてた鳩たちが一斉に飛び立つ
さすがZUZUさんやで

聞こえてきたのはリズム隊2人だけのカメレオン
鳥肌が立ったのは寒さのせいじゃない
ジェームズさんのベースラインはリズムでありメロディーである事がありありと示される
ズズさん、ジェームズさん、公平さん、ハリーの順番でそれぞれが軽く音を出す
いや最高
もう既に最高
語彙力があまりにもバカなんだけどほんとこの4人は4人ともが天才
日比谷公園の緑とそれを取り囲むビル群に吸い込まれていくそれぞれの音を聞いているとそれだけでもう感動というかふわふわしてまさに宙に浮いてる気分だった

中盤に差し掛かったところで聞こえてきたのはまさかのホーンセクションの音
コレはものすごいネタバレを喰らってしまったとは思ったけどコッチから喰らいに行ってるし演者本人達からもたらされるものはネタバレじゃなく前菜であるというマイルールの元に遠慮なく堪能させてもらう
野音でホーンセクションって言ったら私にとってのイメージはもうRCサクセション
一瞬まさか梅津さん?と思ったけどバリトンの音もしてるしちょっと違うかもなと思っていた
ヤバいコレはほんとにSpecial GIGだわ

あまりにも心地よくてボーーっと聞き惚れてたけど途中からあわててとったざっくり聞こえてきた順番メモ

EASY ACTION
Angel Duster
曇った空に光放ち
ありったけのコイン
(ホーンセッションの音)
ミッドナイト・アワー
おかかえ運転手にはなりたくない
野良犬にさえなれない
Dancin' Doll
カメレオン
Rock On
Rock 'n' roll Sister
oh神様
BADな女
Back To Back
いつか見たかげろう
Slider

次々と聞こえてくる曲にうわーうわーとひとり悶えるわたし
「気だるい午後ビルの窓から
雲の行方眺めてたのさ」
もうめちゃくちゃ野音ソングですやん
俄然本番への期待値が爆上がりする
のどかな昼下がり普通に公園をお散歩していたおじいさんがBADな女に合わせて体操している姿がたまらなく良かった

撮影禁止とアナウンスされている会場でのステージ写真をSNSにアップしている人に対してと同様にコレはあくまでもわたし個人の譲れない部分なのだけど
当たり前のようにリハの最中に動画を回してSNSにアップされてるのを見かけると少し萎える
というか50000歩譲って撮っちゃう気持ちはまじで分からん事はないのよ
ぶっちゃけ撮ってるなーって人はけっこういっぱい見かけた
でもそれをわざわざ鍵もかけてないSNSにのせるのはなんか違うのではないか
悪いことすんなって言ってんじゃないの
ダサいことすんなって言ってんの
みんな喜んでくれるだろうから現地に来れない人へのお裾分け!のお裾を分けても良い人は他ならぬ演奏者本人や公式だけではないのか
その音源は果たして誰のお裾なのか
「違法だよ!あげるくん」のわんこの顔になってしまう
本編が撮影録画録音禁止とされているのならば当然リハもそれに準ずると判断されるべきと思うのだけどどうなのだろうか
とにかく私はちょっと萎えぽよ

まぁそれ言ったらリハ聞きにいく行為だってグレーゾーンだし萎える人は萎えるんだろうけどさ
そもそも本人達が人に聞かせる前提でやってるものではなくあくまでもリハーサルだからそこは私も未必の故意だと自覚はしてる
自覚してるからこそ同じ穴のムジナとしてせめてコッソリやってくれんかなあ?と思う

わたしも多方面でのヲタ活においていろんなローカルルールやお作法に翻弄される事もあるけどその辺はほんとに個々の匙加減というか
ネタバレ云々にしてもぜったいに踏みたくない例え音漏れしていても聞かないようにする人だっているだろうしやっぱり現地に行けない人からしたら写真や動画だけでもありがたいのかもしれないし
わたし的には公式がダメだと言ったらそれはダメだし厳密にはFC向けのメール内容や配布物だって転載禁止となってるものは全世界誰でも見られる状態のSNSにあげるべきじゃないのではないかなってのがマイルール

あとここ一旦記事を公開してから追記してるけどバースデーカードをアップすんのもやめたげてーーーー
私は比較的誕生日が早いので自分の手元に来る前にネタバレする事はほとんどないんだけどどんな写真で来るかはドキドキワクワクしたいじゃんかーーー
ご自分の名前消したとてこちとらそこはぜんぜん興味ないから写真のとこ消したげてーーーー


この辺あんまりうるさくするとまあ揉めるし自分でもうっかりする事は大いにあり得るからもうこれ以上はやめとこう
ま、いろんな考えのひとがおりますわ
メンバー本人に仮にもしアリかナシか聞いてみる機会があったとしても「好きに楽しんでくれ」としか言わない気もしないでもない

ハリーの声の不調について、リハで張り切りすぎたからだという意見も目にしたけどわたしはちょっとそれは違うような気がしている
1時間以上行われていたリハーサルだけど、去年の秋ツアーの仙台でもほぼ全編リハをコレまたグレーゾーンで聞いていたわたし(コラ)
おそらくスライダーズにとっては特別長いとかやりすぎたってものではなくあれが通常モードなのだと思う

マイクの調整もあるし、ある程度事前に声出しておかないと本番に支障をきたすタイプのボーカリストもいると思う
ハリーがそうかは知らんけど
でもリハだから控えて歌おうってタイプのボーカリストだとはちょっと思えないしリハで控えちゃったら本番でマイクの音量合わなくなっちゃうのでは?
本当に知らんけど

ホーンセクションのみのリハーサルもあったし、クレーンカメラらしきものがぐわんぐわんしてるのも見えたので撮影クルーのリハも兼ねていたと思うから通常モードより少し時間はかかったのかもしれない

本編では1曲目に演奏されたSlider
リハでは1番最後に演奏された
この時ハリーは少し控えめに、というか今思えば声を張る部分を休み休み歌っていたような気がする

ハリーの声の不調の原因
そりゃもちろんわたしなんかには一生分からんのだけど
強いて言うなら【にんげんだもの】という他ない 気がする
ジェームズさんのブログにそれにしても寒かった!とあったようにリハーサル段階から屋外で更に客席は着込むなどして対策取れたけど演者はそうはいかない中でやっぱり冷えなのかなあとも思うけどつくづく声や歌って人間が出してるものだなあと実感する
つい1週間、更にはつい小一時間前には大丈夫だったものが突然出なくなる
ただやっぱり何かしらの病気や炎症も心配だからあのあとちゃんと医療機関にはかかっていると信じたい

なんかあまりにもハリーの声ガー喉ガーって書いちゃってて申し訳なくなってきたけどハリーが本当にすごいのはそんな状況でほとんどMCのない超ストロングスタイルのステージを最終的にアンコールまで休まず最後まで歌い切ったし後半は見事に持ち直しているというところ
そして演奏に関しては何ひとつ誰ひとり
文句のつけようのない素晴らしいものだった
もちろんあの独特の声と歌唱と歌詞はハリーの最大の魅力なのは間違いないんだけど
いちギタリストとしてのハリーの魅力はそれに引けを取らない
そして何よりハリーの様子を察知した他の3人のサポート体制があまりにも万全にして強すぎる
見てる側は少しハラハラしちゃってるのにバンド自体は不思議と全くピリピリもしてないし焦ってる素振りもない
仙台でちょっと声が出しづらそうなハリーを見て明らかに少しコーラスのギアを上げた公平さんだったけど、ハリーがいつどんなタイミングでどうなっても対応できるようにグッとアンテナを張っているのが遠目に見ていてもよく分かった

武道館から1年間
この4人でやってきた事に23年のブランクなんて1ミリも関係ないんだなという事をこんな形で見る事になるなんて思ってもみなかった
こういう時の感動を表す的確な言葉を持たない私が抱いた率直でストレートな感想は絶対に他にもっと良い言い方があると思うけど
この人たちバケモンかな?
だった
あまりにも強すぎるだろ

時系列おかしくなったけどとにかくあくまでも通常モードの様に思われたリハーサルが終わり、会場には秋、春ツアーの客入れと同じブルースナンバーが響き始める

さすがにお昼ごはん抜きで挑むわけにもいかず、近くのカフェで軽くお腹に入れられるものを買い込んで公園の景色を眺めながらの腹ごしらえ
心配されていた天気もまずまずでピクニック気分で相当に気持ちがいい
開場時刻も近づき、武道館の時のように会場の周りにはひと目でスライダーズフリークと分かる人々が続々と集まってくる
いや、コレどう考えても多すぎんか
会場のキャパに対して明らかに多すぎんか
おそらくチケットを持たないいわゆる【音漏れ参戦組】と呼ばれる方々も相当数含まれていると思われた
たぶん私も近くに住んでてチケット持ってなかったらぜったい来ただろうな
音漏れ参戦が黙認される独特の雰囲気というのがやっぱり今の野音にはある気がする(ほんとのとこ許されてるかは知らん)

会場内の雰囲気というのはもうみんな現地かWOWOWで見たものとして進めるけど、正面に円形のペルシャ絨毯が4つ
足元にもペルシャ絨毯が敷かれている
のみ!
し、シンプルにも程がある!
まさかイラン情勢へのなんらかのメッセージかはたまたチバユウスケへの何某かなんて深読みをしたくならない事もないけどたぶんそんなに深い意味はないような気もする
4人の楽器と4人がいればそれだけで絵になる、そういう雰囲気が今の4人には確かにある
おそらく開演前の撮影禁止とかのアナウンスは私には聞こえて来なかったのでそそくさと写真を撮らせてもらう
そして振り返ってステージ側からの景色を確認する
や、ヤバい
今まで散々色んな人のライブビデオで見てきた光景じゃん(私が大昔に来たのは真昼間のイベント)

さっき神席とは書いたものの、実は見え方としてはなかなかキツいものがあった
私の目の前には屈強というかまあ普通に背の高い男性がずらっとそれはもうウォールマリア
今すぐ私を巨人化してほしい
それでもいざ始まってしまうとどうにかこうにか隙間を縫ってステージの向こうのビル群に暮れていく空と鮮やかさを増していく照明が言葉に表せないほど美しかった

2曲目で早くも異変を感じたハリーの声
だ、大丈夫なのか?
このあとリハで聴いたあの曲もあの曲もあの曲もあるけどいけるのか?
あらかじめセトリが入っているとやっぱりこういう余計な事に囚われてしまう
でもさっきも書いたけどバンドは不思議と平常運転
新潟で絶好調だったZUZUさんは今日も声援に両手を振ってキュートを振り撒きムードを和らげている
ハリーがモニターに足を取られたり、例のお待ちかね、みんな大好きカメレオンでのワンマイクで公平さんとハリーのギターが接触?するというちょっと珍しいアクシデントもあったけど、あれ画面で見てた人にはどう見えてたか分からないけどその後の対応含めて私にはなんかちょっと微笑ましく見えた
おっとっとって感じで決して足元おぼつかずによろけたとかではなかったからそこは声を大にして言っときたい
ミッドナイト・アワーまでは春ツアーと同じセトリ(だよね?)
ここでメンバー紹介からジェームズさんか公平さんが歌うのかな?と思ったらそのままカメレオンだったので、そろそろハリーの喉を休ませてほしいな〜と思ったところにRock Onのイントロでブチ上がる
あんなに大好きだったHello Old Friendsだけど、リハでRock Onが流れてきた時はもうこれほど野音に合う曲もないと思えてしまった
ヤバい
ぜったいに今のスライダーズで酔いどれダンサーも聴きたすぎる
とくれば次は当然公平さんのRock 'n' roll Sister
夕暮れのSteadyシスター・ロゼッタ
ヤバい
ぜったいに今のスライダーズでSunshine Eye Angelも聴きたすぎる
ここでスペシャルホーンセクションの登場
あの、えっと、あのカッコいいホーンセクションは一体どなたなんですか?
仮にもゲストがあんなにも何の紹介もなく登場して何の紹介もなく去っていく事あるん???
後で調べたら過去に公平さんと共演していた方々らしい
つまり今回のスペシャルセッションのイニシアチブを取っているのが誰なのかは言わずもなが
セッションに限らず客入れの選曲を見ても映像化、音源化のミキシングを見ても今回の再集結において担っている比重は計り知れない
あの人はまじでほんとすごい
あのえげつないサポート力とプロデュース力とアレンジ力は単純に解散前のスライダーズのギタリスト、ギターアイドルとしてしか見ていなかった昔の私には全く分かっていなかった
バンマスとして鉄壁の存在なのは公平さんなんだけどあくまでもバンドとしての空気感を左右するのはやっぱり間違いなくハリーだという事も今回改めてよく分かった気がする
ハリーが調子良くてご機嫌な時はバンド全体もハッピーモード
ハリーの不調を察知すれば一丸となってサポートに徹するのが他の3人だ
ジェームズさんのどこまでも優しくてちょっと自虐的なほど控えめな所も解散前にはぜんぜん分からなかったし、実は1番ヤンチャで1番ロックなのがズズさんだってことも解散前には知らなかった
当時のブランディングとしてそういう部分はあまり見る機会が無かったし少なくとも私には見えていなかった

いや強すぎるだろスライダーズ

ホーンを従えたOh!神様、BADな女
聞き馴染んだREC版の演奏がそのまま目の前で再現されているようで感動的だった
そしてBack To Back
公平さんのイントロは新潟バージョンに近かった
野音でこの曲が聴ける2024年
この4人で、ハリーの声で
それが当たり前じゃないって事を思い知らされる

解散前のスライダーズのライブをここまで短期間に何度も見た事なかった私にはその日見たそのライブが全てで、声や演奏の良し悪しを比較する対象なんて無くて、そんな事を感じた事すらないくらいいつも目の前のスライダーズはMAXで最高だった
今回ほぼ同じセトリを3週連続で体験するというちょっともったいないくらいの経験をして、結局やっぱりいつでも目の前のスライダーズはMAXで最高だった

少し休憩を挟んでのアンコール
遮るものが何もない空にどこまでも響くいつか見たかげろう
ライブでは毎回ほぼ百発百中で号泣してきたわたしだけど、この日は会場全体の雰囲気とハリーの喉ガンバレ〜の祈りが強すぎて珍しく泣かずにここまで来たのに
ああああもうすぐ終わってしまうという現実が急に押し寄せてきて見事に涙腺決壊
「じゃあ、最後に風の街」
歌い切った
最後までハリーは歌い切ったしこの頃にはもうぜんぜん問題ないほど声が持ち直していた
ツアーではここでハリーの「thank you」を合図にPANORAMA のSEが流れて4人が手を繋いでのフィナーレとなるのだけど、今回はそれがなく
あまりにもあっけなく終わってしまった

いや強すぎるだろスライダーズ
ストロングスタイルにも程があるわ
MCらしきMCは一切無く
やることやってキッチリ盛り上げてさっさと帰っていく
昔も今もそれがThe Street Slidersだ

終演のアナウンスが流れてやっと現実に戻ってどこかで一杯やりながら余韻に浸る


とはならないのが私である
この先はスライダーズの話し一切関係ありません

私のお笑い方面の推し
大阪で独自の活躍を続けている漫才師のヤングがこの日ちょうど東京に来ている
私はお笑い、それもテレビとかで見るタイプではないいわゆる「ど地下芸人」と呼ばれる大阪や東京の舞台を主戦場としている芸人を推しがちで、普段は大阪まで行かなきゃ見られないヤングが同じ東京にいるならもう行くしかない

ウォールマリアの隙間からずっと背伸びでステージを見ていた私の逞しい足は既にパンパンだけど走るしかない

会場はど地下お笑い界でもまじでどこやねんシティ十条
新宿でも中野でも阿佐ヶ谷でも下北でも高円寺でもなくなぜか十条
イヤ、十条は良い街だけどね
お笑いの会場としてはまじでどこでやってんねん
時間的にほぼ終演時刻に到着になるのは免れなかったけどなんとか滑り込んで20分ほど鑑賞して、ヤングを追いかけて大阪からやってきたお笑い方面のお友だちと十条飲み
私はお笑い方面においてもSNSで繋がって誰とでもオフ会ワッショーーイというマインドの持ち主ではないけど、この面々はなんとなく私のそういう部分にも理解を示してくれるごくごく少数精鋭のヲタ仲間である

東京のお母さんである義妹宅に一泊させてもらい、翌日はこれはまた普段は大阪まで行かないと見られない孤高のピン芸人村橋ステム主催の東京遠征1日3公演行われるライブ
その1本目だけを見て時間ギリギリ田舎へ帰る
私の8年来の推し、R-1グランプリ2024王者である街裏ぴんくさんに直接おめでとうと言う事ができて感無量
コロナ禍以降、舞台を見ることはあっても直接お声掛けする機会はなくてかれこれ3年ぶりに声をかけようと近づいたら私の顔を見るなり「お久しぶりです〜〜!!!!」と仰ってくださって感動した
そうだよコレはマウントだよ
あーし、R-1チャンピオンに認知もらってっから✌️
街裏さんを初めて見た時の衝撃は忘れられない
この人はいずれ必ず世に出て何百人、何千人キャパの会場を1人で沸かせる事になると確信していた
それがいよいよ現実になろうとしているのだ
地下のお笑いを見てるとこういう事が度々ある
その日の舞台も素晴らしく、涙が出るほど笑って、なんだかそのまま涙が止まらなくなるほど感動もした
もうおばさんの涙腺は音楽のライブでもお笑いのライブでもガバガバだ
1日3公演の全部が見たくてめちゃくちゃ後ろ髪を引かれたけどシンデレラおばさんの魔法が解ける時間が来てしまう

R-1グランプリ2024チャンピオン
街裏ぴんく
カメラを向けると無限にポーズを取ってくれる
大手事務所に所属せず自分たちで事務所と舞台を持つ
ナニワの漫才師ヤング
これは普段の衣装と立ち位置とボケツッコミを入れ替えて
同じネタを見た事ある人も楽しませてくれるというサービス
やはり大手事務所には所属していない
孤高のスーパーフリーピン芸人村橋ステム
衣装にプリントされているのは同じく孤高の女ピン芸人
承子クラーケン
いやぜんぶ誰やねん
誰が誰の服着て何やってんねん

スライダーズとお笑いと数少ないヲタ仲間との束の間の集い
十分に満たされて家路につく

子供の頃は親ほどの年頃のバンドマンに夢中になり今は娘や息子ほどの客層に混じってお笑いを見ている
いつだってカルチャーの王道を歩む事は難しかった私にサブカルだけがいつも優しかった

スライダーズの40周年記念公演
ツアー2公演を残してはいるけどおそらく私にとってはこれが最後になるだろう(ワンチャンNHKのリセールも応募だけはしてるけどまあムリやろ)
最後になんちゅうもんを見せてくれたんや
バンドは生き物であり、スライダーズというバンドは解散はしたけどずっと生きて今日のこの日まで続いてたしこの先もまだまだ生き続けていく
その現役の姿をまたいつか見せてほしいと思う
くよくよしてもはじまらないよ
くよくよしたって終われやしないさ


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